【データベース】 都市の鍼治療 No.61~No.65

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。

鍼アイコン061 プラハのガス燈(Gas Lamps in Prague Historical District)
061 プラハのガス燈(Gas Lamps in Prague Historical District)

 チェコの首都、プラハの旧市街地を彩るガス燈。いかにも歴史ある町にふさわしい景観を演出しているが、これはガス燈が設置された19世紀のものが今日にまで残っているのではなく、21世紀になってから新たに設置されたものである。市民にはかつての不気味な時代を彷彿させるという。その意味でも都市のオーセンティシティをしっかりと照らしている。

鍼アイコン062 ストリッシュコフ駅(Strizkov Metro Station)
062 ストリッシュコフ駅(Strizkov Metro Station)

 味気ない郊外住宅地に現れた宇宙船のような地下鉄駅。地域アイデンティティの薄い地域に強烈なランドマークをつくりだすと同時に、交通移動のハブとしての象徴性をも見事に表現することに成功した。

鍼アイコン063 チャールストンの歴史保全(Historic Preservation of Charleston)
063 チャールストンの歴史保全(Historic Preservation of Charleston)

 全米でも極めて魅力的な都市として知られるチャールストン。美しい景観の保全は、およそ80年前に、この都市が持つ宝に気づいた数人の市民達が立ち上がったことに始まる。

鍼アイコン064 ライネフェルデのお花畑(Flowerbed in Leinefelde)
064 ライネフェルデのお花畑(Flowerbed in Leinefelde)

 人口減少に対応するために、団地を撤去・減築するという大胆な政策に出たライネフェルデ市。建物を撤去した跡地には、広大なお花畑をつくり、そこに人々が暮らしていた記憶を朧気ながらも次代へと継承している。

鍼アイコン065 シュピネライ(Spinnerei)
065 シュピネライ(Spinnerei)

 ドイツ再統一後、競争力の無さから閉鎖され、放置された広大な工場跡地がアーティストたちの活動の場として復活。ライプチッヒ市でも若者にも人気のある文化ゾーンへと変容した。何か創造したくなるような気分にさせられる刺激的な場所。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

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