
今年度のメルマガレポート「都市生活者意識調査 今昔物語」も最終回...
第1回は、コロナ前後での生活者の行動や意識の変化の有無を取り上げました。
第2回は、デジタルの普及が都市生活者の行動をどう変えたのか見ていきました。
第3回は、都市生活者の食事や飲酒、食品の買い物についてお伝えしました。
前回の第4回は、定年・老後とお金・仕事の今昔に関してご報告いたしました。
今回の第5回・最終回のレポートは、「よりどころ・集まりと近未来社会の今昔」というテーマで、都市生活者が「なってほしい」と考えている「近未来の社会」を見ていきます。
その前段として、今の自分の立ち位置を「よりどころ」と「集まり」という視点で確認もしたいと思います。
尚、今回のレポートも、
① 2019年度版 コロナ前
② 2021年度版 コロナ感染拡大2年目の調査
③ 2024年度版 2025年6月25日公表の最新版
という3回の調査で比較します。
※「都市生活者意識調査」 参照ホームページ
2019年度 https://hilife.or.jp/pdf/201902.pdf
2021年度 https://hilife.or.jp/pdf/data2021.pdf
2024年度 https://hilife.or.jp/pdf/data2024.pdf
第1章は 「よりどころとなっている人」の今昔です。
(1)厚生労働省調査「日頃から何かと頼りにしている相手」
まず、官公庁の公表している「頼りにしている相手」の調査結果を見てみましょう。下のグラフは、厚生労働省の「中年期以降の縦断調査」の「性別にみた日頃から何かと頼りにしている相手」の調査結果です。

厚生労働省「中年期以降の縦断調査」(平成30年)を基に筆者作成
少し古い調査になりますが、厚生労働省が63~72歳の対象20,677人に実施したものです。
これによると、
・男性・女性とも、「何かと頼りにしている相手」は「同居家族」が最も多く、調査対象者の2/3が頼りにしていることが分かります。
・女性はその次に、「別居の家族・親族」、「友人」の順で頼りにしており、その割合自体も40~55%となっています。
・男性も、頼りにしている相手として、「別居の家族・親族」、「友人」が順に上がっていますが、その割合は30%台で女性より少なくなっています。
・男女とも、それ以外の「近所の人」、「同僚」は少ない割合になっています。
男女とも、「同居家族」を頼りにしている相手と考えており、女性は別居(実家?)の家族・親族や友人も頼りにしている一方、男性は余り頼りにしていない、ということでしょうか。
(2)都市生活者意識調査に見る「よりどころとなっている人」の今昔
次に、「よりどころ」に関して、「都市生活者意識調査」の調査結果を見ています。
下のグラフは、「都市生活者意識調査」で「よりどころ」になっている人の割合です。
先ほどの調査より、もう少し詳しく区分されています。

公益財団法人ハイライフ研究所「都市生活者意識調査」2019/2021/2024
報告書・データ編:2019年度 P.141、2021年度 P.135、2024年度 P.163
・この調査では、「よりどころ」になっている人」として、配偶者、親、子どもという「近親者」が上位に入っています。
・上位6番目までが近親者と友人で占められ、7位以下は、社会人になってから交流のある人=「仕事で知り合った人」、「仕事関係の上司や同僚や部下」で、はその割合は10%弱となっています。
こうして見ると、生活者は、家族をよりどころにしている人が多く、社会人後に知り合った相手をよりどころとしている人はさほど多くない、ということが分かります。
第2章は「現在参加している個人的な集まり」の今昔です。
「都市生活者意識調査」で、「現在参加している個人的な集まり」はどのようになっているでしょうか?調査結果は以下の通りです。

公益財団法人ハイライフ研究所「都市生活者意識調査」2019/2021/2024
報告書・データ編:2019年度 P.130、2021年度 P.140、2024年度 P.168
・「学生時代からの付き合い」が最も多く、次に「スポーツやさまざまな趣味の集まり」となり、3番目が学生時代の同窓会の集まり」となりました。
・3番目の項目で早くも10%程度となり、習い事の集まりや町内会・ご近所の集まり等の項目になりますと10%に届きません。
・殆んどの項目で、調査年ごとに参加の割合は減っており、個人的に集まる機会の減少が見て取れます。
・調査項目の中で圧倒的に多く、しかも調査年ごとに増えているものが一つあります。それは「この中で参加しているものはない」です。
生活者が現在参加している個人的な集まりは減少していると思われます。
第3章は 「なってほしい近未来の社会」の今昔です。
この章では、将来の社会への期待を調査結果で見ていきます。
(1)総務省「国土交通省・国土交通白書」令和6年調査
まず、官公庁が公表している調査結果のご報告から。このグラフは、近未来(2050年)以降で「新たな暮らしや社会に期待する将来像」の調査結果です。

国土交通省・国土交通白書・令和6年版を基に筆者作成
(有効回答4,320人)
2050年代以降の新たな暮らしや社会について、人々が期待していることに関する調査結果では、最も期待されている将来像は、「子ども・子育てにやさしい社会」で、次いで「誰もが豊かな生活を享受できる社会」、更に「防災・減災等が強化された社会」、「高齢者にやさしい社会」を回答した人が多かったです。
「子ども・子育て」、「高齢者」にやさしい社会への期待度が高いことから、子どもから高齢者まで、中間層の子育て世代を含めた「全世代にとってやさしい社会」の期待度が高いと言えます。
また、「誰もが豊かな生活を享受できる社会」に対する期待度が高いことは、性別・年齢・国籍等を問わない、多様性のある豊かな生活を享受できる社会への期待もうかがえます。
(2)「都市生活者意識調査」に見る「なってほしい近未来の社会」の今昔
次に、「都市生活者意識調査」の「なってほしい近未来の社会」の調査結果を見ていきます。
※今回のテーマに合わせて項目の抜粋を行いました。

公益財団法人ハイライフ研究所「都市生活者意識調査」2019/2021/2024
報告書・データ編:2019年度 P.158、2021年度 P.149、2024年度 P178
「なってほしい近未来の社会」の調査結果では、様々な「なってほしい社会」の項目が見られました。
・「犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会」、「戦争のない社会」、「心にゆとりを持てる社会」、「自然災害に強い、安全で安心して暮らせる社会」が上位に来ています。すなわち、自分の安全(=犯罪がない・自然災害に強い)や、国家の安全(=戦争のない)が保たれる社会を期待する声が多いと言えるのではないでしょうか?
・更に「経済的に豊かな社会」や「安定した収入や雇用が見込める社会」が続いており、金銭的な豊かさを願う思いも伝わってきます。
最終回は「都市生活者意識調査」の調査報告の中で、「よりどころ・集まりと近未来社会の今昔」と銘打ち、都市生活者が「なってほしい近未来の社会」を見ていきました。
その前段として、今の自分の立ち位置を「よりどころ」と「集まり」という2つの視点で確認もしてみました。
1.「よりどころとなっている人」の今昔では、「よりどころになっている人」として、配偶者、親、子供という近親者が上位に入りました。上位は「近親者」と「友人」で占められ、社会人になってから交流のある人は10%弱となりました。
生活者は、家族をよりどころにしている人が多く、社会人後に知り合った相手をよりどころとしている人はさほど多くない、ということが分かりました。
2. 「現在参加している個人的な集まり」の今昔に関しては、「学生時代からの付き合い」が最も多く、次に「スポーツやさまざまな趣味の集まり」となり、3番目が学生時代の同窓会の集まり」となりましたが、この項目で既にその割合が10%を切っていました。
「習い事の集まり」や「町内会・ご近所の集まり」等の項目になると更に低い値になりました。
しかも殆んどの項目で、調査年ごとに参加の割合は減っており、個人的に集まる機会の減少が見て取れます。
調査項目の中で圧倒的に多かったものは「この中で参加しているものはない」です。
生活者が現在参加している個人的な集まり自体が減少していると思われます。
3.「なってほしい近未来の社会」の今昔では、様々な「なってほしい社会」がありました。
「犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会」、「戦争のない社会」、「心にゆとりを持てる社会」、「自然災害に強い、安全で安心して暮らせる社会」が上位で、自分の安全や、国の安全が保たれる社会を期待する声が多かったです。
それらの項目に続いて、「経済的に豊かな社会」や「安定した収入や雇用が見込める社会」があり、金銭的な豊かさを社会に期待する思いも伝わってきます。
こうして5回にわたって「都市生活者意識調査」の今昔をお届けしましたが、いかがだったでしょうか?
思った通りの調査結果、意外な調査結果を知ることができた、ということであれば幸いです。
https://www.hilife.or.jp/report-toshi
また、機会がありましたら上記リンクをクリックして頂き、15年間の調査結果を見て頂ければと願っております。
