2013年度研究報告


高齢化と加齢化で進む都市居住の新陳代謝 東京郊外居住の憂鬱 PHASE2


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目次
第1章 研究概要
髙津伸司

第2章 郊外の変遷と現状の問題点
服部圭郎

第3章東京圏の中古マンションの価格形成とその動向
髙津伸司

第4章郊外居住ビジネス動向
榎本元・高木克昌・木村静

第5章研究成果を振り返って
髙津伸司・服部圭郎(聞き手)


研究背景
 全国の多くの都市が超高齢化と少子化を伴いながら、人口減少の時代に入りました。大都市東京圏も例外ではなくあと2~3年で人口がピークを迎え、急角度で超高齢化社会に向かうことになります。一方、住宅ストックの加齢化(=老朽化)と空家の積み上がりがここ東京圏でも刻一刻と進行しています。20 年に及ぶデフレ経済は、住宅の資産価値の維持をも困難にさせてきております。経済成長に手ごたえが感じられないなかで、都市居住の変容の圧力が増していくことで、これまで以上に都市居住者の悩みが深くなっていくものと思われます。
 公益財団法人ハイライフ研究所は、「持続可能な都市居住の実現に向けた知見の獲得、そしてと社会との共有」をモットーに活動してきており、設立21 年を迎えます。当財団は「都市居住の新陳代謝の時代の到来」を認識し、2012 年度は「シングル居住都市の行方」について調査・研究を行いました。2013 年度は郊外部に視点を移し、高齢化と加齢化のなかでささやかれる「東京の郊外居住の憂鬱」をテーマに調査・研究を行いました。


研究体制

◆ 研究幹事
髙津 伸司
◆ 研究リーダー
服部 圭郎
◆ 研究スタッフ
榎本 元
高木 克昌
木村 静




コミュニティ再生の“評価基準”策定の研究 総論


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目次
まえがき

コミュニティ再生の“評価基準”策定の研究総論
伊藤剛

行政(地方公共団体)と市民の関わりの潮流
左京泰明

開発援助における評価手法の研究
金昌祐

学校と地域の関係─学校評価をはじめとして
河野佐恵子

復興指標における評価手法の研究
川村庸子

幸福のものさし─人とコミュニティの幸福を知るには
川内有緒

あとがき


研究背景
 近年、「コミュニティ再生」という言葉がキーワードとして語られ、その実現へ向けての研究・活動が目立つようになってきました。

 広く一般の注目を集めるようになったきっかけがいくつかあります。一つ目は、4 年前に孤独死の多発に端を発し「無縁社会」という言葉が広まる中、人間関係の希薄さが問題となり、人とのつながり、地域での助け合いが大きな課題として取り上げられました。二つ目は、東日本大震災における支援・救援に地域での助け合いやボランティア・NPO等の活動が重要な役割を果たす中でコミュニティの重要性が叫ばれるようになり、徐々に相互扶助を念頭に置いた「コミュニティ再生」に注目が集まっていったのです。

 このような流れに至った社会的背景には、
・財政難等により行政の公共サービス・セーフティネットに限界が見える中、新しい公共という名のもと地域ニーズに対応すべく、行政と地域の多様なコミュニティとの協働が望まれている。
・国では、1971年以降、経済成長下で衰退・崩壊する従来の地域共同体に代わるモデル・コミュニティづくりを上意下達型で行ってきたが、現在に至り、構築してきた自治会等の地域コミュニティは構成員の高齢化・固定化等もあり衰退傾向にある。
また、ライフスタイルや価値観の変化、そして、プライバシー意識の高まりの中、地域活動への住民参加が減少傾向にある。
・市町村合併等による共同体意識の拡散や、高齢化・少子化による地域の弱体化が進行中。
等があり、先の2つの事例は、これらの現状を象徴的に現しており、多くの人に行政による公共サービスの限界と地域コミュニティの衰退を認識させると同時に、その解消に向けた対応の検討を突き付けたと言えます。

 このような中、当財団においても重要テーマとして「コミュニティ再生」研究に取り組んでいます。
 現在のコミュニティ研究は、
・決して、従来の地縁に依拠したコミュニティの再生のみを希求するものではなく、
・また、行政主導で構築された行政システムに抱合されたコミュニティの再生を求めるものでもありません。
・そして、阪神・淡路大震災を契機に、行政対応の限界が認識され、地域・生活を支援するさまざまな機能型コミュニティが形成されコミュニティ概念自体が従来と大きく変わってきたことを踏まえ、
・地縁・機能型コミュニティ双方をうまく包含する視点も持ち合わせながら進める必要があります。
・さらに、地域における課題の多様化の進展により、コミュニティに要請されるニーズは拡散しており、この状況にいかに対応するかが求められています。
これらを念頭に、新たな研究として新たな視点から進めていかねばなりません。
 研究は端緒についたばかりであり、上に挙げたような状況下、「コミュニティ再生」と
は何を指すのかという根本概念も未だ曖昧です。

本研究は、この曖昧な概念を明確にしていくための一つの切り口として行われました。コミュニティと関連する様々な分野に存在する評価基準に当たり、可能な限りコミュニティの要因を導き出し、どのような基準でコミュニティを測りうるのかという“評価基準”の視点からコミュニティ再生の方向性を見極め、その仮説を立てることを目指しました。

研究体制

◆研究代表
伊藤剛(ASOBOT inc. 代表取締役)

◆研究員
行政評価担当
左京泰明(特定非営利活動法人シブヤ大学 学長)

ODA評価担当
金昌祐(有限会社パワーボール 代表取締役)

学校評価担当
河野佐恵子(教育人材育成コンサルタント)

復興指標担当
川村庸子(ASOBOT inc. ディレクター)

幸福指標担当
川内有緒(ノンフィクション・ライター)

◆研究幹事
高津春樹(公益財団法人ハイライフ研究所 常勤顧問)


都市生活者意識調査2013 データ編


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目次
◆1.調査要領 1

◆2.標本構成 2

◆3.調査結果の概要
1.都市生活者の生活意識と消費
2.都市生活者のワークライフ・バランスと家庭生活
3.都市生活者とコミュニティ
4.都市生活者の社会意識
5.都市生活者の価値観と情報行動

◆4.ライフステージ別にみた都市生活者
1.都市生活者の生活意識と消費
2.都市生活者のワークライフ・バランスと家庭生活
3.都市生活者とコミュニティ
4.都市生活者の社会意識
5.都市生活者の価値観と情報行動

◆5.前年までの結果との比較
1.都市生活者の生活意識と消費
2.都市生活者のワークライフ・バランスと家庭生活
3.都市生活者とコミュニティ
4.都市生活者の社会意識
5.都市生活者の価値観と情報行動

研究体制

高津伸司 公益財団法人ハイライフ研究所代表理事
立澤芳男 マーケットプレイス・オフィス代表
丹野俊明 株式会社行動科学研究所
水嶋 敦 自由学園最高学部非常勤講師
櫻井隆治 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事
高津春樹 公益財団法人ハイライフ研究所常勤顧問
萩原宏人 公益財団法人ハイライフ研究所事務局長
上野昭彦 公益財団法人ハイライフ研究所主任研究員



都市生活者意識調査2013 分析編


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目次
第1章 本研究の目的

第2章 都市生活者の生活意識と消費

第3章 都市生活者のワークライフ・バランスと家庭生活

第4章 都市生活者とコミュニティ

第5章 都市生活者の社会意識

第6章 都市生活者の価値観と情報行動

第7章 まとめ


公益財団ハイライフ研究所の研究展開と本調査の位置づけ
 公益財団ハイライフ研究所では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を目的に都市生活研究を行ってきている。
 「都市生活」とは、高度に産業化した社会での現代のライフスタイルとして定義される。戦後の我が国の経済の発展と高度化により、都市機能の整備と豊かな生活の実現という2つの側面で都市化が同時進行し、人々のライフスタイルを変化させてきた。

 当財団の都市生活研究の目下の展開は「持続可能な都市居住実現に向けた知見の獲得、そして社会との共有」を方針に取り組んでいる。

研究体制

高津伸司 公益財団法人ハイライフ研究所代表理事
立澤芳男 マーケットプレイス・オフィス代表
丹野俊明 株式会社行動科学研究所
水嶋 敦 自由学園最高学部非常勤講師
櫻井隆治 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事
高津春樹 公益財団法人ハイライフ研究所常勤顧問
萩原宏人 公益財団法人ハイライフ研究所事務局長
上野昭彦 公益財団法人ハイライフ研究所主任研究員



第25回ハイライフセミナー 郊外に明日はあるか-持続可能な郊外居住をめざして


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目次
主催者挨拶
髙津 伸司/ 公益財団法人ハイライフ研究所 副理事長

第1部
Presentation1 
縮退する郊外はどう生きていくか
若林 幹夫/ 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

Presentation 2
郊外居住におけるビジネスの可能性-事業者ヒアリングより
榎本 元/ 読売広告社・都市生活研究所所長

Presentation 3
成熟に向けた郊外居住の戦略
大月 敏雄/ 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授

第2部
パネルディスカッション郊外に明日はあるか
-持続可能な都市居住をめざして
若林 幹夫 / 榎本 元/ 大月 敏雄 
コーディネーター 服部圭郎

アンケート集計結果



第26回ハイライフセミナー 『幸福って何だ?』


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目次
はじめに
高津 春樹 公益財団法人 ハイライフ研究所 常勤顧問

第1部 レクチャー
「指標」を考える
伊藤 剛 ASOBOT 代表/シブヤ大学 理事

「幸福」を考える
川内 有緒 ノンフィクション・ライター

第2部 ケーススタディ
事例1 GAH(荒川区民総幸福度)
二神 恭一 公益財団法人 荒川区自治総合研究所理事・所長

事例2 トランジション・タウン運動
山田 貴宏 ビオフォルム環境デザイン室 代表

おわりに

参加者アンケート

関連資料

研究背景
 2013 年9 月9 日、国連が『世界幸福度報告書2013』を発表しました。幸福度の上位3 ヶ国は、デンマーク・ノルウェー・スイス。経済指標GDP の上位3 ヶ国であるアメリカは17 位で、中国は93 位という結果でした。ちなみに、私たちの暮らす日本は43 位。先進国の中では際だって低い順位だったようです。「経済の豊かさだけでは幸せにはなれない」。昨今、巷で言われている通りの結果となりました。しかし本来は、ランキングの“結果”自体にそれほどの意味はありません。大事なことは、何がその“基準”となっていたのか、その“モノサシ”を知ることです。

 そこで本セミナーでは、「幸福のモノサシ(指標)」について改めて考えてみたいと思います。第1 部では、「個人と幸福の関係」を考えるために、心理学や経済学などさまざまな分野で研究されてきた『幸福指標』について考えます。続く第2部では、「まちと幸福の関係」について考えるため、実際の事例をもとに“行政”と“市民”の両視点をご紹介したいと思います。

 「人間の活動は最終的に幸福を目指している」とは、哲学者プラトンの弟子・アリストテレスの言葉。幸福論は、ともすれば“理想論”になりがちなものですが、「幸福指標」について考えるということは、自分の「人生」について“具体的”に考えることにつながるのではないでしょうか。

開催日時:2014 年2 月22 日(土)14:00 ~ 17:00
会場:東急渋谷ヒカリエ8F イベントスペース『COURT』
主催:公益財団法人 ハイライフ研究所
共催:特定非営利活動法人 シブヤ大学
企画協力:ASOBOT inc.

ご意見・ご感想がございましたら、
お問い合わせページまたはinfo@hilife.or.jpよりお知らせください。
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