ハイライフ研究所メールマガジン 第22号

2009年5月8日配信  発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局


幼少の頃に読んだ、ミヒャエル・エンデの「モモ」を最近久々に読み返しています。
1973年に旧西ドイツで書かれたこの作品は
既に現代人の「忙しさ」「時間のなさ」を児童文学の中で婉曲に、でも
はっきりと警鐘を鳴らしています。
「モモ」を通じてのエンデの主張は30年経った今も色褪せるどころか、
近代化がさらに進んだ現在では逆に重要性を増しているように思います。(Schneehase)


<今号の内容>

1. 東京生活ジャーナル/まちづくりフィールドレポート
2. 環境首都コンテスト 全国フォーラム in 飯田
3. ブラジルの環境首都・クリチバ
4. 台北のシーンの変遷



東京生活ジャーナル

東京生活ジャーナルの新シリーズがはじまります!

~Vol.1銀座らしい街並みのために~
今年度の東京生活ジャーナルでは、「まちづくりフィールドレポート」と題し、まちづくりの一線に立っている人々へのインタビューを通して、現代の都市が抱える問題点や今後のあるべき姿についてレポートしていきます。

今月と来月は、銀座にふさわしい景観や建物デザインの指針となる考え方をまとめた「銀座デザインルール」を取り上げます。

現在、銀座地区に新築される建物については、そのデザインや色が銀座らしさを損ねないか、このルールに基づいて事前に地元協議会と協議されることになっています。

今月は、デザインルールの策定に深く関わられた「銀座街づくり会議」の竹沢えり子氏にルール策定に至るまでの経緯や街の状況についてお話を伺いました。街にふさわしい景観を作っていくためには、どのように考え、街の人々が何をしなければならないのか、その知見が語られています。


東京生活ジャーナル/まちづくりフィールドレポート
http://www.hilife.or.jp/journal2/


2. [動画] /?p=502″>

宇部市 進化したフィフティ・フィフティ事業
発表:宇部市 環境部次長 今川利夫

新城市 進化する市財政の説明書「ザイセイの話」
発表:新城市 市長 穂積亮次

水俣市 村まるごと生活博物館 
発表:水俣市 副市長 森 近

北九州市 環境国際交流
発表:北九州市 環境局環境経済部国際協力室 樋口雅之

飯田市 パートナーシップ型環境エネルギー事業 おひさま発電所 
発表1:おひさま進歩エネルギー(有)社長 原 亮弘
発表2:三菱電機(株)飯田工場長 白金義康

詳しくは以下のURLをご覧ください。

南米ブラジルの「環境首都」として知られるクリチバとはどんなところか?
小型のハイビジョンカメラで現地の取り組みを取材しました。

配信中の「映像報告 地下鉄に匹敵するバス」に対して、
『人間都市クリチバ』の著者である、服部圭郎先生(明治学院大学経済学部準教授)から
コメントをいただきました。

コメント クリチバ市はなぜバスを選択したか

お話:服部圭郎 明治学院大学准教授

制作・配信:財団法人ハイライフ研究所


詳しくは以下のURLをご覧ください。

4. ハイライフ研究所の研究報告書より 
台北のシーンの変遷(大都市のシーンに関する研究・別冊) (2002年度研究)


一.序文

二.台北市の発展及び変遷の歴史  
  (1)十九世紀以前の台北
  (2)日本の植民統治時期
  (3)国民政府の台湾移転後の時期
  (4)高度経済成長期以後(1970年代以後)

三.台北市の生活と消費
  (1)台北の繁華街
  (2)台北都会生活の特徴

四.都市環境
  (1)交通道路
  (2)河の景観
  (3)環境保護政策

五.結論



研究体制:
鄭 良一 中華民国 国立体育学院体育管理学系副教授

(敬称略・肩書は当時のもの)

PDF形式の研究報告書は以下のURLよりご覧いただけます。
http://www.hilife.or.jp/pdf/cnt.php?url=20026


編集後記 

2009年は世界天文年

今年2009年は、ガリレオ・ガリレイによる天体望遠鏡を用いた初めての天体観測から400年目であることを記念して、世界天文年(Internationl Year of Astronomy)に制定されています。

世界中の人々に天文学と宇宙への関心を持ってもらうことを目的として、国際連合、ユネスコ、国際天文学連合によって企画された世界天文年のスローガンは、「宇宙・・・解き明かすのはあなた」(The Universe: Yours to Discover)。

夜空の天体、太陽、惑星、流星などに目を向け、広大な宇宙の中の地球、そしてその地球の上の生命や人間の存在に思いを寄せて、新たな発見をして欲しいという願いを込めたスローガンとのこと。

世界天文年にあわせて、国内外でさまざまなイベントや講演会、シンポジウムなどが予定されています。なかでも国内の大きなイベントは7月22日に屋久島・トカラ列島沖合で観測することができる皆既日食でしょう。

ちなみに観測ツアーの予約はすでに満杯だそうですが、以下のホームページに今回の皆既日食の詳しい情報が掲載されています。
http://www.knt.co.jp/eclipse/place/place_01_00.html 


太陽黒点の運動停滞による寒冷化の可能性

さて、ここからは、太陽の元気が少し弱まっているという、ちょっと気になる話題です。

「太陽黒点(たいようこくてん)」というものをご存知でしょうか。小学校の理科、中学校の科学の授業などで勉強したのではないかと思います。

太陽黒点とは、太陽の自転により発生する太陽表面に表れる黒い点を散らしたかのように見える部分のこと。黒点も光を放っていますが、周囲よりも弱い光なので黒く見えます。黒点が暗いのは、その温度が約4,000℃と普通の太陽表面(光球)温度約6,000℃に比べて低いためで、発生原因は太陽の活動エネルギーの強さや磁場にあると考えられているそうです。

その太陽黒点が2008年8月の天文観測より消えたままであるというのです。

太陽黒点が消えるとどういうことになるか。ノンフィクション・ライターの松浦晋也は地球が寒冷化に向かう可能性があることを指摘されています。

少し長くなりますが、松浦氏のコラム「人と技術と情報の界面を探る」(http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080908/1007780/?P=1)から引用させていただきます。

「太陽には地球と同じような磁場が存在する。太陽黒点は磁場の活動と関係しており、太陽磁場が強くなると多数出現し、弱くなると消えるという性質を持っている。太陽磁場は、太陽自身の活動と密接に関係している。太陽が活発に活動すると磁場も強くなり、黒点も増える。つまり、黒点によって太陽の活動がどの程度活発かを知ることができる。太陽が活発に活動している時期は、多数の黒点が出現するし、逆にそうでもない時期には、黒点が減少する。このことは何を意味するか ? 太陽の活動は約11年周期で変動している。この前の極大期は2001年~2002年だった。つまり現在は2012年~2013年の極大期に向けて黒点が増え始める時期のはずなのだが、なぜか増えずに黒点が消えてしまったということだ。2006年~2007年の極小期にもわずかながら黒点は出現していたのに、今はそれよりも太陽活動が不活発になってしまっているのだ。

 黒点の継続的観測は19世紀半ばから始まったということで、人類の黒点観測のデータは150年分ほどしかない。しかし、太陽活動が活発になると、太陽からの荷電粒子が地球の上層大気に当たり、大気中の炭素が放射性同位体(C14というもの)に変化する。太陽活動が活発になると大気中のC14が増えるわけだ。 C14は回り回って植物の中に蓄積される。というわけで、樹木の年輪と中に含まれるC14の量を調べてあれこれ計算すると、過去何千年にも渡る太陽活動の推移を知ることができるそうだ。それで分かったのは、『太陽活動が不活発になると、地球は寒冷化する』ということ。

 過去、何回も太陽活動の極小期が存在していることが知られている。もっとも有名な例は、マウンダー極小期というものだ。西暦1300年から1850年年頃までの約550年間は、太陽活動が弱まり、地球全体が寒くなった小氷河期だった。その中でも、1645年~1715年の70年間は特に太陽活動が不活発で、厳しい寒さが地球を襲ったということが判明している。これがマウンダー極小期だ。マウンダー極小期の期間中、地球の平均気温は0.2℃ほど下がったそうだ。

 わずか0.2℃だが、これは地球全体の平均気温であり、場所によっては大きな温度変化に見舞われるところもあったとのこと。17世紀から18世紀にかけて、様々な歴史資料が残っていて、そこにもマウンダー極小期に気候が寒冷化したことが記されているとか。 ヨーロッパ・アルプスでは氷河が前進して村が飲み込まれたり、ロンドンでは冬季にテムズ川が凍結し、人が歩けるほどの厚みに氷が張ったり、オランダの画家ピーター・ブリューゲルは、農村の冬景色の絵を残しているが、それはまさにマウンダー極小期の真最中のことであった。

 寒冷化は食料生産に大打撃を与え、伝染病の流行をも引き起こす。この時期、世界各地で飢饉が起き、ヨーロッパではペストが大流行し、多数の死者が出た。
さて、問題は今年8月の太陽黒点の消失は、今後どうなるのかということだ。もしも、このまま太陽活動が回復せずに、マウンダー極小期のような状態に入るとしたら、今後地球の気候は温暖かではなく寒冷化することになるかも知れない。」 (松浦晋也 「人と技術と情報の界面を探る」)

このように昨年8月の段階で松浦氏は黒点が消えたことを危惧されていますが、その後9か月たった現在も黒点は復活していません。 「地球寒冷化は世界の食料生産に直接的な打撃を与える」(松浦氏)ことからも、ちょっと気がかりな太陽の様子です。

世界的に対応が求められている地球温暖化の問題と、今回指摘されている地球寒冷化の問題と、温度が向う方向は正反対ですが、それぞれの事態に対して実際何ができるのか。わたしたち自身の危機管理能力が問われていることに変わりはありません。

参考サイト:
「太陽黒点(Wikipedia)」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%BB%92%E7%82%B9


 


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