ヨーグルトにアボカド!?
「塩系アレンジ」の食べ方がじわじわ拡大中

■ 値上げをしてもなお支持されているヨーグルト!

外食市場では韓国発の「グリークヨーグルト」が注目され、レシピサイト等でも市販ヨーグルトでグリークヨーグルトの作り方が紹介されています。このギリシャ系ヨーグルトのように高たんぱく・濃厚食感といった付加価値のヨーグルトは、お腹を「整える」だけでなく「満足できる」食品として、ヨーグルトの価値を拡げているようです。グリークヨーグルトは一例ですが、物価高の中、スーパーでの需要が伸び、食べ方もバラエティ化の兆しが見えてきています!
スーパーの冷蔵コーナーでお馴染みのヨーグルト。じわじわと売り場が大きくなっているような気がしませんか?
直近1年間(2024年6月〜2025年5月)では、購入金額PI値が12ヶ月連続で前年を上回る結果となっており、着実な成長が見て取れます。中でも最も大きな伸びを見せたのが2025年1月(前年比105.9%)。寒さが厳しい冬場に、風邪やインフルエンザ予防で乳酸菌が注目されることもあり、より多く選ばれる傾向がうかがえます。
価格上昇の影響もあり、平均価格は昨年に比べて上昇していますが、点数PI値も猛暑時期を除いて前年比を超えて推移しており、「値上げをしてもなお支持されている」ことを裏付ける動きが見られました。
年間を通じた平均でも、購入金額PI値は前年比103%台後半を維持。単なる物価上昇による押し上げではなく、ヨーグルトというカテゴリーが、食生活の中で存在感を増してきていることがうかがえる結果となりました。

出典元:real shopper SM

■ ヨーグルトの「推し層」を探る!

直近1年のヨーグルトの購入金額PI値を伸ばした「押し層」をみていきましょう。

出典元:real shopper SM
※出現率=各年代の来店客全体の中で対象商品を購入している人の割合

購入者の出現率(※)を性年代別に見てみると、男性層は全世代前年比で減じているのに対して、女性層では多くの世代で前年を超える傾向が見られました。スーパーでのヨーグルトの購入は自分用だけでなく、家族用が想定されますが、健康や美容への意識が高い女性層にしっかりと支持されている様子がうかがえます。
「整えるだけじゃ物足りない」「しっかり満足したい」——そんな気分に寄り添うように、高たんぱくや濃厚系のヨーグルトが広がってきたことも、購入単価の上昇を後押ししているのかもしれません。
物価高でも「選び続けられる商品」には、ちゃんと理由がある。ヨーグルトは、そんな生活者のリアルな選択を映し出している存在なのかもしれません。

■ フルーツ×ヨーグルトはもう定番。次に選ばれているまさかの組み合わせとは?

出典元:real shopper SM

直近1年間(2024年6月〜2025年5月)で、ヨーグルトのトッピング商材として、ヨーグルトと一緒に買われている商品(※)を見てもました。やっぱり、キウイ・バナナ・りんご・オレンジ・いちごと、色とりどりのフルーツがズラリ。2位にはシリアル、3位にはジャムがランクインしていて、いわゆる「定番トッピング」に留まります。
そんな中で、ひときわ気になったのが「アボカド」の存在。
フルーツの領域ではありますが、意外な組み合わせに感じませんか?
調べてみると、最近はSNSでも「アボカド×ヨーグルト」のレシピ投稿がじわじわ増加中なんです。アボカドのまろやかな食感と、さらにナッツ系トッピングで「塩系ヨーグルトボウル」として、この組合せを楽しむ人も増えているようです。「塩系アレンジ」の食べ方がじわじわ拡大しています!

※本レポートでのPI(Purchase Index)値とは、購入金額、購入点数、バスケット数等を購入客1000 人当たりの指数にした値のこと。
※購買データの出典について、「出典元:real shopper SM」と記載されているものは、株式会社ショッパーインサイトが保有する食品スーパーIDPOSデータベース「real shopper SM」の購買履歴データを、本コンテンツ向けに独自に集計・加工したものです。
※今回の分析では、「ヨーグルトのトッピングカテゴリ」にあたる食材に限定して併買傾向を抽出しています。全カテゴリで見ると野菜や牛乳など汎用性の高い商品も含まれてしまうため、用途を絞ることで、より生活実態に即した傾向が見えるようにしています。