ハイライフ研究所メールマガジン 第49号

2010年6月25日配信  発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局

万歳! 万歳! やりました! やってくれました! ニッポン代表!

早朝までの日本VSデンマーク戦の観戦で燃え尽き症候群になっている皆様、お疲れ様です。寝ていない方がほとんどではないでしょうか。

疲労と寝不足が重なりへとへとでありますが、今日は給料日の法人様も多いでしょうから、今夕の盛り場はサッカーの話題でいっぱいになるのでは。サッカーファンでない方も今回は心の底からこみあげてくるものがあるかと思います。

テレビ中継のほうも、どうやらこの時間帯としては空前の視聴率を記録した模様。決勝トーナメント第1回戦のパラグアイとの対決も楽しみです!

さて今夜の大宴会の前にメールマガジンで情報チャージをいたしましょう。

まず大好評の連載シリーズ、伝説のマーケッター立澤芳男氏による「商業と都市生活(商業業態を通じて生活の変化を探る)」。

第2回目は「都市生活スタイルの変化と今どきの百貨店」。

崩れる黄金のトライアングル(街=百貨店=都市生活スタイル)を切り口に、現在から過去に遡りながらスタイルの変化を解説しています。不採算店舗の閉鎖が相次ぐなか、一部の百貨店では売り場の改装が積極的に行われています。百貨店はどこにいくのか。百貨店の成長と衰退をみた80年代から90年代。そして都市生活のライフスタイルをリードした明治~昭和の百貨店ものがたり。百貨店と都市生活との関わりの変化を分析します。

続いて動画配信セミナー、服部圭朗氏の「豊かな公共空間をつくる」。

今回は公共空間のデザイン&コンサルタントで世界的な第1人者であるヤン・ゲール元デンマーク王立大学教授へのインタビューをお送りします。

今回配信のインタビュー[前編]では、「公共空間の価値・意義」、「ライフスタイルと公共空間との関連」、「日本とヨーロッパの違い」をテーマにお話をお聞きします。

ハイライフ研究所の2009年度研究報告からは、「幼児における『片づけ』行動の研究 ―『育児』と『物と人と暮らし』研究のファーストステップとして―」を、研究報告書(PDF文書)とサマリー動画でご紹介します。

本研究は、本質的で原初的な人間行動や、場の力学が見やすい場として、幼児の保育施設に注目。幼児の「片づけ」行動の観察・調査やヒヤリングを行い、人間の「片づけ」行動の本質を探るものです。

「片づけがうまくいっている/うまくいかない」という現象を構成する環境要素とは何か。全国の幼児の保育施設6園を抽出し、丁寧なフィールド観察調査、ヒヤリング調査を行い、課題・仮説の発見を行いました。また、片づけがうまくいく空間、片づけがうまくできる人の評価を行うための暫定的な「片づけ指標」の作成も試みられています。

最後に、持続可能なスウェーデン協会日本代表のレーナ・リンダル氏の登場です。

今年4月22日に新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部の主催で開催されたシンポジウム「地球環境の変化と私たちの暮らし」から、「日本人とスウェーデン人の環境観」というテーマで、リンダル氏の講演を聴講いただきます。(HH)


<今号の内容>
1. 立澤芳男のハイライフデータファイル2010 「商業と都市生活」
2. 豊かな公共空間をつくる|第2回 ヤン・ゲール氏インタビュー [前編]
3. 平成21年度研究報告|幼児における「片づけ」行動の研究
4. 持続可能な社会への取組み|日本人とスウェーデン人の環境観
5. 告知|シンポジウムのご案内
6. 告知|出版物のおしらせ


1.立澤芳男のハイライフデータファイル2010
「商業と都市生活」-商業業態の現場を通じて生活の変化を探る!-

第2回 都市生活スタイルの変化と今どきの百貨店

定点観測で銀座、渋谷、新宿、池袋の百貨店やファッションビル、SCなどを歩き回っているが、変わり映えせず少しも面白くない。同質化してしまっており、顧客の動員状況もテレビ放映後数日過ぎるとスッカスカである。売り場は、食品売り場を除き死んだふりも同然で生彩を失っている。また、街を歩いても、幼稚園児的なスイート系や貧乏臭い身なりで、洗練された若い人にはとんとお目にかからない。週末の丸の内界隈で、何故か中高年婦人に凄く洗練された人を見かける程度だ。等身大感覚が蔓延して、けだるい格好、気力ない街ばかりが氾濫している。

そのような都市空間の中で、ユニクロ、H&M、フォエバー21と街には出店旋風が吹き荒れているが、一方、目立たないが、数ヶ月前から都心の大型百貨店では改装が相次いでいる。今更?と不思議であるが、不思議ゆえ興味は沸く。そんな店舗に飛び込む機会が多くなっている昨今である。

各地域で百貨店の再生を期して果敢に店舗の改装をしている。街の最も大きな建物としていまだに存在する百貨店が今懸命にもがいているわけだ。大きく変わる社会の変化や消費者の変化にどこまで付いてゆけるのか、或いはいかにしてかつての百貨店のように時代をリードしてゆけるのか、百貨店の廃業や改装は、今、最も注目される街の出来事である。その現場とその背景を追った。

「立澤芳男のハイライフデータファイル2010」は以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=3707


2.豊かな公共空間をつくる

第2回 ヤン・ゲール氏インタビュー [前編]

ヤン・ゲール氏

市民にとって本当に豊かな公共空間とは何かを考えるシリーズ。

第2回は公共空間のデザインとコンサルタントで著名なヤン・ゲール氏のインタビューをお送りします。ヤン・ゲール氏はヨーロッパで最初の歩行者空間であ る、コペンハーゲンのストロイエをデザインされた人物。現在はコンサルタントとして、ニューヨーク市における公共空間のデザインに携わっておられます。

今回のインタビューでは、レジャー時間の増大と公共空間に求められる質の変化など、現代都市が直面している問題の由来をわかりやすく整理してくださってい ます。

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=3689


3.財団法人ハイライフ研究所 平成21年度研究報告

幼児における「片づけ」行動の研究

-「育児」と「物と人と暮らし」研究のファーストステップとして-

研究報告PDF  
研究報告書(PDF形式)


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研究報告動画

<研究の動機>

本研究は、子ども環境学会正会員である辰巳渚と木村歩美の共同研究である。
辰巳は文筆と教育の仕事の実践者であり、「豊かな暮らしとはなにか」と「家庭・家事の意義とはなにか」をテーマに活動してきた。木村は小学校・幼稚園の教諭・保育園の職員を経験してきた実践者であり、同時に子どもの育ちを研究し続けてきた。
暮らしを形づくる「物」とその「物」と人との関係性への関心をもつ辰巳と、子どもが育つ環境としての保育園や幼稚園、そしてそこでの保育や遊びの質の保障について関心を持つ木村が、それぞれの関心において「片づけ」というテーマに出合い、その重要性に気づいたことから、本共同研究の企画がはじまった。
それぞれ大学に講師としての籍は置くが、学究の徒というよりは実践者である両者が、目の前にあるホットな研究領域として「片づけ」というテーマを発見したことの意味を、我々は大きいと自覚している。
以下、研究の目的について触れる前に、我々の動機について述べておきたい。

■研究報告書 構成

1章 研究概要
  1-1 研究の動機
  1-1-1 研究の動機(辰巳)
  1-1-2 研究の動機(木村)
  1-2 研究の目的と手法
  1-2-1 研究の目的
  1-2-2 研究の対象
  1-2-3 研究の手法
  1-2-4 研究体制
  1-3 研究の結果・結論
2章 フィールド調査報告
  2-1 調査園へのアンケート調査報告
  2-1-1 経営理念と片づけの現状
  2-1-2 調査園の片づけへの認識の整理
  2-2 各園の調査報告
  2-2-1 K保育園
  2-2-2 O保育園
  2-2-3 F保育園
  2-2-4 H保育園
  2-2-5 W保育園
  2-2-6 T幼稚園
3章 課題と仮説
  3-1 先行研究の整理と検討
  3-1-1 保育研究における先行研究
  3-1-2 幼児教育理論における片づけ論
  3-1-3 発達障害研究における片づけ論
  3-1-4 物と人との関係における研究
  3-1-5 辰巳による片づけ研究
  3-2 課題と仮説
  3-2-1 課題1「物的環境」の状態と、保育(生活)の質には相関があるのか
  3-2-2 課題2「片づけ」とはなにかの検討が必要である
  3-2-3 課題3 子どもの育ちと片づけの関係はどのようなものか
  3-2-4 課題4「片づけ指標」の試み
調査票案
物的環境
人的環境
総 合

■研究機関
財団法人ハイライフ研究所

■調査分析担当
辰巳 渚(文筆家、こども環境学会正会員、共立女子大学非常勤講師)
木村 歩美(篠原学園専門学校専任講師、こども環境学会理事、前白梅学園大学・和泉短期大学非常勤講師)

■研究幹事
仙洞田 伸一(財団法人 ハイライフ研究所 主任研究員)


4.持続可能な社会への取組み|日本人とスウェーデン人の環境観

 

日本人とスウェーデン人の環境観

近年、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨、砂漠化、海洋汚染など、次々と地球規模の環境変化が明らかになっています。この地球環境の変化は、その原因と なっている物質を大量生産・大量消費してきた私たち自身の生活に影響を及ぼしつつあります。私たちは、地球環境への「加害者」でもあり、その変化の「被害 者」でもあります。

本シンポジウムでは、いわゆる地球環境問題の発信源ともいえる私たちの生活や生活感に焦点を当て、環境問題の専門家から、地球環境の変化との関係について 講演していただきます。
(新潟青陵大学ホームページ シンポジウム「地球環境の変化と私たちの暮らし」 より

ホームページでは、当日の講演の模様を配信しています。

講話: スウェーデンと日本の環境観
持続可能なスウェーデン協会 日本代表 レーナ・リンダル(Lena Lindahl)

内容:
・スウェーデンの地球温暖化への取り組み
・環境、社会、経済のバランス
・環境法典
・再生可能な資源

開催日時:2010年4月22日(日曜日)
会場:新潟青陵大学・短期大学部
主催:新潟青陵大学・短期大学部
配信協力:財団法人ハイライフ研究所

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=3674


5. 告知|シンポジウムのご案内

 

7月17日(土)、新日本未来学会主催のシンポジウムが立教大学の池袋キャンパスで開催されます。

新日本未来学会シンポジウム
「持続可能なくらしとコミュニティの未来」

開催日時: 平成22年7月17日(土)13:15開始
会場: 立教大学 池袋キャンパス 5号館 5222教室
交通アクセス http://www.rikkyo.ac.jp/access/pmap/ikebukuro.html

主催:新日本未来学会
協力:HOSP!(持続可能なコミュニティを本気で作る大人たちの会)
   
未来ビレッジ体験塾実行委員会
後援:財団法人 未来工学研究所、財団法人 ハイライフ研究所

参 加 費: 無料 (資料実費1,000円)

<プログラム>
13:15~13:20
開会挨拶 公文 俊平 多摩大学情報社会学研究所 所長(未来学会会長)

13:20~15:00 プレゼンテーション

進行:和田 雄志 (財)未来工学研究所 理事(未来学会常任理事)

プレゼン1 「ミレニアムシティがめざすもの」
小野 加瑞輝 NPO法人ミレニアムシティ共同代表

プレゼン2 「100年コミュニティがめざすもの~那須での取り組み」
近山 恵子  社団法人コミュニティネットワーク協会 理事長

プレゼン3 「都市型の持続可能なコミュニティの挑戦」
鏑木 孝昭  HOSP! 事務局長(未来学会常任理事)

プレゼン4 「求められる住環境革命~住宅政策の転換はどこから」
上田 昌文 市民科学研究室 代表(未来学会常任理事)

15:15~17:00
パネルディスカッション 持続可能な未来の住まいと暮らし(仮題)

コーディネータ:長谷 川文雄 明治大学 教授(未来学会常任理事)

パネリスト:
小野 加瑞輝 NPO法人ミレニアムシティ共同代表
近山 恵子 社団法人コミュニティネットワーク協会 理事長
鏑木 孝昭 HOSP! 事務局長(未来学会常任理事)
上田 昌文 市民科学研究室 代表(未来学会常任理事)
古橋 道代 グローバル・エコビレッジ・ネットワーク日本大使

17:00~17:05
閉会挨拶 長谷川 洋作 (財)未来工学研究所 所長

《お申込み・お問合せ先》

メールアドレス mirai-sympo@iftech.or.jp

お申込み方法につきまして、詳しくはこちらのPDFをご覧ください。

 


6. 告知|出版物のおしらせ

 

熊本学園大学より出版された書籍をご案内します。

失敗の教訓を活かす~持続可能な水俣・芦北地域の再構築~

熊本学園大学 水俣学ブックレットNo8 
「失敗の教訓を活かす~持続可能な水俣・芦北地域の再構築~」

熊本学園大学の水俣学研究センターは、2005年4月、人類の『遺産』としての水俣病事件の全体像鮮明をベースに新たな学問分野とその方法論を開拓する、『水俣学』の推推進拠点として設立され、この5年間、水俣市浜町に同年8月に開設した水俣学現地研究センターを最大限に活用し、現場に根ざし全ての成果を地域に還元することを基本に、地域の方々と共に、研究と教育の両面から様々な活動を展開してきました。

本書は、これまでの取り組みを新たな5年間のプロジェクト(文部科学省・私立大学戦略的研究基盤形成支援事業)へと繋ぐべく、"水俣・芦北地域における地域再構築モデルの提案"を課題とする第2プロジェクトの中間報告としてまとめたものです。

書名:熊本学園大学 水俣学ブックレットNo8 
「失敗の教訓を活かす~持続可能な水俣・芦北地域の再構築~」

著者:宮北隆志(熊本学園大学水俣学現地研究センター長)
発行者:熊本日日新聞社
価格:762円(税別)

 


編集後記

今回のメールマガジンはいかがだったでしょうか。情報の充電はできましたか。
最後までメルマガにお付き合いいただきありがとうございました。

次回のメルマガ50号もご期待下さい。

さてお時間のある方はこの後すこしお付き合いください。

唐突ですが、最近読む機会のあった不朽の名作 "犬の十戒"(作者不明の文書)を是非ご紹介したくなり、(以前登場した犬のゴンチクンからのお願いもありますが)ここに掲載させていただきます。

空前のペットブームが続く中、すでに家族の一員として動物とお暮らしの方、これから動物を家族に迎えようとお考えの方に御覧いただければ幸いです。

(※動物に興味のない方には、ごめんなさい。) 

英文、日本文それぞれで、その思いを感じてください。

犬

The Ten Commandments(犬の十戒)

1.My life is likely to last ten to fifteen years.  
Any separation from you will painful for me.
Remember that before you buy me.

私の寿命は、10年。長ければ15年。
何があっても最後まで、あなたのそばにおいてもらえますか。
私を飼う前に、どうかそのことをよく考えてください。

2.Give me time to understand what you want of me.

あなたが私に望んでいることを、ちゃんと分かるようになるまで
少し時間をください。

3.Place your trust in me- it’s crucial to my Well-being.

私を信頼して下さい― それが何より嬉しいのです。

4.Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment.
You have your work your entertainment and your friends.
I have only you.

私のことをずっと叱り続けたり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。
あなたには仕事や楽しみもあるし、友達もいるけれど
私にはあなたしかいないのです。

5.Talk to me sometimes.
Even if I don’t understand your words,
I understand your voice when it’s speaking to me.

時には私に話しかけて下さい。
たとえ、あなたの話す言葉はわからなくても、
あなたの声を聞けば、私に何を言ってくれているのか、分かるのです。

6.Be aware that however you treat me, I’ll never forget it.

私のことをいつもどんな風に扱っているか、考えてみてください。
あなたがしてくれたことを、私は決して忘れません。

7.Remember before you hit me that l have teeth
that could easily crushthe bones of your hand
but that I choose not to bite you.

私を叩く前に思い出して下さい。
私には、あなたの手の骨など簡単に噛み砕ける歯があるけれど、
決してあなたを噛まないようにしているということを。

8.Before you scold me for being uncooperative obstinate or lazy,
ask yourself if something might be bothering me.
Perhaps I’m not getting the right food
or I’ve been out in the sun too long
or my heart is getting
old and weak.

言うことをきかないとか、手におえないとか、怠け者だと叱る前に
そうさせてしまった原因が無かったか、思い起こしてください。
ちゃんとした食事をさせてもらっていたでしょうか
太陽が照りつけている中に、長い間放っておかれたことはなかったでしょうか
老いた私の心臓が弱っているせいで、動けないのかもしれません。

9.Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.

私が年老いても、どうか世話をして下さい。
私達はお互いに、同じように歳をとるのです。

10.Go with me on difficult journeys.
Never say, "I can’t bear to watch it." or " Let it happen in my absence."
Everything is easier for me if you are there.
Remember I love you.

Author Unknown

最期のお別れの時には、どうか私のそばにいてください。
「つらくて見ていられない」とか「立ち会いたくない」とか
そんなこと、言わないでほしい。あなたがそばにいてくれるなら、
私は、どんなことも安らかに受け入れます。
そして、どうぞ忘れないで。私がいつまでも あなたを愛していることを。

作者不詳

(日本語訳 りんぽぽ&しゃおらん)

(HH)


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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