豊かな公共空間をつくる
ヨーロッパの先進事例に学ぶ

第1回 なぜ 今、公共空間なのか

服部圭郎 明治学院大学准教授

 政権交代をした民主党の鳩山党首は、「コンクリートから人間へ」をスローガンに、土木資本に偏重していた国家予算を人に振り向ける政策を掲げた。我が国の都市空間は、土木的な社会基盤に多くの投資が為されたが、それにも関わらず、我々は依然として貧困な都市空間を享受せざるを得ないような状況にある。
 人にとっての都市空間の豊かさとは公共空間の豊かさである。政権交代をしたからといって、どのように人にとって豊かな公共空間を整備したらいいかという指針ははっきりと見えてはいない。
 その背景として、まず公共空間というところの公共性がしっかりと把握できていないことが挙げられる。公共空間の貧しさは、これまでトップダウンで「公共」空間を整備してきた行政側の問題だけでなく、「下から」公共性を立ち上げるだけの覚悟と能動性を市民が有していなかったことも理由として挙げられると思われるのである。
 こうした問題意識から、市民にとって本当に豊かな公共空間とは何かを考えていきたい。 この連載シリーズでは「豊かな公共空間」の模範をヨーロッパに求めることとする。ヨーロッパはEUのもと、「ヨーロッパ的都市」(European City)の価値を検証している。その価値とは、まさにコンパクトな中心市街地を核とする「豊かな公共空間」にある。現在、ヨーロッパにおいても再検証がすすめられている公共空間の価値についてともに考えることで、日本における豊かな公共性についても問題意識を共有したい。

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[連載予定内容]

■インタビュー:
ヤン・ゲール氏(ヨーロッパ最初の歩行者空間であるコペンハーゲンのストロイエを施策提言して、設計をした建築家、元デンマーク王立大学教授)

クリスタ・ライヒャー氏(IBAエムシャー・パークの審査委員であり、公共空間に関する論文をもつ建築家。ドルトムント工科大学空間計画学部長)

トマス・ジーバーツ氏(IBAエムシャー・パークの実質的な発案者。ダルムシュタット工科大学名誉教授)

■公共空間事例:
ストロイエ(コペンハーゲン)
市民広場(プラハ)
ほか

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学准教授

編集・配信
財団法人ハイライフ研究所


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