立澤芳男の生活・社会総括レポート

第8回 ヒット商品の変遷

好況・不況を繰り返した平成の20年間~ヒット商品は時代を語る~

毎年12月になるとその年の流行語大賞やヒット商品番付が発表される。今年(平成21年)の流行語のトップは「政権交代」だったが、一方ヒット商品は日経MJ紙によると、横綱はハイブリッド車などの「エコカー」とファーストリテイリングの990円商品に代表される「激安ジーンズ」ということだ。このヒット商品番付は、日経MJ(旧日経流通新聞)が創刊された昭和46年(1971年)から毎年発表され、実にその歴史は約40年に及ぶ。
ヒット商品の歴史をみると、そのヒットの背景には、必ずその時代の景気動向、世代のうねり、さらに時代の生産や流通、技術との強い相関を見ることができる。平成時代のヒット商品は「小粒で軽い」という商品特性があるがIT関連を除くと、昭和時代のヒット商品の最大のキーワードであった「生活革命」に結びつく商品は出てきていない。
日本の経済活動や人口パワーが減少しはじめてからかれこれ20年経過した今、メーカーも流通業者もデフレ慣れした消費者もみな何かを求めはじめており、しかも日本国内ではなくで世界的なヒット商品づくりを意識しはじめた。
今回のレポートでは、昭和25年から約半世紀たった平成21年までのヒット商品の変遷を追いながらそのヒットする時代背景(経済状況、生活レベルなど)を分析した。
世界的ヒット商品を狙うにしても重要なことは、今までのヒット商品がどのような社会的ニーズに立脚していたのかを理解しておかなければならない。大ヒットであれ小であれ、ヒット商品は時代の証人なのである。

 立澤芳男のHigh-Life 生活・社会総括レポート21 第8号

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