新しい日本社会をイメージする|立澤芳男の都市生活データで読む日本の実態シリーズ

第一回  少子高齢社会下の子どもと幼児・児童虐待

少子化社会で、国家の宝物になった子供たちが、虐待の対象になっている

東日本大地震、福島原発事故の最大被害者は子どもと高齢者である
東日本大震災は3月11日に発生から2か月を迎えた。警察庁のまとめによると、23日現在、死者は1万5,188人で、約15%にあたる2300人の身元は判明していない。行方不明者も8,742人に上っており、捜索は難航している。そして、避難所に身を寄せる被災者は、いまだに計10万8,672人いるという。この東日本大地震の被害地は少子高齢化が進んでいる地域であった為、被害者は高齢者と子どもが目立つのが特徴だ。
特に傷ましいのは子どもの被害である。労働厚生省の調査によると、5月10日現在、両親が死亡したり行方不明になったりした震災孤児(18歳未満)は140人を確認しているが、あしなが育英会によると、6437人が死亡した阪神大震災では、震災遺児が死者数の約1割に当たる573人になったということから、東北大地震においては、震災遺児は2000人以上とみている。これらの震災孤児に対し、「里親になりたい」という問い合わせが関係機関で急増しているという。

福島原発事故で学童疎開を強いられた子どもたち
加えて福島原発爆発事故では、福島県内の子ども被ばく許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたが、現在、チェルノブイリの退避地域よりも高いレベルの放射能汚染が広がっている。県内各地の保育所や幼稚園、小中学校には約30万人いるが、親から学校の放射能汚染に対して不安の声が寄せられ、学童疎開を始めている。学童疎開は隣接県で受け入れており、茨城県には5月6日現在で、小学校337人、中学校97人、高校20人、特別支援学校3人の計457人。栃木県では県立高12校へ生徒計16人、公立小中学校へは18市町で270人が転入学した。東京都には震災の影響で被災地から転校してきた児童生徒(幼稚園、小中学校、高校)は1067人(うち934人が福島県から)が避難している。
学童疎開といえば、太平洋戦争当時の1944(昭和19)年6月30日に、政府は、都市で足手まといになる者を地方に送り出し、都市の防空体制を強化するとともに、将来の戦力となる子どもたちを温存するために「学童疎開促進要項」を閣議決定し、疎開区域(東京都の区部、名古屋市、大阪市など大都市)にある3年生以上の国民学校初等科の子どもたち(約40万人を超える児童)が疎開したといわれている。
福島での今回の学童疎開は、国策としての戦時の学童祖開とは大きく異なり、政府の行き当りばったりの緊急対策的措置となっており、責任の所在と子どもへの愛情や期待は欠如しているとしか思えない。

過去最低の子どもの人口数だが、子どもは東北地方の復興や再興のキーマンに
避難生活や疎開にもめげずに元気にがんばろうとする子どもたちがおり、少なくとも東北地方の将来への展望に明かりをともしてくれており、子どもも大人も家族の絆の大切さを再認識したに違いない。
子どもが地域の復興や再興のキーマンになると再認識されたわけだが、一方で子供の人口は減り続け、日本の今年の子ども人口(15歳未満)は、前年より9万人少ない1693万人で、1982年から30年連続の減少で、比較可能な50年以降の統計で過去最少を更新した。
総人口に占める子供の割合で日本は世界最低水準の13.2%という最悪の数字となった。

 

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 第一回 少子高齢社会下の子どもと幼児・児童虐待


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