ランドマークの建設に関する事例

203 デンバー美術館(ハミルトン・ビルディング)

(アメリカ合衆国)

デンバー美術館はデンバーのシビック・センター(行政地区)にある。ダニエル・リベスキント設計のハミルトン・ビルディングは、その斬新な意匠によって、ほとんど一夜にしてデンバー市の重要なランドマークとして人々に認識されることになった。また都市計画的にも、行政地区の西端に集客施設をつくり、都心部を西に拡張させる役割も果たしている。

191 ブラジリアの大聖堂

(ブラジル連邦共和国)

ブラジルを代表する建築家オスカー・ニーマイヤーの設計によるブラジリアの大聖堂。その建築的造形の美しさとカトリック国としての存在を強く新首都において主張するこの大聖堂の存在は、ブラジルという国のアイデンティティを強烈に主張し、その都市の象徴としての役割を見事に果たしている。

189 ポンピドー・センター

(フランス共和国)

パリはホーブール地区の市場跡地に、ポンピドー大統領の指示によって1977年につくられたモダン・アート(現代美術)のための文化施設。そのデザインは、当時、随分と突飛な印象を人々に与えた。設計者のレンゾ・ピアノはその意図を「いかめしい文化施設のイメージを破壊したかった」(Figaro, 2017年2月)と述べている。

158 ベルリン市立ユダヤ博物館

(ドイツ連邦共和国)

ベルリン市立ユダヤ博物館は、4世紀から現在に至るまでのドイツにおけるユダヤ人の社会、政治、文化的な歴史を展示している。それは、ドイツにおけるホロコーストという悲惨な歴史的事実を経て、それらをこれまでのドイツにおけるユダヤ人の歴史の文脈の中で位置づけ、展示することも意図している。

155 ストックホルム市立図書館

(スウェーデン王国)

インターネットの普及によって、図書館には人々が集まり、交流する、より広場的な機能が求められているように思われる。ストックホルム市立図書館は、まさに人が来たくなるような空間的魅力に溢れている。

126 オスロのオペラハウス

(ノルウェー王国)

筆者は、取材のためにオスロ市を滞在中、3回ほどこのオペラハウスを訪れたが、昼夜を問わず常に人で溢れていた。オペラを観劇しない人々もここを訪れているのである。

115 ミラノ・ガレリア

(イタリア共和国)

レルネル氏はその著書『都市の鍼治療』で、ミラノ・ガレリア(正式名称はビットリオ・エマヌエーレ2世のガレリア)は「ミラノで最も美しい出会いの場所である」と述べている。それは、ここが単なるショッピング・アーケードだけではなく、ミラノの人々が出会う場所としても重要であるからだ。

114 ホロコースト記念碑

(ドイツ連邦共和国)

正式な名称は「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」。ドイツにとっては暗く忌まわしい過去であり、多くのドイツ人にとっては思い出したくない歴史の恥部でもある。しかし、そのような歴史を直視し、その記憶を継承する積極的に意思表示をすることで、初めて周辺諸国と和解することができる。

111 ハッピー・リッツィ・ハウス

(ドイツ連邦共和国)

ハッピー・リッツィ・ハウスはドイツの中堅都市ブランシュヴァイクの都心部にある漫画のようなイラストが描かれた家の集合体である。

109 オスカー・ニーマイヤー博物館

(ブラジル連邦共和国)

ここは更地に新しくつくった訳ではない。人々から忘れ去られていたニーマイヤーの建築物をも新たに再生するという意義も有していたのである。計画当時、パラナ州には美術系の博物館がなかった。

104 メトロポール・パラソル

(スペイン)

完成してから5年、この建物は近代的で極めてユニークな意匠が為されているにも関わらず、世界遺産にも指定されている地区を擁するセビージャの旧市街地に見事に融和している。

099 旭川駅

(日本)

線路の線形を変更させるなど、空間整序を優先的に捉え、長期的なビジョンから、この駅を設計した。妥協を許さないデザイナー達の胆力が問われるような交渉を経て、初めて実現できたことなのではないかと推察する。旭川市の象徴として素晴らしい公共施設。

085 マグデブルクの「緑の砦」

(ドイツ連邦共和国)

ジャイメ・レルネル氏は天才を巧みに都市づくりに活用すべきだと指摘する。あまり天才に恵まれていないマグデブルクもフンデルトワッサーが足跡を残してくれたおかげで、新たな都市のイコンが創造され、都市の貴重な宝物が付け加えられたのである。

081 フンデルトヴァッサー・ハウス

(オーストリア共和国)

フンデルトヴァッサーのデザインは楽しく、その周辺、そして都市をわくわくさせる力を有している。直線を嫌う、その絵画的なデザインは、自然の造形からのインスピレーションにもとづき、そのカラフルな色彩はあたかも建築に生命を吹き込んでいるかのごとく映る。

080 富山グランドプラザ

(日本)

日本の都市は欧州の都市と違って、広場がないとよく指摘される。しかし、なければ創ればいいだけである。創れば人も使うであろう、という発想でつくったのだろうと思われるのがグランドプラザである。

062 ストリッシュコフ駅

(チェコ共和国)

味気ない郊外住宅地に現れた宇宙船のような地下鉄駅。地域アイデンティティの薄い地域に強烈なランドマークをつくりだすと同時に、交通移動のハブとしての象徴性をも見事に表現することに成功した。

055 ビルバオ・グッゲンハイム美術館

(スペイン)

スペインは北東部に位置するバスク州の首都ともいえるビルバオ。鉄鋼業や造船で栄えるも、1970年代以降、これら産業が衰退すると同時に人口も縮小しはじめる。工業都市からサービス産業へと産業構造の大転換を図ることになり、そのために大きく都市開発を推進するのだが、その起爆剤となったのがビルバオ・グッゲンハイム美術館であった。

027 ギラデリ・スクエア

(アメリカ合衆国)

ギラデリ・スクエアはサンフランシスコの北部にあるフィッシャーマンズ・ワーフ地区にある、歴史的建造物であるチョコレート工場を再利用した商業施設である。サンフランシスコのウォーターフロントの歴史、そしてアイデンティティを体現するウォーターフロントのランドマークとして隣接するキャナリー・ワーフとともに重要な役割を担っている。そして、この施設はアメリカでも工場等の建物を商業施設として再利用した最初の事例でもあるのだ。

インタビュー

ジャイメ・レルネル氏インタビュー

(建築家・元クリチバ市長)

「よりよい都市を目指すには、スピードが重要です。なぜなら、創造は「始める」ということだからです。我々はプロジェクトが完了したり、すべての答えが準備されたりするまで待つ必要はないのです。時には、ただ始めた方がいい場合もあるのです。そして、そのアイデアに人々がどのように反応するかをみればいいのです。」(ジャイメ・レルネル)

鳴海邦碩氏インタビュー

(大阪大学名誉教授)

1970年代から長年にわたり日本の都市計画・都市デザインの研究をリードしてきた鳴海先生。ひとびとが生き生きと暮らせる都市をめざすにはどういう視点が大事なのか。
これまでの研究と実践活動の歩みを具体的に振り返りながら語っていただきました。

中村ひとし氏インタビュー

(クリチバ市元環境局長)

シリーズ「都市の鍼治療」。今回は「クリチバの奇跡」と呼ばれる都市計画の実行にたずさわったクリチバ市元環境局長の中村ひとしさんをゲストに迎え、お話をお聞きします。

対談 福田知弘 × 服部圭郎

(大阪大学サイバーメディアコモンズにて収録)

お金がなくても知恵を活かせば都市は元気になる。ヴァーチャルリアリティの専門家でもある福田先生に、国内・海外の「都市の鍼治療」事例をたくさんご紹介いただきました。聞き手は「都市の鍼治療」伝道師でもある、服部圭郎 明治学院大学経済学部教授です。

対談 阿部大輔 × 服部圭郎

(龍谷大学政策学部にて収録)

「市街地に孔を開けることで、都市は元気になる。」(阿部大輔 龍谷大学准教授)
データベース「都市の鍼治療」。今回はスペシャル版として、京都・龍谷大学より、対談形式の録画番組をお届けします。お話をうかがうのは、都市デザインがご専門の阿部大輔 龍谷大学政策学部政策学科准教授です。スペイン・バルセロナの都市再生に詳しい阿部先生に、バルセロナ流の「都市の鍼治療」について解説していただきました。

岡部明子氏インタビュー

(建築家・東京大学教授)

「本当に現実に向き合うと、(統計データとは)違ったものが見えてきます。この塩見という土地で、わたしたちが、大学、学生という立場を活かして何かをすることが、一種のツボ押しになり、新しい経済活動がそのまわりに生まれてくる。新たなものがまわりに出てくることが大切で、そういうことが鍼治療なのだと思います。」(岡部明子)

今回は、建築家で東京大学教授の岡部明子氏へのインタビューをお送りします。

土肥真人氏インタビュー

(東京工業大学准教授)

今回の「都市の鍼治療インタビュー」は、東京工業大学准教授の土肥真人氏へのインタビューをお送りします。土肥先生は「エコロジカル・デモクラシー」をキーワードに、人間と都市を生態系の中に位置づけなおす研究に取り組み、市民と共に新しいまちづくりを実践されています。