本のご紹介
『都市はなぜ魂を失ったか ―ジェイコブズ後のニューヨーク論』

都市はなぜ魂を失ったか ―ジェイコブズ後のニューヨーク論

シャロン・ズーキン(米国ブルックリン大学教授)

ニューヨーク・ウォッチャーとして世界的に知られる社会学者、シャロン・ズーキン(米国ブルックリン大学教授)の近著が翻訳されました。ハイライフ研究所のウェブサイトにて連載中のシリーズ「シャロン・ズーキン教授の解説によるニューヨーク最新都市事情」とあわせて読むと、より理解が深まると思います。

都市はなぜ魂を失ったか ―ジェイコブズ後のニューヨーク論 (KS社会科学専門書)
著者 シャロン・ズーキン
翻訳 内田奈芳美・真野洋介

出版社: 講談社
価格 3,990円

「日本各地に「魂を失ったように見える都市」が存在する。シャッターがならぶ商店街。空き地や駐車場だらけのまちなか。誰もいない駅前。「昔はよかったんだけどな」とつぶやく人々。まるで魂が抜けてしまったようだ。しかし逆もまた魂を失ったようだ、と本書は指摘する。中心市街地活性化とか公共空間の民営化などといって、高級なブランドショップを誘致したり、立派な再開発ビルを建てたりする都市がある。洗練され、高級になった都市から追い出される人たちがいることを考えると、きらびやかになった都市に魂が存在するかと問われれば否と答えざるをえない。
きっと都市の魂はコミュニティの意志に宿るのだろう。それは、見た目の美しさや一時の体験に宿るわけではない。コミュニティの意志に宿る都市の魂こそが、結果的に美しい空間やとびきりの体験を生み出すことになるのだ。順番を間違えてはならない。まずは都市の本質を見きわめること。『裸の都市』から発想すること。そしてコミュニティ間の対話を大切にすること。
私が本書から受け取ったメッセージは以上のようなものである。コミュニティデザインに取り組む人間を大いに勇気づけてくれる本だといえよう。」

山崎亮氏(studio-L代表、京都造形芸術大学教授)推薦

■シャロン・ズーキン教授の解説によるニューヨーク最新都市事情
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=108

ズーキン教授へのインタビューを中心に、ニューヨークの最新都市事情をお届けしています。

連載の内容:
第1回 イントロダクション
第2回 新著「ネイキッド・シティ」/「都市のDNA-オーチャード・ストリート」
第3回 「新しい公共性-コミュニティ・ガーデンとブロードウェイのホコ天化」
第4回 ホコ天ブロードウェイを歩く
第5回 「都市のオーセンティシティ|イースト・ビレッジ」
第6回 ハイラインを歩く
第7回 まとめ|マンハッタンが示す将来の都市の方向性

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

撮影・編集
熊倉次郎 リベラルアーツ総合研究所

制作統括
萩原宏人 公益財団法人ハイライフ研究所

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

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