[2]マルチハビテーション制度

「複数居住」に関するトピックス 
長谷川文雄

[2]マルチハビテーション制度

マルチハビテーションを支援するために、独立行政法人都市再生機構(旧都市整備公団)は、「マルチハビテーション制度」を設けている。

この機構は「UR賃貸住宅」を管理しているが、都市部の賃貸マンションをより効率的に運用するために、居住者が別な場所に自分の家を持っていても利用でき、いわゆる「セカンドハウス」として借りることができる。

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生活の本拠地ではなく、リゾートやアジールの目的で賃貸できる。対象物件は、機構が管理する団地となっている。機構のホームページを見ると、「セカンドハウスとして利用できる物件が首都圏に約158物件(約6万1千戸)あり、ほとんどが入居申し込みを先着順に受け付けている」という。東京都心だけでなく、大阪や名古屋など大都市圏でも利用できる。インターネットからも受付ができる。

マルチハビテーションはいわば国策で推奨されていると考えていいだろう。

社会資本整備審議会住宅宅地分科会は、平成16年度に中間報告書をまとめ、そのなかで、「都心部の魅力、郊外ないし地方の魅力の両方を享受できるように、平日は都心部で、週末等は郊外部や地方部で暮らすようなライフスタイル(マルチハビテーション)が、都心居住の進展、交通機関の発展などに伴って、理想から現実的なものになる」と記している。

これは、上記の都心住宅賃貸のような形態だけでなく、地方の空き家や廃村になろうとしているようなところが同時に整備されなければならない。各自治体でも、レビューで指摘したように、地域振興も考慮した政策が検討されている。

※参考URL
青森県における提案
http://www.pref.aomori.lg.jp/kenmin-koe/h17koutsuu-g-006.html

[長谷川文雄]