ハイライフ研究所データファイル2013年 立澤芳男の商業施設見聞記

第5回 開業5年目の試練 地元密着「イーアスつくば」

今年の夏、埼玉・茨城・千葉に竜巻旋風が起こり地域住民の生活不安は計り知れないものがあったが、春には、すでに自然現象でなく社会現象においてであるが大旋風が巻き起こっている。その現場は、関東平野のど真ん中を走る「TX(つくばエクスプレス)線 (秋葉原駅~つくば駅)」の中核都市的な存在である「つくば研究学園都市」エリアである。大旋風の発生元は、かつてない巨大な面積と建物を有する「インモールつくば」(3月オープン)である。ご存知ない方もあろうが、茨城県は電車交通網が未発達だが車の世帯当たり保有台数はトップ10にはいるなど(車移動社会)であり、車での通勤、ショッピングは日常的である。より大きな駐車場と大きな売場にむかって消費行動を起こす傾向が強い。

もともとエクスプレス沿線やその周辺市町村で商店街自体が少なく、家族総動員の買物には不便していただけに、5,6年前に開業した「流山おおたかの森 S・C」、「ららぽーと柏の葉」、「iiasつくば」は、それなりの顧客のすみわけができていた。その地に巨大な「イオンモールつくば」が登場したものだから地域住民は、車に乗ってモールへ殺到し、既存のSC群は右往左往し頭を悩ましている。つくばにとっての春の大旋風は今でも止まらない。

今回注目するショッピングセンターを「イーアスつくば」つくばにしたわけは、首都圏にあるショッピングセンターの中で最も土地柄に根ざしたショッピングセンターだったことだ。例えば、東京へは遠すぎる(つくば→秋葉原片道1100円)、居住地近辺には小さな商店街しかない、家族(三世代)みんなで楽しめる場が欲しい、都会生活ではなく地元よりちょっぴり上の生活を楽しむ商品が欲しい、買物だけでなく郵便局や銀行などサービスがそろうなど茨城県という地域住民のニーズを真摯に受け止めとめた企画・運営がなされている。立地と商圏人口、競争状況からみて年商300億円という売上高は見上げたものだと思う。しかし、その(イーアスつくば)が、大きな竜巻に飲み込まれる事態に落ちっている。

今回は、「イーアスつくば」の現状と課題についてレポートした。

執筆:立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)

 

第5回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。

 第5回 開業5年目の試練 地元密着「イーアスつくば」

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