千葉県A地区 I 地区、
仮設住宅生活者支援活動|第17回

執筆
LLPまち・コミュニケーション研究会 友田修
城西国際大学福祉総合学部 松下やえ子 森洋子

活動レポート|第14・15・16回

第17回 I地区仮設住宅訪問 11月22日(火)

 既に11月半ばというのに冬の気配は無く、青空の中に風力発電の風車がくっきりと見える。I地区仮設住宅の近くには巨大なホームセンターがある。スーパーマーケット、家電、雑貨、クリーニング、軽食、携帯ショップ、銀行ATM、薬局そして介護用品ショップといった構成である。巨大な店内はうんざりするほど移動距離が長い。午後2時の店内は客が疎らで、ほとんどが高齢者だ。一直線に並んだ棚の間にぽつんと背中の曲がったお年寄りが立っている。ひとりのお年寄りが欲しいモノを手に入れる空間としては、圧倒的な物量だ。しかも数年先には粗大ゴミになりそうなモノばかりである。多分、仮設住宅に住む人は既にここで仕入れたモノに囲まれているのだろう。

 午後2時30分、集会所に到着。既に松下、森、福祉総合学部の学生3名が会場の準備を済ませていた。

 今回は造形活動ではなく茶話会だ。7か月間毎月一回造形活動を共にして、仮設住宅の住人と関係が近づいたように感じたからである。主に独居高齢者エリアに声掛けして廻る。13名の参加である。そのうち男性2名、女性2名が初めての参加であった。男性は独居高齢者エリアの顔馴染みである。顔馴染みであったが造形活動は敷居が高かったようだ。今回はお茶飲みということで参加となった。女性2名は家族世帯の高齢者である。

 茶話会には一人一品持ち寄りということを伝えておいた。リーダー格の女性が一人だけ、手料理を作ってきた。玄人の料理のようで、それを褒めると津波の前は料理で商売をしていたという。その他は参加者の一人が買ってきたお菓子、松下と筆者(友田)の持ち寄り料理で会を始める。参加者は生活支援アドバイザー2名、学生3名、松下、森、筆者を加えて19名である。

 大学祭でのイベントが終わり、90才の男性は充実感から脱力感へ移行し、少し元気がない。いっぽう女性陣はにぎやかだ。

 初めて参加のいつも威勢が良くちょっと口の悪い男性は、目にも鮮やかなピンクのタートルネックを着ている。また、以前何回か参加してくれた小学生のおばあちゃん(おばあちゃんといってもまだ若い)も始めてだ。もてなす側にまわって下った。

 準備は若いおばあちゃん、松下と森、学生、そし今回筆者は手づくりのパンを持参したので、切り分けを担当した。始まるのを待つ人はこれまでの活動に参加した方々だ。

 テーブルの上には持ち寄ったお菓子や漬け物、果物が並ぶ。昼間なので紙コップにお茶が注がれる。始まりの挨拶がなかなか始まらない。雑談はにぎやかになる。ピンクの男性は女性達の人気者だ。 きっと小学生の頃の子供会の風景そのものなのではないだろうか。

 果物の皮むきのために湯沸かし室に居る松下と若いおばあちゃんは、作業をしながら話しこんでいる …



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