財団法人ハイライフ研究所メールマガジン

ハイライフ研究所メールマガジン 第129号

2013年10月30日配信  発行責任 公益財団法人ハイライフ研究所 事務局


<今号の内容>

1.【連載】 立澤芳男の商業施設見聞記|第6回 テラスモール湘南
2.【データベース】 都市の鍼治療|第2回配信
3.【講演】WEBセミナー「東京郊外居住の憂鬱」|第6回「郊外で楽しく生き延びる」


 

1.【連載】 立澤芳男の商業施設見聞記

立澤芳男の商業施設見聞記

第6回 大健闘する注目の大型ショッピングセンター「テラスモール湘南」

東京都市圏エリア(東京区部、東京多摩地区、神奈川県、千葉県、埼玉県)で、強力な動員力(=売上高)があり、地域で注目を浴びる商業施設をピックアップし、その実際と動員力の背景(地域のポテンシャル)をレポートしてきたが、今回がシリーズ「日本のSC見聞記」の最終回となった。

最終回は、神奈川県の湘南エリアに注目した。東京や横浜の優良な住宅地として発展し、近場には文化遺産豊富な鎌倉やサーフィンやヨットなどの海洋スポーツのメッカ・湘南海岸がある。そしてその湘南エリアの商業拠点となっているのが藤沢市である。その藤沢市の商業が、今、危機にさらされている。
百貨店や映画館が消え長期低迷が続く藤沢市繁華街に代わって、隣接の辻堂駅に湘南エリア最大の規模・湘南イメージ満載の大型SC「テラスモール湘南」が一昨年11月に開業し、いきなり初年度年間売上高約500億円を記録し、日本のSCで第5位にランクインしている。

想定外の売上高であるが、その背景には湘南地区商業の大変化がある。

温暖地区であるこの湘南地区は、戦前はリゾート地、戦後は住宅地・観光地として発展し続けたが、観光地は別として、大衆消費から成熟消費へと生活水準が上昇する中、藤沢市の商業開発はこの20年間「冬眠状態」が続いていた。今、藤沢市辻堂では、「湘南C-X(シークロス)」プロジェクトと「次世代型都市(スマートシティ)」プロジェクトの二つが具体化し動き始めた。今、湘南エリアは大きく変わろうとしている

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執筆:立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)

 

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=113

 


2.【データベース】 都市の鍼治療|第2回配信

「都市の鍼治療」データベース

クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。

鍼アイコン006 バロー・マーケット(Borough Market)

006 バロー・マーケット(Borough Market)

ロンドンのバロー・マーケットは、イギリス最古、かつ最大の屋外市場である。1756年から正式に、ここでマーケットは開催されている。実際は、それ以前、11世紀頃からここでは市が立っていた。しかし、ロンドン橋がつくられて交通量が増えたので、市場は追い出された。そこで、1755年に地元住民が6000ポンド(現在に換算すると10ミリオン・ポンド相当)ほどで、王様からマーケットを開催する権利を獲得して、今日に至る。この権利は未来永劫のものだ。バロー・マーケットは、信託統治されているロンドン唯一の自治市場なのだ。

鍼アイコン007 直島の和カフェ ぐぅ(Cafe Goo in Naoshima Island)

007 直島の和カフェ ぐぅ(Café Goo in Naoshima Island)

瀬戸内海の直島は、リゾート列島論が吹き荒れる中、大規模な消費型のリゾート開発を計画した。しかし、それが頓挫し、地元の大企業であるベネッセが、その開発を引き継ぎ、現代芸術を活用した島興しを展開したところ、世界的な脚光を集め、多くの観光客を集めるようになった。
しかし、多くの観光客が来るようになったが、食事をする場所やカフェがない。そのような問題を島民から聞いた香川大学の古川先生が、ゼミ生に「誰かカフェとかやれば絶対、儲かると思うんだけどなあ」と言ったところ、ゼミ生が「先生、そんなら自分達がやります」と言って、実際、島の一軒家を借りて、カフェを開始することにした。2006年8月のことである。これが、直島の本村にある「和Cafeぐう」というカフェの始まりである。

鍼アイコン008 テンプル・バー(Temple Bar)

008 テンプル・バー(Temple Bar)

アイルランドの首都ダブリンのリッフィー川南岸、都心部に位置するテンプル・バーはダブリン市内で唯一、中世の街の構造を保全していた地区であった。ここは、1980年代までは貧困層が住む、衰退地区としてみられていた。1970年代にテンプル・バーの地区にある建物は国の交通局によって買収され始めた。これは、この地区に近代的なバス・ターミナルを整備しようと考えていたからである。そして、その整備の過程で、中世の街並みや18世紀~19世紀に建設された建物を壊すことが意図された。しかしながら、この整備事業のための予算がなかなか獲得できなかった交通局は、買収した建物を賃貸に出し始めた。これらの建物を芸術家達が借りるようになり、この地区は突如、予期せずに「芸術的な地区」の様相を帯びることになる。交通局がバス・ターミナルを整備する方針を変える意図はなかったものの、この文化の香りが溢れるダブリンの「カルチェ・ラタン」を保全しようという要望は徐々に強くなっていった。

鍼アイコン009 ツォルフェライン(Zollverein)

009 ツォルフェライン(Zollverein)

ルール地方の中核都市の一つであるエッセン市の北部に18世紀に開発されたツォルフェライン炭鉱は、19世紀末にはドイツ最大の炭鉱であり、最盛期には5000人もが働いていた。また、その後、20世紀前半に建設されることになるバウハウス様式の建築物である「換気坑12」は、石炭採掘の「合理化の傑作」、「世界でもっとも美しい炭鉱」として高く評価され、ルール地方の石炭採掘の象徴として広く知られるところとなった。 しかし、1986年には石炭採掘が中止され、その数年後にはコークス製造工場も閉鎖された。

鍼アイコン010 ゴー・ゴー・ゴリラス(Go Go Gorillas!)

010 ゴー・ゴー・ゴリラス(Go Go Gorillas!)

ノーリッチはロンドンの北東部にあるノーフォーク州の州都で、人口13万人ほどの都市である。ロンドンからは鉄道で2時間ほどの距離にある。このノーリッチに2013年の6月24日から9月7日までの期間限定で、市内に53体のゴリラの等身大の置物が設置され、それらのゴリラをめぐるトレイルがつくられた。これらのゴリラは、教会、デパート、鉄道駅、城、劇場といった市内の重要な場所に置かれ、ゴリラを巡ることで、ゴリラに導かれてノーリッチの市内観光ができるような仕掛けになっている。これらのゴリラは、例えばアフターヌーン・ティーで有名な集会所のところにあるものは、お茶のデザインがされたりするなど、その場所性を表現するようなものとなっていたりして、ノーリッチ市への理解が深まるような工夫が為されたりしている。また、ゴリラを対象としたのは、それが絶滅危惧種であるからで、自然保護といった問題へ人々の意識を向けさせようとすることも考えられている。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

 


3.【講演】WEBセミナー「東京郊外居住の憂鬱」|第6回「郊外で楽しく生き延びる」

「東京郊外居住の憂鬱」|第6回「郊外で楽しく生き延びる」

日本全体が人間、空間、社会の老齢化・劣化による悩みが蔓延しつつあるとの認識のもと、社会という上から目線で眺めるのではなく、地域自ら地域らしさ、人間らしさを創り出していく「まちの再生」こそが持続可能性の要なのだと延藤氏は訴えます。

第一部では、公と私の間に、ヒト・モノ・コトの出合う縁側を創っていこう、人が主人公の柔らかい居場所を創っていこう、という「縁側育み隊」の取り組みが紹介されます。第二部では、悩ましさを増す郊外において、子どもたちが巣立った後、その子どもたちが孫を連れて戻ってきたくなる「ふるさと」を郊外に造り上げるために、「こんなことが大事なんやな~」と紹介します。

延藤氏の「まちの再生」への取り組み、人間賛歌をお聞きください。


■「東京郊外居住の憂鬱」シリーズ・セミナー
第6回 「郊外で楽しく生き延びる」
延藤安弘(NPO法人まちの縁側育み隊理事)

第1部
延藤安弘|郊外で楽しく生き延びる(1)
動画:http://youtu.be/avN0kL4FVWY

第2部
延藤安弘|郊外で楽しく生き延びる(2)
動画:http://youtu.be/TjCrvNvCKvY

ホームページ:http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=8819


講師プロフィール
延藤安弘(えんどうやすひろ)/NPO法人まちの縁側育み隊理事
1940年大阪生まれ。北海道大学工学部建築工学科卒業。京都大学大学院博士課程中途退学。生活空間計画学専攻、工学博士。京都大学助手、熊本大学教授、千葉大学教授、愛知産業大学教授、国立台湾大学客員教授を経て、現在に至る。著書に『まちづくり読本(晶文社)』『集まって住むことは楽しいナ(鹿島出版会)』、『「まち育て」を育む(東京大学出版会)』、『おもろい町人(まちんちゅ)(太郎次郎社エディタス)』、『まち再生の術語集(岩波新書)』ほか多数。 


制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

 


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