都市生活者とサービス化社会

都市生活者とサービス化社会
東京の居住中心地域(エリア=準都心)の『生活者行動』と
『生活系サービス事業』の需給関係を検証する
―事業所統計(経済センサス)で見る東京準都心15エリアの産業特性と主要事業-

第1回 産業分類表から見る都市生活サービス事業
東京都特別区23区の事業所

 東京都市圏の人口は戦後急増し、日本の高度経済成長期の1960年代,70年代に減り続けた。しかし、1990年頃から都心部を中心に人口回帰現象が起こり、東京の人口は再び増え、増加エリアは都心3区から都心周辺の区部に広がっていった。その結果、一時沈滞化していた東京10㌔圏前後にある街(準都心エリア)が活気を取り戻し、職住近接の居住地として再び脚光を浴びた。2010年以降は人口回帰現象が一段落し、準都心エリアの人口は単身居住者増を伴いつつ、少子化と高齢化が顕在化しはじめた。そして十数年後の2030年の東京の人口は、一部の行政区を除き「高齢化というマンモス都市」になるという。急速に進行する人口減や高齢化に対し東京都市圏の地域社会はどう対応すればよいのか。

 しかし、現在の都市圏各エリアでは、少子高齢社会を前にして地域対応の生活サービス事業の供給実態が、まだよく認識されていない。最近になって老人ホーム、保育園などの本質的な問題が急浮上している。生活に密着し生活に不可欠なサービス事業(物販・飲食・各種サービス等)は、どの程度供給されているのか。

 少子高齢化、男女共同参画、健康意識の高まり、単身世帯の増加など、社会環境は大きく変化し、その中で暮らす生活者のニーズは様々な広がりを見せている。そのような多様なニーズに応える子育て、健康、生活支援などのサービスや、加えて、事業者の新分野進出支援、 サービスの提供者と生活者の需要供給マッチング支援などの育成・振興もチェックしておきたいサービス事業だ。

 生活者の多様なニーズは事業者にとってはビジネスチャンス。現在、生活者は巨大な需要を抱えたまま、高品質で安定したサービスを心待ちにしている。生活者の多様なニーズに耳を傾け、常に新しいニーズを探し続けることが事業者の新たなサービス開発に繋がり、生活者の生活満足度を向上させ、事業者にとっては新たなサービスの提供、そして雇用の創出。生活者にとっては生活満足度の向上となる。

 今回のレポートでは、地域生活(東京都心、副都心、準都心の各行政区)において衣食住など基礎的な生活や便利で安心、安全な生活・快適な生活を提供する事業(小売業、飲食業、各種サービス業)の地域分布状況を「平成24年経済センサス統計・事業所統計」から確認する。

執筆:立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)

 

都市生活者とサービス化社会 第1回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。

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