【連載】第八回 若者人口地域分布(都市と地方)編|現代若者考・レポート

第八回 若者人口地域分布(都市と地方)編

「若者の地域分布(都道府県)」編

今国会で「深刻な人手不足」の解消ということで外国人労働者の受け入れを広げる出入国管理法改正案を巡りもめにもめている。その大きな背景には日本の労働人口不足を促す「人口減少社会」というキーワードがある。国立社会保障・人口問題研究所の人口予測(今年3月30日発表)では2030年にはすべての都道府県で人口が減少し、2045年までに日本の総人口は1億642万人になると予想する。2015年の総人口が1億2709万人であったから、今後30年で2000万人以上減少することになる。とりわけ、ひどい落ち込み方をするのは都市部より地方で3割減が当たり前と見込まれている。しかも社会や経済の中核をなす「生産年齢人口」の比率は2030年には51.4%に落ち込み、現在(2015年)の60.7%を大きく下回る。働ける人が2人に1人の時代に入るということだ。「外国人労働者の雇い入れ」しか日本の生産力を増やす方法はないのだろうか?

将来予測だけでなく、現実に日本は8年連続で総人口が減少する中、生産年齢人口の減少も続いており、日本の超少子高齢社会が進むが、忘れ勝ちになっているのが「若者の人口動向」である。

日本の若者(15~34歳)の人口数は、1970年に約3,600万人、2010年に約3,200万人だったものが、2060年にはその半分以下の約1,500万人になると推計され、若者人口の総人口に占める割合を見ると、1970年の35.0%(約3人に1人)から2010年にはすでに25.1%(約4人に1人)へと減少する。

若者人口比率のピークは、実に今から半世紀前の1970年の35%が記録されている。

生産年齢人口の中核を成す若者の人口の大幅減少は日本の国力が衰退する原因となる。しかも特に地方における若者人口減少は地域経済に大きな打撃を与えるだけでなく、超少子高齢化をさらに促すのである。

今回のレポートは、日本における各地域の若者の人口動向に注目し、若者の地域分布の今昔や若者が増え続ける地域と減じる地域の実態を追う。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか

 

■第八回 若者人口地域分布(都市と地方)編
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=14514

 

■現代若者考・レポート
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=167

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