2010年10月 アーカイブ

マイナスをプラスに変えること 黄金町の概要

黄金町のまちづくり経緯
 
 黄金町とは、京浜急行本線で横浜より三駅目の「黄金町」駅と、手前の二駅目「日ノ出町」駅との間、大岡川沿いの地域を指します。黄金町の駅舎自体は横浜市南区に位置しますが、まちの呼び名としての「黄金町」は、大部分が横浜市中区に属します。

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黄金町の位置(編集局作成)

 伊勢佐木町は目と鼻の先、ピカピカのみなとみらい地区も近いにもかかわらず、外から見たこのまちには独特の匂いがあります。「黄金町に住んでいる」と告げると「えっ?」と驚かれ、心なしか眉をひそめられるようなまち。

 独特の匂いの理由は、このまちの歴史を知ればわかります。

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マイナスをプラスに変えること 山野真悟氏インタビュー(1)

山野真悟氏プロフィール
黄金町バザール ディレクター
NPO法人 黄金町エリアマネジメントセンター 事務局長
山野真悟事務所主宰

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1950年福岡県生まれ。
1971年美学校銅版画教場卒。1970年代より福岡を拠点に美術作家として活動。
1979年IAF芸術研究室設立。
1990年より街を使った美術展「ミュージアム・シティ・天神」をプロデュース。その後も「まちとアート」をテーマに、アート企画、ワークショップ等を多数手がける。
2004年~(財)福岡市文化芸術振興財団「ギャラリーアートリエ」の企画運営を行う。
2005年「横浜トリエンナーレ2005」ではキュレーターを務めた。

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マイナスをプラスに変えること 山野真悟氏インタビュー(2)

‐この黄金町という場所で、アートをやるといったときに、周りの反応はどうだったのでしょうか?おもしろそうだ、と受け入れられたのでしょうか?

◇地元は「とんでもない」と
 最初は「とんでもない」という感じでした。アートと街の再生がどうやってつながっていくのか、どこで結びつきがあるのか、それがわからないと言われました。「アートって、よくわからないアレでしょ? よくわからない人が来るんでしょ?」という反応です。さらに、「アーティストって貧乏でしょ? 貧乏な人が集まって、どうして経済的な活性化になるの?」など、ありとあらゆる面から半信半疑状態でした。それが最初の反応です。
 結局、「ああ、こういうことだったのか」とわかってもらえたのは、バザールがオープンしてからです。現実の場所に色々とものを起こして、やっと納得してもらえました。
 そして、一番の成果は、それで人が来てしまった、ということです。もちろん、トリエンナーレの効果もあります。単独だったらそんなに人を呼べていなかった。トリエンナーレに来た人たちが、こちらまで流れてきていたんです。特に休みの日など、人がぞろぞろとまちを歩いているという、ここ数年間ありえなかった光景が目の前にあって、驚かれました。

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