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平成20年度研究報告書


報告:
長谷川 文雄
JR東日本・フロンティアサービス研究所所長

水鳥川和夫
東北芸術工科大学 大学院 教授

小山田裕彦
株式会社シンク・コミュニケーションズ 取締役

國井昭男
株式会社情報通信総合研究所 主任研究員

平成20年度研究報告
コンテンツが形成するライフスタイル研究

 マンガ、アニメ、ゲームなどいわゆるコンテンツは、これまで娯楽的な利用や暇な時間の消費が主な目的であったが、これらのコンテンツが持つ、なじみやすさや、興味を喚起する特性などから、娯楽目的以外にも注目され始めている。とりわけ、日常生活を営む上で必要な利便性を供給する局面にも展開し始めてきた。

 たとえば、マンガは各種のマニュアル表現に利用されたり、自治体のパンフレットにも活用されるなど身近になっている。また、マンガやアニメはワインなどの嗜好品や食文化を理解する啓蒙的な役割を担い始めている。さらに昨年販売されたゲーム機Wiiに見られるように、スポーツシミュレーターの機能から、健康管理などさまざまな局面で生活に密着し始めている。今後の情報ネット社会と相まってこの傾向は促進されていくと考えられる。今年度の研究ではコンテンツと日常生活との関わりについて、その現状と動向を探ってみる。

 具体的には、以下の4点をフレームとして研究を行った。
\賁膕箸鮹羶瓦砲靴晋Φ羃颪砲茲觚‘
∧幻ヅによる事例調査
3発者へのインタビュー調査
ね用者へのヒアリング型のアンケート調査



報告:
中田裕久
財団法人 山梨総合研究所 調査研究部長

平成20年度研究報告
地域イノベーションの研究

 本研究は国内外の地方社会における多様な取り組みを把握し、少子高齢社会における地域再生のための方策を提起することを目的に、07 年度から2ヵ年の予定でスタートした。地域再生の課題の一つが産業・雇用の分野である。今年度報告は、地域イノベーションという観点から、欧州の地域産業振興に関するケースを集め、日本でも同時期に行われている地域イノベーションとの比較を通じ、本研究会としての改善提言を行う。

 08年には、かねてから問題視されていたサブプライムローン関連事業が破綻し、金融崩壊から実態経済にまで、その影響が及んでいる。金融資本主義の牙城であったウォール街やシティの金融機関は事実上国家管理されようとしているが、海外市場に依存してきた日本企業もまた打撃を蒙り、これら大企業に依存してきた下請けの中小企業の閉塞感は強い。日本の国内問題であったバブル崩壊後の失われた10年を考えても、このような状況が短期間で収束すると予想する人はいない。また、その後の産業社会は従来と同じような世界であると予想する人もいないであろう。世界、国、地方ともに、その行方は霧の中にある。





報告:
大野隆造
東京工業大学大学院教授 工学博士

添田昌志
LLP人間環境デザイン研究所

若林直子
特定非営利活動法人 生活環境NPOあくと 理事

平成20年度研究報告
都市圏居住の価値を探る

 本研究の目的は、都市居住者が感じている価値を明らかにすることにある。都市居住者が、自分の住んでいるまちの「何に」または「どこに」どのような価値を見出しているのかを探ろうとするものである。

 従来、住みたい街を測る指標として挙げられているのは、通勤や買物の利便性、公共施設の充実度といった、いわゆる「用」の部分に重きを置いたものである。このような「用」の部分はある程度指標化され、不動産価値などへも反映されている。しかしながら、住民が都市に住んでいて感じる価値は「用」の部分だけではない。むしろ、近くの広場でのびのびできる、知り合いと集える店が近くにある、安全安心に子どもを遊ばせることができる、などといった必ずしも不動産価値だけでは測ることのできない、生活の潤いや質に当たる部分が大きいのではないだろうか。そしてそのような価値は、そこに住むことがなくても定量的に捉えることのできる利便性とは異なり、街に住み続けることによって見出される潜在的な価値であると考える。そのような潜在的な価値の高い街こそ、居住者が愛着を持ち、住み続けたいと思う街になり得るのではないかと考える。

 このような価値は指標化することが困難なため、住民から引き出すことは容易ではない。そこで、本研究では、都内の複数のエリアの居住者を対象にアンケートを行い、自分の住んでいる街の「何に」または「どこに」どのような価値を見出しているのかについて、自由な回答(キーワード)を収集することから着手する。つまりどのような街でどのような価値キーワードが収集されるのかを広く把握することを目指す。同時に、まちへの愛着の程度や永住意向(住み続けたいか)、関心度、ライフスタイルに関する価値観などについても把握し、どのような人々とどのようなキーワードが結びついているかについても分析する。
 
 以上の結果から、「まち」と「人」と「居住環境評価・価値観」との関係を把握し、街へ の愛着を深めるきっかけとは何なのか、もしくは、古くから住んでいる人が街への愛着を 喪失するきっかけとは何なのか、などといった要因を明らかにすることにより、よりよい 居住環境を形成するための一指針を示すことを目的とする。



報告:
新津重幸
高千穂大学理事 大学院教授

平成20年度研究報告
食の健康と世代別食育支援展開に関する研究

 本調査研究は、国が求める食育提言と食生活指針を前提として、調査研究展開されてきた。そして、そのアプローチの方向性は、第江呂脳椶靴述べてきた。そのアプローチの方向性は、幼児・児童保有世帯の親が、実感・体感できることを前提として「まずは家庭でできることから始めよう」のInside Out のアプローチを図ることを提言した。その提言を前提として「家庭内での食事に対する外部支援」の必要性と現実の食生活の中で実行しやすいアプローチ方法を提言してきた。

 父親の帰宅時間が遅く、母親自身も有業化しており、子どもの食事の準備がままならず、食育への意識は持ちつつも、実行できないライフスタイル層は61%も存在することになる。国や自治体あるいは、様々なコミュニティや団体・企業が、食生活指針で提言や活動を行なってきても、その浸透と食育発信度合は未完成であると言わざるを得ない。また、先の食育課題を、それなりに実行されている、あるいは実行できそうな層の39%です ら、その実態と食生活指針の中味を完結しているとは言い難いだろう。 唯一、完成度と完結度の高い項目は「朝食を食べる」ことで、この幼児・児童保有世帯では、朝食の摂取率が極めて高いという結果であった。この結果から、国や各団体・企業が、長期に渡って取組んできた成果がでていると言えよう。ただし、この朝食は食べていても、主食となる穀類が摂られていない層が見られ、このことへの解決アプローチは今後継続して取組む必要が求められるだろう。

平成19年度研究報告書


報告:
立澤芳男
マーケット・プレイス・オフィス代表

平成19年度研究報告
東京の都市の活性化と都市文化
ファッションと文化の街 -東京の繁華街その系譜-

 生活に活力・潤いをもたらす上で、文化・カルチャーは大きな要因であり、ライフスタイルを研究する上で欠かせない要素であると思われる。更に、都市(東京)における生活を考える上でも、新宿、原宿、渋谷、六本木等を中心に発信される地域文化情報は、人々の生活に大きな影響を与えると同時に、その時代時代を豊かに彩る重要な要因となっている。

 本研究では、そのような地域と文化の関係を、文化(芸能・芸術・娯楽・ファッションなど)の変遷とそれらを取り込み育んできた各地域の発展プロセス(施設化や事業活動化、動員など)との相関を把握し、ハイライフ研究所の基本テーマであるライフスタイル研究の一環としての研究活動を行った。

 具体的には、以下の4つのフレームにより研究を行った。
街づくりと都市文化の系譜-都市文化の変遷とライフスタイルの変化
都市文化の変遷とライフスタイルの関係を見る
東京の繁華街と街の文化(カルチャー)を見る
街づくりと文化・ケーススタディ「渋谷公園通りとパルコ」



報告:
大野隆造
東京工業大学大学院総合理工学研究科教授 工学博士

添田昌志 
LLP人間環境デザイン研究所チーフリサーチャー 工学博士

平成19年度研究報告
都市の価値をはかる

 本研究は、都市生活者が都市に感じている価値は、これまで事業者やマスコミによって提示されている「言葉」(尺度)ではないのではないかという仮説を持ち、都市生活者の目線でみた「都市の価値」を明らかにすることを目指した。

 平成18年度の研究は、「都市生活者が都市に感じている価値」が存在することの証明とその「価値」の例示を行った。2年目の平成19年度は、昨年度の成果と課題をふまえ、近年話題になっている都市に関するトピックスを切り口として、まちの選定を行い、フィールドサーベイ、データ収集などを行うことにより、「都市の価値」とは何かの更なる追求を行った。

 具体的には、以下の4点をフレームとして研究を行った。
街のデータ収集-歴史、開発意図、商業的意味、法律・制度的背景など
フィールドサーベイによる「価値」の検証と新しい価値の発見を行う
街のユーザーへのインタビューによる実態の把握
座談会による街が持つ価値の検証・把握・分析



報告:
長谷川 文雄
JRフロンティアサービス研究所所長

小山田 裕彦
シンク・コミュニケーションズ取締役
 
伊藤 学
東北大学電気通信研究所 研究員
 
松村 茂
東北芸術工科大学教授

平成19年度研究報告
ユビキタス時代における暮らしのあり方に関する研究

 人類の進歩は極言すれば、いかに自分の望むことが速やかに実現できるかを 追求してきた結果だといってもよい。かつては遠くまで汲みに行っていた水を 水道という手段で、身近なところで手に入れることができるようになった。そ れが各家庭まで行き渡り、蛇口をひねれば必要なときに、必要な量を使うこと ができるようになった。さらに、より美味しい水、冷たい水、お湯、という具 合に、質的な欲求にも応えられるようになってきた。

 本研究では必要なときに必要なことが実現できる社会を「ユビキタス社会」 と捉えている。こうしたユビキタス社会を背景に、情報通信面を中心にして、 日常生活がどのようにかわり、どのような方向に向かおうとしているのかを検 討したい。

 特に、ここ数年、家庭へのパソコンの普及と廉価な高速通信網の整備により、 在宅にてさまざまな社会サービスが享受できるとともに、家庭外から家電機器 などへ、さまざまなアクセスが可能となってきた。また、家庭がオフィス化、 娯楽センター化する一方、家族の団らんや家族間コミュニケーションにも微妙 な影響をもたらし始めている。

 さらに、フィッシング詐欺を始め、影の部分も大きな社会問題になりつつあ る。高齢者や障害者のデジタルデバイドも避けられない課題である。いつでも どこでも情報にアクセスできるユビキタス時代が日常の暮らしにどのような影 響をもたらすのかを「いま」、考察する意義は大きい。


 


報告:
中田裕久
財団法人山梨総合研究所 調査研究部長

平成19年度研究報告
少子高齢化社会における地方社会の行方研究

 今日の日本は団塊の世代の退職等による本格的な高齢化社会の到来と少子化の進展により、医療、福祉、年金などの社会保障や世代間負担、都市と地域の格差、地域コミュニティの崩壊などの多くの深刻な社会的課題に直面している。

 他方、私たちは程度の差こそあれ、激化する競争社会、流動化する労働社会に対して個人的もしくは社会的なウェルネスを求めようとしている。

 こうした潮流を踏まえ、少子高齢化社会をいち早く迎えた地域社会においては、既に様々な取り組みが各地で展開されている。本研究は、2年間にわたる調査・研究として、このような地域社会における多様な取り組みを、フィールドワークやヒヤリングなどにより、実態把握を行い、少子高齢化社会における個々人にとっての「生きがい・生活設計・コミュニティ生活」等のライフスタイルの側面と地域社会における「産業・雇用、医療・福祉、まちづくり、観光・集客」などの地域政策の側面の二つの面から、地方社会再生のための方策を検討し、提言としてまとめていくことを目的として研究をスタートさせた。

 初年度は、具体的には、以下の3点をフレームとして研究を行った
産業・雇用の課題解決に資する国内外の事例を収集・整理し、検討を行う
国内の地方社会における先見的な事例を視察・ヒヤリングによって調査・把握
地方社会の産業、医療・福祉、まちづくり、観光などに造詣の深い識者によるセミナー会を開催し、その実態把握・分析を行う

平成18年度研究報告書


報告:
大野隆造
東京工業大学大学院総合理工学研究科教授

川上正倫
ワン・オー・ワンデザイン共同主宰/東京工業大学大学院総合理工学研究科特別研究員
 
辰己 渚
マーケティングプランナー
 
添田昌志 
LLP人間環境デザイン研究所チーフリサーチャー

石垣 勤
有限会社ケンズデザインアソシエイツ代表/商空間デザイナー

平成18年度研究報告
都市の価値をはかる

 都市では人々が集まることによって価値が生み出される。それこそが都市の発生の原点と言える。物資の交換から始まり、時代が下るにつれて情報の交換がますます重要になってきた。しかし、今日では商品や情報を手に入れるためにわざわざその場を訪れなくても、通信手段の発達によって容易に入手可能になっている。それにも関わらず、依然として人々は都市を訪れる。都市には物や情報を供給するという顕在的な役割のほかに、そこに人が身をおくことで初めて可能となる空間体験をもたらす潜在的作用も持っているようだ。21世紀は、多様な価値観が交錯する時代だと言われるが、人々が都市に求める価値もさまざまである。
 
 従来から、「景観の良い街」「安全・安心な街」「経済的効率の良い街」「地球環境に優しい街」などの都市の価値をはかるいくつかの物差しが提案され、それぞれに体系化された一定の研究成果もある。しかし、これらの価値は、都市生活の当事者ではなく、都市を客観的に捕らえている計画者や評論家としての価値ではないだろうか、そして、これらの価値基準に従うだけでは、東京だけではなく、日本全国、金太郎飴のように同じ街になってしまうのではないだろうか。「人々」の様々な価値感を反映した、個性あふれる美しい街を創造するためには、まず、価値の多様さを捉える必要があるだろう。
 
 しかし、このような「都市の価値」は、多くの場合、都市生活者自身の中でもまだ言語化されておらず、都市生活者に対するアンケートやヒヤリングで抽出することが困難であると考える。そこで、今年度は、一定の視点を持った専門家4名(建築景観、都市生活、空間認知、商業施設)が、東京を代表すると考えられる4エリア(表参道、秋葉原、谷中、渋谷)を仮説的に取り上げ、そこでのフィールドサーベイを行うものとする。それぞれの専門的な目で、かつ、自らも都市生活者として、街の特徴や人々の行動の特徴をレポートし、隠れている「都市の価値」を「言語化」することにチャレンジする。まずは、定量的な指標やアンケート調査では捉えきれない、街の微妙な表情や人々の心の動きを、そこを実際に歩き体感し、街が持つ魅力や弱点をリアリティをもって記述することを目指す。
 
 この研究を通して、いろいろな都市の見方や楽しみ方について、発見的に気付き学び、都市の価値をさらに深く味わい、上手く使いこなすための、また、その意味を読解するための新しい視点が提示できることを期待している。


報告:
高橋順一
早稲田大学教育学部教授 

平成18年度研究報告
ホスピタリティ研究

本研究に取り掛かるにあたりホスピタリティ研究を約4年前より開始しておりました。それは都市リゾート型の高級ホテルにおいて、サービスとは異なるものとして位置づけられ、実践されつつあったホスピタリティに関する支配人クラスの方々のヒヤリングを中心とする調査研究からまず始まりました。

その調査研究が一段落した後に、さらにあるメーカーにおけるホスピタリティという枠組みの中での社員研修のプラン策定と実践の試みへと引き継がれました。この段階でのホスピタリティ研究は率直にいってまだ手探り状態にありました。その要因の第一は、研究が企業との連携という枠組みの中で始まったために、ホスピタリティ問題をともすれば企業の側の目に見える形での成果追求に合わせる形で考えようとしがちであったこと、言い換えればホスピタリティ問題をCSや従来型のサービスのきめ細かな多様化・高次化というようなレヴェルで理解しようとする傾向が強かったために、ホスピタリティの本質そのものへと迫る研究の水準へとなかなか至れなかったということです。

その一方で、ヒヤリングや研修の実践の中で企業側の人たちとの議論を重ね、ホスピタリティの実践が先進的に行われていると私たちが判断した現場を、企業の側の人たちと一緒に見学し、実践に携わっている方たちの話しを聞く機会を何度か持つうちに、ホスピタリティの問題には今まで漠然と考えられてきた以上に豊かな課題、可能性が含まれていることが明らかになり始めました。こうしてこれまでのホスピタリティ研究の第一歩は、ホスピタリティをめぐる問題要素がいまだ星雲状に混沌と重なり合っている状態の中から始まったのでした。


報告:
長谷川文雄
IT評論家

檜槙 貢
弘前大学大学院
地域社会研究科教授

小山田 裕彦
株式会社シンク・コミュニケーションズ 取締役

山畑 信博
東北芸術工科大学
環境デザイン学科助教授

平成18年度研究報告
家庭の食育を支援する社会サービスに関する研究

2005年に食育基本法が制定されて以来、子どもの食生活に関心が高まっている。しかしその大半は、健康管理、カロリーや栄養等、食事の摂取状況および、これらに関連した知識啓蒙に関するものとなっている。

本研究では、食生活を生活文化、食文化を形成する基本と捉え、その原点である家庭での食生活のあり方にスポットを当てている。本研究でいう食育は、食生活を通じて、家族の団らんや家族間のコミュニケーションを高め、さらに地域社会とのつながりを深め、子供たちがより豊かで充実した社会生活が営めるような方策と捉えている。

2005年度の研究では、家庭内の日常の食事でどのようなコミュニケーションがなされているのか、いわゆる「食卓ニケーション」に関し、家族構成、食事形態、場所等を考慮した実態を中心に調査を進めてきた。父親の帰宅時間が遅くなりがちなことや、共働きの割合が高まり、また子どもの塾通いなど家族構成員の時間の過ごし方が多様化するなか、食事も「孤食」や「個食」をはじめ、さまざまな形態が見られるようになってきた。もはや、家族そろって食卓を囲む風景は、日常的なことではなくなっている。

1) 家庭内だけでの食卓ニケーションには限界が出てきた状況の分析
2) 地域の取り組み状況の事例調査および分析
3) 企業の取り組み状況の事例調査および分析
4) 家庭への支援-食卓ニケーションを促進する間取り
5) 食卓ニケーション支援の社会サービス



報告:
中山 進
中山事務所主宰

高橋洋一郎
株式会社パワーウイングス
代表取締役 

平成18年度研究報告
団塊世代の退職後のライフスタイルに関する研究

2007年以降、680万人の団塊世代のうち、300万人といわれる給与生活者が退職を迎える。その退職金は韓国のGDPに匹敵する50兆円という試算もある。その膨大なキャッシュフローは日本経済にとって大きなインパクトとなるであろう。また団塊世代は数が多いだけではなく、独自の価値観を持つといわれる。そうであれば、団塊世代の退職後のライフスタイルは従来にない動きとなって現れるに違いない。いわば、2007年は時代・年代・世代の3重効果が期待できる変節点である。とすれば、ライフスタイルとライフステージが関係したいくつもの変化がおこるだろう。

そうした状況で、本研究は団塊世代の退職後のライフスタイル変化およびそれにともなう支出動向を含めた退職金の行方を占いつつ、来るべき2007年以降の日本社会に大きな影響を与える団塊世代の退職をめぐる課題に対し実効的な提案を行うことを目的としている。

したがって、本調査研究はいくつかの視点を複合的に持たざるを得ない。

1)団塊世代は退職後どのような変化を示すのか。それは現在の退職者とどう違うのかという視点である。この問題の困難な点は、事後にならないと同一人物の退職前と後とを比較できない点である。いいかえると団塊世代の退職前に退職後を予想するには、団塊世代の退職前の意図と、既存の退職者とを比較せざるを得ないということなのである。したがって、ある変化が退職による変化なのか、それとも団塊世代特有の変化なのかの判断が必要になるということだ。

2)これを補うために、少数であっても、同一人物のフォロー調査が必要である。退職予定者の事前の態度が、退職後にどう変化したか直接追跡することである。しかしフォローアップといえども十分ではない。というのも時間枠があり、2007年に退職する団塊世代の退職予備軍を捉えるには2006年しか余裕がないからである。このため退職後マックス12ヶ月の人しか対象にできず、やはり団塊世代の退職後数年たった姿は、今すでにいる先輩退職者から推測するしかできないのである。

3)妻の視点が必要である。退職後の生活には妻との関係が大きく影響するので、夫が退職する前と後とにおいて夫だけでなく妻の側の視点を確保しておかねばならない。こうした複合的視点にたち、きたるべき団塊世代の退職後のあり様の予測を試みてみたい。


報告:
立澤 芳男
マーケット・プレイス・オフィス
代表
 

平成18年度研究報告
東京圏のエリアマーケティング 「東京はモザイク都市。」

東京駅を中心とする30キロ距離圏域内には、約2,572万人の人口(2005年国調査)がおり、日本の総人口の20.1%を占め、世帯数(同)は約1,103万で22.3%、また、東京都市圏の事業従業者数(2004年事業所統計・総務省)は1,184万人で全国比22.7%を占める。その膨大な規模を持つ圏域内で人々は多様な関係を持ちながら生活をしている

東京は世界でも稀に見る大都市ではあるが、そこでの生活する人の日常活動は、当然その生活基盤となる居住地域(エリア、以下同様)に依拠する事は言うまでもない。そしてまた、その地域エリアは、当然ながらそこを生活基盤とする人達の価値観ガ表出される場となっている。

しかし、東京のような大都市では、各エリアは、その地域内での全ての生活が完結するものではなく、様々な地域エリアとのネットワークの中で存在する。そのネットワークは、各エリアの都市化の進展度とリンクしており、そして各エリア同士の関係は多様である。多様な地域ネットワークがあることが大都市たる所以であり、東京に都市のパワーや魅力を齎している。この高密度な大都市・東京で生活し、活動する人達はどのような人達なのか、どのような生活価値観を持ち、どのように活動しているのか。どのような地域ネットワークがそこに存在するのか。

本調査研究では、東京都市圏を各エリアの東京でのポジションあるいは各エリアの特性やポテンシャルを明らかにするべくエリアマーケティングを試みる。もはやひとつでは語れない大都市・東京「モザイク都市」が浮き上がる。

平成17年度研究報告書

報告:
長谷川文雄
IT評論家

檜槙 貢
作新学院大学
総合政策学部教授

小山田 裕彦
株式会社シンク・コミュニケーションズ
取締役

山畑 信博
東北芸術工科大学
環境デザイン学科助教授

平成17年度研究報告
食卓から見た家族間コミュニケーションに関する研究

近年、食生活が多様化し、「決められた時間」に「家族が一同そろって」「母親の手料理」を「自宅の食卓で囲む」という様式は減少している。
   
食卓は家族間のコミュニケーションの場としての役割も果たしてきた。しかし現代では、核家族などの様々な家族形態が現れ、家族構成員のポジショニングも一様ではなくなっている。更に共働きの一般化により、家事従事時間が減少し、いきおい、食事にかける時間、食事の内容にも影響が現れている。その結果、食卓を囲んでなされてきた、家族間のコミュニケーションや団欒の取り方、躾にも微妙な変化が生じている。
   
このような背景の下に、今後、「食」、とりわけ食卓を囲んでなされてきた様々な家族間コミュニケーションがどのように変容していくのか、それに影響を及ぼす要因はなにか、そこからどのような新たなライフスタイルが生じてくるのか、それらを“食卓ニケーション”と呼び、多面的に考察する。
   
今年度は、食卓ニケーションの変遷と実態予備調査を中心に研究を進め、なにが多様化を促しているのかを明らかにする。さらに新たな家族と食卓の先行事例をあげ、これからの“食卓ニケーション”の可能性を探る。


報告:
中山 進 

ハイライフ研究所主任研究員
中山事務所主宰






平成17年度研究報告
富裕層のライフスタイル研究

総額1400兆円といわれる個人金融資産の高額保有者、あるいは伸長する高額商品や海外ラグジュアリー・ブランドの購入層として「富裕層」という用語がメディアに度々登場する様になってきた。又、「個人金融資産1億円以上保有者131万人(メルリリンチ日本証券)」という報道もあり、実体としての「富裕層」も注目されるようになってきた。
戦後40年、一億総中流社会(階級・階層の境界が不明確)を築いた日本であるが、ここにきていくつかの特性をもった「富裕層」に分岐しつつあることが想定される。
   
研究の第一段階は、社会階層、ライフスタイルや個人金融資産などの複数の市場セグメントの視点から、多様な「富裕層」を仮説し、特性別に量的な実態を検証することである。第二段階は、それぞれが社会(政策)、個人(消費者、生活者)そして企業(産業)とどのような側面で係り、どのような意義を持ちうるのかを整理・考察していく。その上で、「富裕層」をキーワードにした将来を先取りするニーズ抽出、あるいは幾つかの「富裕層」の意識・消費行動・特性などのライフスタイルの実像を把握し、「富裕層」を対象としたマーケティングが受容される条件などを明らかにする。

「日本版富裕層」を先行指標として、成熟期を迎えた日本社会・経済・生活の活力維持を生み出すマーケティングのあり方の提言を最終目標とする。


報告:
高橋洋一郎

株式会社パワーウイングス
代表取締役 

平成17年度研究報告
「団塊世代」と「団塊ジュニア世代」における価値観の世代間比較研究

団塊の世代についてはさまざまな研究が行われてきた。しかし団塊ジュニアへの研究はさほど進んではいない。さらに団塊世代と団塊ジュニア世代とを比較し、そこから変化の方向を見出そうという研究はまだほとんど行われていない。団塊の世代から団塊ジュニア世代へ引き継がれている価値観、団塊ジュニア世代が独自に創造しようとしている新しい価値観について知るには、世代間比較を通じてしか明らかに出来ない。

団塊の世代はベビーブーマー世代として、戦後民主主義の先端に立つ世代であった。男女平等教育を受け、学生時代は学生闘争をおこすなど、変革のパワーを持つ世代であった。又、ニューファミリーなどと呼ばれて夫婦対等の家族観を持つともいわれる。その価値観は先進的であり、家族主義であり、個性重視であるといわれる。一方団塊ジュニアは親である団塊の世代のそうした価値観を引き継ぐと同時に、それを徹底させMEイズムともいわれる別の価値観へと進化させているといわれる。

日本が少子高齢社会となった今日、代表的なこの2世代において、何がどう継承され、何がどう新しく創造されているのかを知ることは大変重要と考える。


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