ハイライフ研究所メールマガジン 第21号

2009年4月24日配信  発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局

都内でも定額給付金の配布がスタートしました。

給付金の目的は、「住民への生活支援」と「地域の経済対策」(総務省)。
旅行をはじめとした様々な「定額給付金プラン」が提案がされているなか、地方自治体や、80近くのNPO団体が協力して行う「定額給付金基金」など、社会に役立てるための寄付を求める動きもあります。

消費の底上げに微力ながら貢献しようか、日本にまだ根付いていない寄付文化に参加してみようか。いずれにしても賛否両論ある定額給付金をポジティブに、意識して、使いこなしたいと思います。(Schneehase)


<今号の内容>

1. 伝説のマーケッター立澤芳男の「High-Life 生活・社会総括レポート21」
2. 第17回ハイライフセミナー 環境首都コンテスト 地域から日本を変える7つの提案
3. こんなハイライフあんなハイライフ 新シリーズのおしらせ
4. 都市の価値をはかる(2006年度研究)

5. 新刊書のおしらせ 『環境首都コンテスト 地域から日本を変える7つの提案』




日本は、戦後間もなく世界の奇跡といわれた高成長経済を達成しましたが、半世紀を経てマイナスの経済成長社会に突入してしまいました。

昨年(08年)末から、本当はよくわからないのですが「100年に一度の未曾有の危機」に遭遇したようで、日本の経済は、08年度は経済成長率はマイナス2.1%となり、09年度もマイナス4%が予測され、経済低迷は10年度まで続くという最悪の事態となってしまいました。

そのことと呼応するかのように、日本の人口社会は死亡者が出生人口を上回り、08年度も人口がマイナスとなる人口減少社会に突入しました。

しかし、経済も人口もがマイナスの社会に一気に陥没したわけではありません。別表にあるとおり、今日のマイナス経済社会に至るまで、半世紀の間に三ステップ(段階)の成長過程を踏んできました。今日の日本社会は第Ⅳステップに突入したということです。

少なくとも20世紀に生きた日本人にとって、第一次や第二次世界大戦という異常な社会の時期を除いては、「経済」も「人口」もマイナスになるのははじめての出来事です。

この第Ⅳステップの経済成長率マイナスの社会が、どのような社会になるのか、どのような変化がどのような社会分野で顕われるのか、あるいはその社会でどう人は生きてゆくのか、それを予測し、想像することは至難の業です。しかし、何とかしてこの日本の未来社会をイメージしておかなければなりません。少なくとも、日本の未来社会をイメージできるその「取っ掛かり」くらいはつけておきたいものです。

その「取っ掛かり」を見つける方法として、いまさら戦後約40年前の、第Ⅰステップの高成長期の日本の社会と比較したり、フォーカスしたところでろくなものしか出てこないような気がします。決して歴史を無視すると言うことではありませんが、高成長期の日本と切り離して現代の日本の社会を見る必要があります。

「立澤芳男のHigh-Life 生活・社会総括レポート21」は以下のURLをご覧ください。

2. /?p=2034″>

地域から日本を変える7つの提案
発表:環境首都コンテスト全国ネットワーク・NPO法人環境市民代表理事 杦本 育生氏 

持続可能な社会を地域からつくる 
発表:京都大学大学院経済研究科・地球環境学教授 植田 和弘氏

私たちの社会はどのような改革が必要なのか
対談:
京都府立大学准教授 工学博士 宗田 好史氏
環境首都コンテスト全国ネットワーク・NPO法人環境市民代表理事 杦本 育生氏

農村力を生かした環境のまちづくり
発表:福井県池田町総務政策課政策チーム参事 溝口 淳氏

職員力アップ/全庁的改革改善運動がもたらしたもの
発表:兵庫県尼崎市企画財政局行政経営推進室調整課書記 江上 昇氏

詳しくは以下のURLをご覧ください。

3. こんなハイライフあんなハイライフ 新シリーズのおしらせ

新トーク番組「写真家・富山治夫 世界の旅」 5月から配信

40年以上にわたって世界を撮り続けてきた写真家・富山治夫氏が振り返る「旅と人生」。

作曲家・団伊玖磨氏と訪ねたアメリカの旅や、森本哲郎氏とサハラを彷徨ったアフリカの旅など、1960-70年代、当時まだ海外へ旅行する日本人が珍しかった時代の旅の事情を織り交ぜたエピソードが聞きどころです。

いまや手軽となった海外旅行。燃料サーチャージも下がり、今年の大型連休は前年比10.1%増の50万人が海外へ旅立つとか。
経済危機の真っただ中といいながら、現代の日本人にとって、海外旅行はライフスタイルの一部分として定着したようです。

それにしても、いまさらながらに旅の本質とは何なのでしょう。
旅を通してよりよい人生や暮らしを考える、そんな番組をめざしています。

来月からシリーズでお届けしてまいります。
どうぞご期待ください。


4. 都市の価値をはかる(2006年度研究)

第1章 研究概要
1-1 研究の背景
1-2 研究の目的
1-3 研究の方法
1-3-1 フィールドサーベイの有効性
1-3-2 調査エリアの選定

1-3-3 調査の視点
1-4 研究体制

第2章 フィールドサーベイ
2-1 表参道
2-1-1 表参道の歴史

2-1-2 調査報告
2-1-3 表参道のまとめ

2-2 秋葉原
2-2-1 秋葉原の歴史
2-2-2 調査報告

2-2-3 秋葉原のまとめ

2-3 谷中
2-3-1 谷中の歴史
2-3-2 調査報告
2-3-3 谷中のまとめ

2-4 渋谷
2-4-1 渋谷の歴史
2-4-2 調査報告
2-4-3 渋谷のまとめ

第3章 調査結果の分析

3-1 本章の目的と構成
3-2 各視点からのまとめ
3-2-1 都市の景観価値
3-2-2 人=生活者の視点から都市を評価する
3-2-3 まちの分かりやすさと複雑さ
3-2-4 商業から見た魅力

3-3 街を語るキーワードの抽出と整理
3-4 街の魅力を構成する要因
3-5 分析のまとめ

第4章 まとめ
4-1 本年度のまとめ

4-2 来年度への課題

付録
A.研究者のプロフィール
B.街のデータ(人口、地価、商業統計など)

研究体制:
大野隆造 東京工業大学大学院総合理工学研究科教授
川上正倫 ワン・オー・ワンデザイン共同主宰/東京工業大学大学院総合理工学研究科特別研究員
辰己 渚 マーケティングプランナー
添田昌志 LLP人間環境デザイン研究所チーフリサーチャー
石垣 勤 有限会社ケンズデザインアソシエイツ代表/商空間デザイナー

財団法人ハイライフ研究所

(敬称略・肩書は当時のもの)

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/pdf/cnt.php?url=200602


5. 新刊書のおしらせ

環境首都コンテスト
地域から日本を変える7つの提案

環境首都コンテスト

書籍名 『環境首都コンテスト 地域から日本を変える7つの提案』
出版社 学芸出版社 

価格 2,200円+消費税

本書は2001年から実施されている「環境首都コンテスト」の活動を通じて蓄積された、持続可能な地域社会づくりを実践している自治体の先進事例をもとに、「持続可能な社会をつくる7つの提案」をまとめたもの。

※環境首都コンテストについて詳しくは
http://www.kankyoshimin.org/jp/mission/ecocity/ecocap/index.html

持続可能な社会をつくる7つのポイント

1 人を活かす、創る
2 地域の将来像を描く
3 戦略的に事業を組み立てる
4 環境、経済、社会を合わせる
5 パートナーシップを深める
6 行政を統合化する

7 率先例をつくりだす

詳細については、是非書店でお求めいただき「地域から持続可能な社会づくり」のテキストとしてお使いいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。


編集後記

日米欧、主要メーカーの期待を集める上海モーターショー

先週のメルマガ巻末コラムでは、ニューヨーク・モーターショーについて書いたが、今週は、お隣中国で開催中の「上海モーターショー」の話題をご紹介する。

2年に1度の上海モーターショーには、今回25カ国・地域から部品メーカーも含め約1,500社が参加。ダイハツや伊フィアットなど一部メーカーを除き、米ビッグスリー(3大自動車メーカー)を含む日米欧の大手各社が顔をそろえた。今年1-3月に米国を抜いて世界一の新車販売市場に躍り出た中国市場への熱い視線がうかがえる。

総展示面積も前回比2割増で過去最大。出展企業の半減により大幅な規模縮小を迫られる見通しとなっている今秋の東京モーターショーとは対照的だ。

さてそれでは上海モーターショーのポイントをご紹介する。

まずは御膝元の中国メーカーの動向。中国メーカーは第一汽車や上海汽車など六大自動車集団が初めて上海に集結。今回のショーのテーマは「環境」ということもあり、上海汽車や東風汽車は海外勢と提携しない独自ブランドの商品性を強くアピールしたほか、電気自動車なども出展、高い技術力も訴えた。

ところが、今回発表した自動車デザインがまたも他社の自動車デザインのコピーではないかとの疑惑がでている。知的権利に対する意識に疑問符がついた状態だ。是非新しいコンセプトのもと、デザイン文化の発展を期待したい。

一方、トヨタが今回発表した新型クラウンは、中国の道路状況や運転習慣を細かく分析し、乗り心地や安全性能を向上させるなど、中国ユーザーのニーズを徹底的に追求した仕上がりになっているそうだ。 トヨタは、2005年に海外では初めて、中国でのプリウスの生産を開始した。レクサスブランドでもLS、GS、RXのハイブリッドモデルを既に中国市場に導入している。トヨタは、ハイブリッドシステムを「排出ガスのクリーン化」「CO2低減」「燃費向上」の全てに貢献できるコア技術と位置づけており、今後もハイブリッド車の更なる普及に向けた取組みを進めていく。

また、ホンダは、中国における四輪生産販売合弁会社である広州本田汽車有限公司(広州ホンダ)、東風本田汽車有限公司(東風ホンダ)とともに、「環境」をテーマに出展。

日産自動車は中国で販売する車種など14車種を出展。コンセプトカーでは、中国初披露となる電気自動車「ニューヴ」を展示した。

スズキは、新型「アルト」を出展。世界戦略車の第5弾と位置付ける。新型アルトは、スズキの小型車開発技術を生かし、環境性能、経済性、デザイン、居住性、走行性能のバランスを重視した新コンセプトを採用する。

欧州メーカーの見どころはポルシェ。

ポルシェは『パナメーラ』を正式発表した。ポルシェ初の4ドア、4シーターのグランツーリスモは、ドイツの9月を皮切りに、全世界でリリースされる。新型パナメーラは、『911』『ボクスター/ケイマン』『カイエン』に続く、ポルシェ第4の車種ラインナップとして開発。ポルシェならではのスポーツ性能を、ハイレベルなラグジュアリー性や快適性とともに実現した。

また、フォルクスワーゲンは新型『パサートLingyu』を発表した。中国専用のミッドサイズセダンで、中国の役人や富裕層に高い人気を誇るモデルである。ホイールベースは2803mmと欧州仕様の『パサート』よりも約90mm長く、これが広い室内空間を生んでいる。とくに中国の顧客が重視するリアシートの快適性に関しても、新型は万全の気配りを施しているという。

最後になるが2009年の中国自動車販売台数の見通しは、政府が打ち出す各種景気対策に左右される面もあるが、10%前後の伸びになるというのがアナリストの予想コンセンサス。

欧州を拠点とする自動車アナリストのグレイム・マクストン氏は「(中国は)現在、世界で唯一の健全かつ大きな自動車市場だ。ほかの場所はすべて崩壊している。成長できる場所は中国しかない」と指摘。ただし同氏は、自動車メーカー間の競争激化も同時に意味すると付け加えた。(以上、各ニュースより)

参考サイト:
ロイター 「上海モーターショー、中国メーカーは高級車市場進出を狙う」
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnJS844057320090420

時事ドットコム 「世界最大市場に熱い視線=上海モーターショーが報道公開-中国」
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009042000551

レスポンス 「【上海モーターショー09】コピー写真蔵…もはや中国の定番?」
http://response.jp/issue/2009/0420/article123550_1.html


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ハイライフ研究所のメールマガジンHigh-Life DATA FILEに関するご意見・ご感想は、info@hilife.or.jp までどうぞ!

メールマガジンの購読解除はこちらからどうぞ。
※下記リンクをクリックした時点で購読解除の手続きが完了します。誤って解除されないようご注意ください。。

編集/発行 財団法人ハイライフ研究所
〒104-0031 東京都中央区京橋3丁目6番12号正栄ビル5階
FAX: 03-3563-7987
E-mail: info@hilife.or.jp

ハイライフ研究所のメールマガジン
公益財団法人ハイライフ研究所のウェブページにアクセスくださりありがとうございます。
ハイライフ研究所では新しい報告書や連載記事、無料セミナーのご案内をメールマガジンにて配信しております。ぜひ購読をご検討ください。無料お申し込みはこちらから。