092 知識の灯台

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キーワード:

2016年度 ,ブラジル ,図書館 ,教育施設 ,鍼レベル 小

鍼レベル:

ストーリー:

ブラジルの都市クリチバは高原都市であり、海に面していない。しかし、街中には多くの灯台が存在している。これは、「知識の灯台」とよばれる子供向けの小さな図書館なのだ。
「知識の灯台」の蔵書は大体3000冊程度であり、司書と警備員が配属されている。図書が置いてあるフロアと、コンピュータが数台置かれているフロアがある。それまでクリチバ市には大きな図書館は都心や大学にはあったが、近隣コミュニティのためのものは存在していなかった。クリチバの市民の多くは低所得者層に属している。これらの人々の家には子供の勉強部屋は勿論のこと、宿題をするような空間もない。さらに共働きが多いので鍵っ子がほとんどである。そのような子供の環境を改善するために、「知識の灯台」はつくられた。したがって、小さい図書館で小学校に隣接してつくられている。子供たちが勉強をするための空間としての役割を果たすと同時に、一人にならない安全な居場所を提供しているのである。
「知識の灯台」は言葉通り、灯台を模した建築物であり、色鮮やかなペンキが施されている。敷地面積は96平米に統一されている。灯台の部分は実際暗くなると光を発するのだが、これは知識を暗示するのと同時に夜道を照らし治安を向上するという役割をも担っている。また、灯台の上には展望室があり、そこから街を展望することができる。
最初の「知識の灯台」は1994年11月19日にマシャド・デ・アシスにて設置された。現在、市内には25の「知識の灯台」が設置されている。2016年8月における取材調査では、一日当たり一棟で約50人の利用があるようだ。

ロケーション:

都市の鍼治療としてのポイント:

ブラジルのクリチバ市は創造的な数々の都市政策で知られ、まさに「都市の鍼治療」の宝庫である。これは、「都市の鍼治療」というコンセプトがクリチバ市の元市長であるジャイメ・レルネル氏によって普及されたことから、当然とはいえば当然だが、この「知識の灯台」はレルネル氏ではなく、またレルネル氏の懐刀である中村ひとし氏、カシオ谷口氏とも関係なく、1993年からレルネル氏の市長を引き継いだラファエル・グレカ市長のアイデアである。古代都市アレキサンドリアの灯台は図書館を併設していたということに触発されて、このアイデアが浮かんだとラファエル氏は言う。
 クリチバ市の政策的課題として、経済格差の隔たりと児童の教育問題がある。これは、ブラジルの都市共通の課題であるが、クリチバは90年代にこの「知識の灯台」や「環境寺子屋」といった子供の生活環境を改善させる試みに多く取り組んだ。どちらも、お金がない中、ちょっとした知恵を使い、ちょっとした人々の需要にしっかりと対応した政策を実施することで、大きな成果を得られている。クリチバは市長が交替すると、それまでの優れた施策が中止されるという事例が2000年以降増えているが、この「知識の灯台」は20年以上、継続して実施されている。それだけ、市民に強く受け入れられているとも考えられ、ラファエル氏の大きな成果であると捉えられる。

事業主体:

クリチバ市

事業主体の分類:

自治体, 民間

デザイナー、プランナー:

ラファエル・グレカ

開業年:

1994年

類似事例:

・ 環境寺子屋、クリチバ(ブラジル)
・ クリチバの「ごみとごみではないプログラム」、クリチバ(ブラジル)
・ 026 みんなでつくるん台、平泉町(岩手県) ・ ストックホルム市立図書館、ストックホルム(スウェーデン)
・ 仙台メディア・テーク、仙台市(宮城県) ・ ぎふメディア・コスモス、岐阜市(岐阜県) ・ 舟橋村立図書館、舟橋村(富山県) ・ 武雄市図書館、武雄市(佐賀県)

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国:ブラジル
州・県:パラナ
市町村:クリチバ