東京生活ジャーナルとは...
東京生活ジャーナルでは、生活者の視点から都市が持つべき価値とは何かについて考えています。
2009年度は、「まちづくりフィールドレポート」と題し、都市における「まちづくり」に実際に関わっている人々へのインタビューと現地におけるレポートを通して、現代の都市が抱える問題点を明らかにし、生活者が快適に過ごすための今後のあるべき姿について提言していきます。
東京生活ジャーナルとは...
東京生活ジャーナルでは、生活者の視点から都市が持つべき価値とは何かについて考えています。
2009年度は、「まちづくりフィールドレポート」と題し、都市における「まちづくり」に実際に関わっている人々へのインタビューと現地におけるレポートを通して、現代の都市が抱える問題点を明らかにし、生活者が快適に過ごすための今後のあるべき姿について提言していきます。
最近のエントリー
2010年03月11日
編集局 川上正倫
都市の変化をどう考えるか
最近中国上海を頻繁に訪れる機会があり、なにかしらのエネルギーに押されて都市がめまぐるしく変化していく様に驚嘆させられている。まさに「あっと言う間」に変化していく様子を眺めているとそこには異議を唱える隙すらなさそうである。実際、中国の建築家と話をすると、価値を問い直す間もなく、政治的な意向や商業上の思惑による大規模開発によって古い街が廃棄され、生まれ変わっているのだという。ただ、その状況には、おそらく50年前の日本にもあったであろう、飛躍・進歩への意思があり、都市問題としては必ずしも「改悪」とは限らない。そしてあまりのスピードの早さに移行に伴う新旧共存のストレスもほぼ無関係といえる。そんな中で新しく上海に入ってきた人々にとっては、おそらくそこが上海の原風景のスタートなるのだろう。そう思うと、ふとまさしく今年の万博の標語にもなっている「better city better life」に対する上海の決定をどのように昔の上海を知らない新入者に伝えるのかが気になってしまった。検討なき新しき様式の導入が「昔はよかった」という後悔を引き起こすこともなく、都市の歴史が書き換えられる非常にデジタルな状況といえる。
編集局 大澤昭彦
八潮のまちづくりに関わる曽我部氏は「一般的な景観ルールのような規定」や「最低基準」を定めても街は良くならないと述べている。
確かに、最低限のルールによるネガティブチェック的な規制は、建築紛争を予防し、最悪の事態から街を守る防波堤にはなるが、街を積極的に良い方向への導く推進力を持たない。
今年度の東京生活ジャーナルでは、まちづくりフィールドレポートと題して、「銀座」、「港南」、「佐原」、「たまプラーザ」、「八潮」の5つの街におけるまちづくりに関わっている人々へのインタビューと現地調査を行いました。その中で、歴史や開発背景の異なる街であっても、当初は想定していなかった意外な共通点などが見出されたりしました。
2010年02月10日
前回は「八潮街並みづくり100年運動」について、これまでの経緯や具体的な活動についてお話いただきました。今回は、住宅モデルの提案に込められた意図と住民の方の反応についてお伺いします。
― 2009年度は「家づくりからはじめる街並みづくり」として、家づくりスクールや住宅モデルの研究などすすめられています。行政主導のまちづくりとは違った視点で、住宅に着目した街づくりを行うことの意義とはどのようなものなのでしょうか。
◇ 街への意識を共有するために
実際にこの運動に関わってみて、一般的な景観ルールのような規定でつくる街づくりではなく、この街をどんなふうにしたいかという意識をみんなでシェアすることしか、街づくり的な運動としてはあり得ないんじゃないかということがわかりました。最低基準はこうです、というのを定めたところで、決して良くはならない。ある価値の体系みたいなものがみんなで共有できるようになるのが一番いいんじゃないかと思います。それにはやり方が色々とありますが、この街の特徴に対して敏感になることがこの街にできる建築物のデザインをより深く精度の高いものにしていくことに繋がるようなことをしたいと思ったわけです。

2010年01月13日
今回の東京生活ジャーナルでは、埼玉県八潮市の「八潮街並みづくり100年運動」を取り上げます。以前、このジャーナルでは千葉県佐原の伝統的町並みを生かしたまちづくりを取り上げましたが、そのような歴史的資源や特徴を持たない、一般的な住宅や町工場が広がる典型的な郊外における街並みづくりとは、何を捉えてどのように進めていけばいいのでしょうか。この街並みづくりに建築家として関わられている曽我部昌史氏へのインタビューを通して考えていきたいと思います。
曽我部昌史氏プロフィール
1962年福岡県生まれ。1988年東京工業大学大学院修士課程修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務を経て1995年NHK長野放送会館の設計を機に、加茂紀和子、竹内昌義、マニュエル・タルディッツらと「みかんぐみ」を共同設立。住宅、保育園、ライブハウスなどの建築設計から家具、プロダクト、インスタレーションまで幅広くデザインを手がける。東京工業大学助手、東京芸術大学助教授を経て、2006年から神奈川大学教授。

インタビュー風景(曽我部昌史氏)