ハイライフ研究所メールマガジン 第39号

2010年1月29日配信  発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局

寒さ厳しいなかにも、春遠からじという風を感じるようになりました。みなさま春への準備はいかがですか。

さて、本号(2010年1月29日発行)のメルマガの見どころ、読みどころをご案内します。

伝説のマーケッター、立澤芳男氏がシリーズで日本社会を分析する「生活・社会総括レポート」。今回は、「日本の地域格差」がテーマです。格差が複合化・拡大した平成の20年間を素早く理解することができます。

ハイライフ過年度研究では、2008年度の研究「地域イノベーションの研究~少子高齢化社会の行方その2」をご紹介します。
日本の地域再生に向けた研究を、EUの代表的な事例をもとに、エネルギー、観光、ウエルネスの観点から研究しています。

また、動画セミナーでは、昨年11月末、スウェーデン大使館オーディトリアムにおいて開催された、持続可能なスウエーデン協会主催のセミナー「スウェーデンブックセミナー~
知識ある食生活からはじまるサステイナビリティ~」の模様をご覧いただきます。
セミナーではEU諸国で大変話題になった、イザベラ・ロビーン女史(スウェーデンの国会議員)の著作『沈黙の海』(新評論出版)について、日本語訳者の佐藤吉宗氏が講演されています。
ヨーロッパの海はいまどうなっているのか。
驚きの内容です。
さらに、在日経験の長いスウェーデン人、マーティン・フリッド(Martin
Frid)氏が、近書『ニッポン食の安全ランキング』(講談社出版)について講演。
スウェーデンの食に関する「予防思想」を、日本の食品評価にも適用するとどうなるか、という興味深い内容です。

特別配信では、前回のメルマガに続き、昨年11月22日に千葉県柏の葉において、さわやかちば県民プラザと千葉大学カレッジリンクの共催で行われたシンポジウム「いのちと向き合う生涯学習」から、パネルディスカッションの模様をご紹介します。(HH)


<今号の内容>

1. 立澤芳男の「High-Life 生活・社会総括レポート21」
2. スウェーデンブックセミナー 知識ある食生活からはじまるサステイナビリティ
3. カレッジリンク・シンポジウム「“いのち”と向き合う生涯学習」
4. 地域イノベーションの研究 ―少子高齢化社会における地方社会の行方研究 その2―(2008年研究)
5. (告知) 第19回ハイライフセミナー「都市の水辺に暮らす」
6. (告知) 第18回ハイライフセミナー「食生活力が高齢者の生活を変える」



1.立澤芳男のHigh-Life 生活・社会総括レポート21

第9回 日本の地域(人口、産業)

地域格差が複合化・拡大化した平成の20年間

日本の年間出生数は1973年以降減少傾向が続いていて、現在は当時の約半数にまで減っている。出生率(合計特殊出生率)でみても、当時最も高かった昭和46(1971)年の2.16から、平成20(2008)年には4割減の1.37になっている。長期的に人口を維持できる水準の2.07よりかなり低い。この少子化の進行などにより、今日の日本の総人口は減少し、また人口高齢化も急激に進行している。
総人口の減少、労働人口の減少、とりわけ若い労働力の縮小と消費市場の縮小は、経済成長に負の影響を与え、また、人口の高齢化は年金、医療、介護などの社会保障費を増大させ、国民の負担は重くなっている。経済や生活は人口だけで決まるものではないが、負の影響を阻止するための工夫を国、自治体、企業をはじめ国民全体が協力して築いて行けるかどうかが現在の日本の重要課題となっている。
厚生労働省の人口動態統計(速報値)によると平成20(2008)年の年間推計の出生数は112万3455人に対し高齢化によって死亡数は戦後最高の115万3266人に達しており、「多死少産」社会の段階に足を踏み入れた。
このような日本の人口構造の変化は日本全域に拡大しているのか、また、その構造変化が、疲弊する今日の地域の経済や財政にどのような影を落としているのか、日本全国各地の人口動向、地域経済とその活動、財政などを比較しながら、平成の20年間という長期スパンの視点で、そこに見られる地域格差の有無など地域の変動や変化を追う。

「立澤芳男のHigh-Life 生活・社会総括レポート21」は以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=3006


2.スウェーデンブックセミナー 知識ある食生活からはじまるサステイナビリティ

2009年11月30日、スウェーデン大使館オーディトリアムで行われた「スウェーデンブックセミナー 知識ある食生活からはじまるサステイナビリティ」の模様を配信。

講師画像

[セミナーのご案内より]
今年7月1日から12月31日まで、スウェーデンはEU理事会議長国を務めています。スウェーデンは国民投票をおこない、1995年、EUに加盟しました。以来、スウェーデンの環境保護政策はEUと関わりの深い分野になってきています。様々な環境問題を解決するために市民一人一人が高い意識をもって行動し、世論を形成するかたちで個々の問題を政治の舞台に乗せていく必要があります。今回は市民生活に近いテーマ、漁業と食品の問題を取り上げた2冊の本を紹介します。

スウェーデンブックセミナー 知識ある食生活からはじまるサステイナビリティ
主催 :持続可能なスウェーデン協会(Sustainable Sweden Association)
協力 :スウェーデン大使館
撮影・配信協力:財団法人ハイライフ研究所

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=2972


3. カレッジリンク・シンポジウム
「“いのち”と向き合う生涯学習」 ディスカッション

平成21年12月13日に、さわやかちば県民プラザホール(千葉県柏市)で行われたカレッジリンク・シンポジウム「“いのち”と向き合う生涯学習」から、前回に続き、ディスカッションの模様を配信。

part1_comment.jpg

当日のパンフレットより
~あなたは豊かに生きていますか?~

今や私達は“いのち”をコントロールするという傲慢さを捨て、どんな“いのち”にもやさしく寄り添いながら、ともに生きていく時代を迎えています。
「どのようにしたら人生を豊かに過ごすことができるのか?」
この生涯にわたる大きなテーマについて、公開シンポジウムで、ともに考えてみませんか?

●パネリスト
松田 義幸 尚美学園大学学長
古在 豊樹 千葉大学前学長
平山 満紀 江戸川大学准教授
奥村 準子 筑波大学附属坂戸高等学校教諭

●コーディネーター
徳山 郁夫 千葉大学教授

●主催さわやかちば県民プラザ

●共催千葉大学

●後援柏市

●協賛三井不動産(株)

●映像編集・配信協力財団法人ハイライフ研究所

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=2899


4.地域イノベーションの研究 ―少子高齢化社会における地方社会の行方研究 その2―(2008)

目次
総括報告
第1章 日本における地域イノベーションの方向と課題
第2章 EUにおける地域イノベーション戦略と 産業クラスターの動向
第3章 日本における再生可能エネルギー産業の振興に向けて
第4章 観光イノベーション-アルプス地域を事例として
第5章 ウェルネスと持続可能な開発
第6章 「ウェルネス観光クラスター」の形成に向けて、日欧の比較から

研究体制
中田裕久 財団法人山梨総合研究所
小田輝夫 財団法人ハイライフ研究所(客員)
竹内良一 NPO 法人 循環型社会推進センター
仙洞田伸一 財団法人ハイライフ研究所

研究協力
植田理彦 民活推進機構
孫田 猛 飯島総研株式会社
古川彰洋 ヘルスツーリズム研究所
中沢康治 中沢ヴィッレジ
長井英二 草津町観光創造課
大場敏宣 いわき湯本温泉旅館組合
坂本征夫 常磐興産株式会社
小林裕明 いわき商工会議所
石橋喜孝 クリーンコールパワー研究所株式会社
モラス雅輝 チロル州政府観光局 日本デスク
ファゼールみはる(通訳)
杉山武史 ヴァッレ・ダオスタ州政府観光局
杉山イクコ (通訳)

(敬称略・肩書は当時のもの)

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=716#02


5. (開催告知) 第19回ハイライフセミナーのご案内

~21世紀の却市型ライフスタイルを考える~
「都市の水辺に暮らす」
その未来への展望

古代の昔から、水辺は多くの生物の生命を育み、人間も水辺を様々な形で利用するとともに、住環境どしての文明が発達し、心を癒されてもきた。未だに物流の中心は船であり、港は重要な意味を持っているが、実は船の大型化により、大型船の停留できない港は影を潜め、多くの土地が有効活用されないままになっている。
また都市部から近いエリアでの埋立地域も広がってきている。そして日本は、世界でも有数の海岸線の長さ(35000km)を有する海洋国。

国土の狭い日本にとって、この海岸地域は、21世紀の住環境を考える上で、最も重要な空間だといえるだろう。

そこで、現代のライフスタイルに合致した、ウォ―タフロントにおける住環境開発に取り組んでいる世界各国の実例や研究を基に、グローバルな視点で考える国際シンポジウムを企画し、21世紀の住環境について考える。

本シシポジウムは、総合監修をウォ―タ―フロントという用語を日本で広めたウォ―タフロント研究の第―人者、日木大学・横内憲久教授にお願いし、海外からお招きした専門家による基調講演に続いて、国内の研究者、文化人も加わり、忌揮の無い意見を交わし、現在開発申の有明を例にパネルディスカッションを行う。
また、世界の先進事例に関する学習と総合的な討論を逼じて、よりよい未来への展望を模索する。

日時
2010年2月21日(日) 13:00~15:00

会場
東京国際交流館

司会進行
室山哲也(NHK解説委員)

主催
財団法人ハイライフ研究所

企画・監修
日本大学工学部
横内憲久教授

スケジュール

開会挨拶
財団法人ハイライフ研究所 理事長
中田 安則

基調講演
<アムステルダム・ウォーターフロント計画をとおして水辺の都市づくりについて語る>

アムステルダム市アイ湾岸開発プロジェクトマネージャー/オランダ
ケース・ファン・ラウフン

<新たな都市機能を担う日本のウォーターフロントの現状と展望について>
日本大学工学部
横内憲久教授

パネルディスカッション

講師陣

日本大学工学部
横内憲久教授

アムステルダム市アイ湾岸開発プロジェクトマネージャー/オランダ
ケース・ファン・ラウフン

法政大学工学部
陣内秀信教授

女優・画家
城戸真亜子

閉会挨拶
日本大学工学部
横内憲久教授

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/symposium_waterfront/


6. (開催告知) 第18回ハイライフセミナーのご案内

食生活力が高齢者の生活を変える
~食の健康と世代別食育アプローチに関する研究~

(財)ハイライフ研究所では、生活者のよりよい生活の実現をバックアップすべく、これまで食生活に関し、「食のライフスタイル」研究から、食育への注目を受け、食育の視点から家庭の食卓におけるコミュニケーションの有り様を考える研究、そして家庭の食育を支援する生活的サポートに関する研究等を行ってきました。

現在はこれらによって得られた知見を活用し、健全な食生活構築を実生活の場で支援する、より具体的な研究として、『食の健康と世代別食育アプローチに関する研究』を推進しております。

食育の推進を計るうえでは、各々課題が違う世代別に対応を計る事が重要であり、昨年行った幼児・児童を持つ家庭に的を絞った研究に続き、今年度は高齢者にスポットをあてた研究を行っております。

今セミナーにおきましては、研究成果を踏まえ高齢者世帯を対象にした調査結果をご報告すると同時に、その結果を踏まえた食育支援展開の有り方を考えてみたいと思います。

日時
2010年2月17日(水) 開場13:30、開始14:00~16:30

会場
ホテルヴィラフォンテーヌ汐留 1階会議室 東京都港区東新橋1-9-2

主催
財団法人ハイライフ研究所

協賛
社団法人日本セルフ・サービス協会
株式会社読売広告社

スケジュール

開会挨拶
【高齢者における食育アプローチの視点と本旨―食生活力】

財団法人ハイライフ研究所 専務理事
高津 春樹

第Ⅰ部 調査結果報告
【食生活力から見た高齢者の食生活意識と実像】

株式会社行動科学研究所 代表取締役
丹野 俊明

第Ⅱ部 調査結果を踏まえて見えてきたこと
【高齢者の食生活力を高めるアプローチの方向性】

高千穂大学理事・大学院教授
新津 重幸

【質疑応答】

閉会

詳しくは以下のPDFファイルをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/hls/hls18.pdf


編集後記

皆様、メルマガ本号(第39号)は皆様の情報源になったでしょうか。
次回(40号)は、2008年度研究の「コンテンツが形成するライフスタイル」をご紹介します。
日本の輸出産業の今後を担うコンテンツ、それが我々の生活にどんな関わり持つかを考えます。
また動画セミナーでは、昨年安城市で行われた「環境首都コンテスト
全国フォーラム」の模様を、自治体の環境先進事例を中心にご覧いただきます。
さらにトピックでは、強力な実行力を示し活動している持続可能な大人のグループ「HOSP」の活動をご紹介いたします。
どうぞご期待ください。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ハイライフ研究所のメールマガジンHigh-Life DATA FILEに関するご意見・ご感想は、info@hilife.or.jp までどうぞ!


編集/発行 財団法人ハイライフ研究所
〒104-0031 東京都中央区京橋3丁目6番12号正栄ビル5階
FAX: 03-3563-7987
E-mail: info@hilife.or.jp

ご意見・ご感想がございましたら、
お問い合わせページまたはinfo@hilife.or.jpよりお知らせください。
ハイライフ研究所のメールマガジン
公益財団法人ハイライフ研究所のウェブページにアクセスくださりありがとうございます。
ハイライフ研究所では新しい報告書や連載記事、無料セミナーのご案内をメールマガジンにて配信しております。ぜひ購読をご検討ください。無料お申し込みはこちらから。