[3]ハイテク家電の使いこなし

「ハイテク時代の家庭の情報化に関する研究」に関するトピックス 
長谷川文雄

[3]ハイテク家電の使いこなし

パソコンが普及しても十分使いこなせないで、宝の持ち腐れになることがある。
かつて「デジタルデバイド」なる言葉が風靡した。その意味は、インターネットの恩恵を受けることのできる人とできない人の間に生じる経済格差を指し、通常「情報格差」と訳されている。格差は様々な局面で表れてくる。お金がなくてパソコンが買えないレベルもあれば、利用したい人の地域に高速ネットが物理的に来てない場合もある。さらに、使い方(情報リテラシーという)が分からない場合も含められる。
家電製品もコンピュータ制御が普通なので、勢い機能が多様化、高度化してくる。そのためユーザーは簡単なことを求めているのに、複雑な手順を踏まないと実現できない場合も少なくない。携帯電話など、まさに過剰と思えるような機能が満載し、覚えきれない。いわばハイテク化の宿命でもあるが、その楷書うぬ向けた様々な取り組み例も見られる。

1)マニュアルのダウンロード

どこの電器メーカーも始めているサービスに、インターネットを通じたマニュ アルのダウンロードサービスがある。家電製品のマニュアルを紛失し、扱い方 が分からなくなった場合など便利である。Googleなど検索エンジンを通じて製 品名を記して検索すれば、古くなった型番の製品でも、入手することができる。

2)動画による解説

ブロードバンド環境の整備に伴い、取り扱いを動画で解説するサービスが始まっている。たとえば、松下電器ではいかのサイトで、アイロン、冷蔵庫など動画による利用の仕方を提供している。

松下電器産業株式会社 http://national.jp/college/movie/

3)相談窓口

各メーカーとも相談窓口を設けているが、殆どは日中の時間帯、及び月から金曜日が多い。共働きが一般化している現在、週末、夜間の相談窓口の開設がのぞまれる。

4)専門家育成

家電製品が多機能、複雑化している現在、販売の現場でもユーザーの様々な疑問や質問に対し、適切にアドバイスできる専門家が必要になる。
家電製品協会認定センターでは、こうした要請に応えるために、「家電製品エンジニア」、「家電製品アドバイザー」、の資格制度を設けている。
同センターの説明によれば、「家電製品エンジニア」は家電製品関連などの業務で、製品の設置・接続・セットアップ、ソフトトラブルのリカバリー、故障の修理、その他不具合症状の解消等に従事する人を対象とし、「家電製品アドバイザー」は流通関係の販売・営業系業務に従事する方及び消費者からの各種相談を受ける業務に従事する方を主な対象とした資格となっている。
両者とも分野は、テレビ、ビデオなどの映像・音響・情報通信関連製品を扱う「AV情報家電」とエアコン・冷蔵庫・洗濯機などを扱う「生活家電」に別れている。

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(財)家電製品協会 http://www.aeha.or.jp/


[長谷川文雄]