ブラウンフィールドの活用に関する事例

217 ハルデ・ラインエルベ

(ドイツ連邦共和国)

閉山したラインエルベ炭鉱のぼた山を中心とする50ヘクタールの地区を公園とするプロジェクト。彫刻家のヘルマン・プリガンが10メートルの高さの芸術作品を設置し、「ヒンメルストレッペ」(天国への階段)と名付けられた。それまで何もなかったぼた山の頂上にランドマークがつくられたこと、そして周辺が森と変容したことで、市民が憩える空間となった。

194 テトラエーダー

(ドイツ連邦共和国)

IBAエムシャーパークの事業として、ボットロップ市のバーテンブロック地区のぼた山の上に1995年につくられた。それは鋼鉄でできた一辺60メートルの三角錐の建築構造物で、底面は地面から9メートルの高さに浮いている。ここからはまさに360度のルール地方の展望を得ることができる。

190 MFOパーク

(スイス連邦)

チューリッヒ市のエルリコン地区(Oerlikon)の再開発地区につくられた公園。開発にあたっての課題は、工場跡地という場所を、いかに人々に親しまれ、来たくなる(住みたくなる)場所へと転換させるかであった。しかも、この再開発地区は兵器工場であったから、そのネガティブなイメージをポジティブなものへと転換させることは、再開発成功の鍵を握っていたといえよう。

188 ブルックリン・ブリッジ・パーク

(アメリカ合衆国)

イースト・リバー沿いにある34ヘクタールの公園。ウォーターフロントの2キロメートルの長さの土地を公園として開発した。2008年から開始された埋め立て事業には、ワールド・トレード・センターの瓦礫が使われている。

174 カール・ハイネ運河の再生事業

(ドイツ連邦共和国)

カール・ハイネ運河は旧東ドイツ時代には下水道として使われ、その環境汚染は凄まじいものがあった。しかし、東西ドイツ統一後、この環境汚染を解決させ、新たに人々が憩えるようなウォーターフロントへと再生することを計画。さらに孤立した港として放置されてきたリンデナウ港とこの運河を結んだことで、港周辺の環境改善や住宅開発も進み、良好な生活環境が生み出されている。

142 グランヴィル・アイランド

(カナダ)

グランヴィル・アイランドは北米の都市再開発の成功事例として知られている。その理由としては、多くの地元の人が利用していることが真っ先に挙げられるであろう。カナダ住宅金融公社が作成した基準は、賃貸が高くなることを防止し、この場所にオーセンティシティをつくることにつながるような工芸品の製造業や、小売店、文化的な活動を支援することに成功している。

130 ヴァルカン地区再開発

(ノルウェー王国)

雑草が生い茂り、オスロ市内でも最もイメージの悪い地区の一つとなってしまったるヴァルカン地区。しかし、2004年にAspelin Ramm、Anthon B Nilsen Property Developersというデベロッパー会社によって、ほぼ100%民間主体でミックスドユース地区へと再開発され、オスロ市内でも有数のアーバニティ溢れる人気のスポットへと変貌している。

126 オスロのオペラハウス

(ノルウェー王国)

筆者は、取材のためにオスロ市を滞在中、3回ほどこのオペラハウスを訪れたが、昼夜を問わず常に人で溢れていた。オペラを観劇しない人々もここを訪れているのである。

101 観塘プロムナード

(香港特別行政区)

ジョギングをしている人、ギターの演奏をしている人、運動器具でシェイプアップしている人、散策をしている人、パーゴラの下で読書をしている人などを見るにつけ、優れた公共空間を整備することで都市生活はかくも豊かになるのだな、ということを改めて確認する。

088 ジズコフ駅の再生プロジェクト

(チェコ共和国)

無骨で巨大な産業建築の中に、お洒落なお花畑やバーなどがある。私が訪れた時は、ランドスケープの展示がされていたが、それを眺めながらゆったりと産業遺産の巨大な構造物の中でビールを飲むのは、なかなかの空間体験である。

065 シュピネライ

(ドイツ連邦共和国)

ドイツ再統一後、競争力の無さから閉鎖され、放置された広大な工場跡地がアーティストたちの活動の場として復活。ライプチッヒ市でも若者にも人気のある文化ゾーンへと変容した。何か創造したくなるような気分にさせられる刺激的な場所。

057 オーガスタス・F・ホーキンス自然公園

(アメリカ合衆国)

ロスアンジェルスの工業地帯。治安が悪く、また土壌も汚染されていた場所が、市民参加の公園づくりによって生まれ変わった。まさにアスファルト・ジャングルの中のオアシスのような空間。

044 フィニックス・ゼー

(ドイツ連邦共和国)

ヨーロッパの工業の中心とも形容されたルール地方の中核都市の一つドルトムント。このドルトムントを始めとしたルール地方は、産業転換で不必要となった巨大な工業用地がたくさんある。フェニックス・ゼーは同市の南部、ヒューデ地区に位置するティッセン・クルップ社の溶鉱炉と製鉄所があった場所の再開発プロジェクトである。

027 ギラデリ・スクエア

(アメリカ合衆国)

ギラデリ・スクエアはサンフランシスコの北部にあるフィッシャーマンズ・ワーフ地区にある、歴史的建造物であるチョコレート工場を再利用した商業施設である。サンフランシスコのウォーターフロントの歴史、そしてアイデンティティを体現するウォーターフロントのランドマークとして隣接するキャナリー・ワーフとともに重要な役割を担っている。そして、この施設はアメリカでも工場等の建物を商業施設として再利用した最初の事例でもあるのだ。

013 ローウェル・ナショナル・ヒストリック・パーク

(アメリカ合衆国)

ローウェル・ナショナル・ヒストリカル・パークは、歴史保全をし、なおかつそれを博物館として展示し、解説するという機能を持つ都市公園としては全米初のものである。

009 ツォルフェライン

(ドイツ連邦共和国)

 IBAエムシャーパークによって、ルール地方は産業遺産を活用した斬新なプロジェクトを展開する。その象徴が、世界文化遺産に指定されたエッセンにあるこのツォルフェライン炭鉱である。

インタビュー

ジャイメ・レルネル氏インタビュー

(建築家・元クリチバ市長)

「よりよい都市を目指すには、スピードが重要です。なぜなら、創造は「始める」ということだからです。我々はプロジェクトが完了したり、すべての答えが準備されたりするまで待つ必要はないのです。時には、ただ始めた方がいい場合もあるのです。そして、そのアイデアに人々がどのように反応するかをみればいいのです。」(ジャイメ・レルネル)

鳴海邦碩氏インタビュー

(大阪大学名誉教授)

1970年代から長年にわたり日本の都市計画・都市デザインの研究をリードしてきた鳴海先生。ひとびとが生き生きと暮らせる都市をめざすにはどういう視点が大事なのか。
これまでの研究と実践活動の歩みを具体的に振り返りながら語っていただきました。

中村ひとし氏インタビュー

(クリチバ市元環境局長)

シリーズ「都市の鍼治療」。今回は「クリチバの奇跡」と呼ばれる都市計画の実行にたずさわったクリチバ市元環境局長の中村ひとしさんをゲストに迎え、お話をお聞きします。

対談 福田知弘 × 服部圭郎

(大阪大学サイバーメディアコモンズにて収録)

お金がなくても知恵を活かせば都市は元気になる。ヴァーチャルリアリティの専門家でもある福田先生に、国内・海外の「都市の鍼治療」事例をたくさんご紹介いただきました。聞き手は「都市の鍼治療」伝道師でもある、服部圭郎 明治学院大学経済学部教授です。

対談 阿部大輔 × 服部圭郎

(龍谷大学政策学部にて収録)

「市街地に孔を開けることで、都市は元気になる。」(阿部大輔 龍谷大学准教授)
データベース「都市の鍼治療」。今回はスペシャル版として、京都・龍谷大学より、対談形式の録画番組をお届けします。お話をうかがうのは、都市デザインがご専門の阿部大輔 龍谷大学政策学部政策学科准教授です。スペイン・バルセロナの都市再生に詳しい阿部先生に、バルセロナ流の「都市の鍼治療」について解説していただきました。

岡部明子氏インタビュー

(建築家・東京大学教授)

「本当に現実に向き合うと、(統計データとは)違ったものが見えてきます。この塩見という土地で、わたしたちが、大学、学生という立場を活かして何かをすることが、一種のツボ押しになり、新しい経済活動がそのまわりに生まれてくる。新たなものがまわりに出てくることが大切で、そういうことが鍼治療なのだと思います。」(岡部明子)

今回は、建築家で東京大学教授の岡部明子氏へのインタビューをお送りします。

土肥真人氏インタビュー

(東京工業大学准教授)

今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、東京工業大学准教授の土肥真人氏へのインタビューをお送りします。土肥先生は「エコロジカル・デモクラシー」をキーワードに、人間と都市を生態系の中に位置づけなおす研究に取り組み、市民と共に新しいまちづくりを実践されています。