財団法人ハイライフ研究所メールマガジン

ハイライフ研究所メールマガジン 第233号

2018年3月14日配信  発行責任 公益財団法人ハイライフ研究所 事務局


<今号の内容>

1.【研究報告】近未来消費研究報告書 PHASE1
2.【連載】 第十回それ行け!「お楽しみ」はこれからだ。|次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動
3.【データベース】 都市の鍼治療 No.136~No.140


 

1.【研究報告】近未来消費研究報告書 PHASE1

高齢化と人口減に伴う、消費行動変化の研究
~消費者と小売業の未来~

 

■研究テーマ
人口減少・高齢化が進む現在、消費スタイルの変化が、流通のあり方をも変化させており、また新たな消費スタイルも生まれている。その実態を研究することは、当財団の事業理念である「都市生活者のよりよい生活の実現への貢献」に基づいた将来の生活者研究という試みのみならず、流通やメーカー、生産者に対しても新たな示唆を提供することにも繋がる重要な取り組みであると考えています。

近未来ということにおいては、人口の減少や高齢化などの影響を強く受けることとなるのは言うまでもなく、量的にも質的にも消費と密接な関係にある。高齢者世帯と単身世帯の増加は、社会的問題としてフォーカスされることが多いことはご存知の通りであるが、近未来消費においても大きなテーマとなる。日本の世帯数の伸びと、その中での高齢者(65歳以上)のいる世帯の伸びをみると、「平成28年版高齢社会白書(出所:内閣府)」によると、世帯数は人口減社会ではありながら増えており、超高齢社会を受けて、65歳以上の人がいる世帯の割合は1980年データと比較して約2倍の46.7%と半分に迫る勢いである。世帯数が増加し、高齢者のいる世帯の比率が急激に増えている。

また、65歳以上の人がいる世帯における家族構成の割合の推移をみると、1980年では「三世代世帯」が約半分を占めているが、2014年においては13.2%と激減しており、対して「単独世帯」が2.5倍の25.3%に、夫婦のみの世帯も約2倍の30.7%に増加しており、この2つの世帯で過半数を超えている。この様に世帯構成の急激な変化が起きており、特に高齢の単身者が急激に増加している現状が見受けられる。

この様な人口動態や世帯の変化に伴い、消費者と流通は相互に影響を与え合いながら、急速なスピードで変化し続けている。消費者は新たな消費体験に喜びを覚える一方、流通は生き残りをかけて消費者対応に取り組むと同時に、新たな消費スタイルの創造という使命のもと、消費者を牽引することにも力を注いでいる。またメーカーや生産者といった重要なプレイヤーの動きも多岐に亘り変化に富んでいることは言うまでもない。

2016年度の研究においては、現状の消費実態とそれと密接に関係する流通の実態を明確化し、近未来の消費がどういった問題を抱え、課題に直面しているかということの探究から始めた。そのための消費行動としてフォーカスする領域を『食品』とした。その理由は、このジャンルが最も日常的であり万人に共通した身近な領域だからである。また、“ハイライフ”とは豊かな生活の追求を意味しており、食生活やその消費行動においての豊かさも大切なことと考えているからである。

■<PHASE1> 2016年度の研究体制
◆研究幹事
藤原 豊
(公益財団法人ハイライフ研究所 執行理事専務理事)

◆研究リーダー
杉本 浩二
(公益財団法人ハイライフ研究所 上席研究員)

◆研究メンバー
櫻井 隆治
(公益財団法人ハイライフ研究所 代表理事 副理事長)
谷口 明美
(公益財団法人ハイライフ研究所 研究員)

◆研究協力
寺本 高
(横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 准教授)
森 義博
(一財実務教育研究所認定 データ解析士)
公益財団法人 流通経済研究所
マイボイスコム株式会社

■報告書
 <目次>
第1部 研究概要
1. 研究背景
2. 研究テーマ
3. 研究とプロセス
4. 研究体制

第2部 食品購買行動と食生活の実態把握
1. 「都市生活者意識調査2016」の結果から
2. 「次世代高齢者調査」の結果から
3. まとめ

第3部 食生活の実態~食卓写真調査~
1. 食卓写真調査の概要
2. 食卓写真調査結果《5つのグループの紹介》
3. 食等に関する意識調査の回答結果
4. 食卓写真調査のまとめ

第4部 小売業に関する研究
1. 本研究のねらい
2. スーパーマーケットに対するイメージ
3. スーパーマーケットと利用顧客のライフスタイル
4. 流通における販売状況
5. スーパーマーケットと取引先メーカーの協同活動
6.本研究のまとめと今後の研究課題

第5部全体総括 2016年度研究のポイント

 

■2016年度研究報告
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13956

 


2.【連載】 次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第十回それ行け!「お楽しみ」はこれからだ。

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第十回それ行け!「お楽しみ」はこれからだ。

◇◆調査対象・言葉の定義◆◇
次世代シニア(51歳から60歳)現在形シニア(66歳から75歳)

■家族の団欒、親しい友人との交際。「楽しみ」は人にあり。
次世代シニアは仕事、現在形シニアは身近なことに楽しみを見出す。

■「親しい友人や仲間との交際」は女性のほうが活発に楽しんでいる。
次世代シニア男性には「ひとりの時間を好きな場所で過ごす」願望。

■次世代・男性
=人生後半戦へ向けて「続く楽しみ」の発掘と再編。
次世代・女性
=人生後半戦の楽しみを確立、さらなる広げに意欲。

■現在形・男性
=仕事離れ・家族離れで、外界の眺めを楽しむスタイル模索。
現在形・女性
=家族減、体力減の中で、その先の人生を思い描く。

■人生に効く楽しみ。
学びがあり、飽きずに続けられ、人とのつながりが芽生える楽しみ。

連載第十回は次世代高齢者調査結果より「楽しみ」についてご報告いたします。今回はハイライフ研究所刊「次世代高齢者研究報告書~変化し続ける高齢者意識の研究・世代や年代の差異がもたらすもの~」の内容の一部を再掲しつつ調査結果について私見を交えながらご報告いたします。では早速、現在形シニア(66歳~75歳)と次世代シニア(51歳~60歳)の「楽しみの世界」へご案内いたしましょう!

執筆者:主任研究員 福與宜治

第十回レポート全文は以下のリンク先からご覧いただけます。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=14123#pdf

□次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=163

 


3.【データベース】 都市の鍼治療 No.136~No.140

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン136 プロムナード・プランテ(Promenade Plantée)
136 プロムナード・プランテ(Promenade Plantée)

プロムナード・プランテ、別名クーレ・ヴェルトはパリの12区にある4.9キロメートルに及ぶ世界で最初に高架橋につくられた直線上の回廊公園である。一度、このプロムナード・プランテに上ると自動車をまったく意識せずに、パリの空中散歩を楽しむことができる。プロムナード・プランテは一切、商業的活動がされておらず、カフェも花屋もニューススタンドもない。歩行者が散策するという機能に特化したこの公共空間の気持ちよさは格別である。

鍼アイコン137 チェスターの城壁(Chester Wall)
137 チェスターの城壁(Chester Wall)

チェスターの壁は、イギリスの西部にあるチェスター市の旧市街地を囲むようにつくられた3キロメートルに及ぶ城壁である。現在では、その上を歩くことができ、ちょっとした空中散歩を楽しむことができる。この壁の歴史は古く、そもそもは西暦70年、80年にローマ人によって築かれた。歴史的土木構造物であり、その維持管理は難しい点があるが、チェスター市のまさに象徴的な存在であり、その重要性をしっかりと昔から認識してきたことが、チェスター市を特別な観光都市としての風格を持たせることに成功してきたと思われる。

鍼アイコン138 ねこじゃらし公園
138 ねこじゃらし公園

ねこじゃらし公園に行くと、なんかホッとするような気持ちになれる。それは、意図的なデザインの押しつけのようなものを全く感じないからだと思う。この公園には手作り感が溢れている。ただ、この素晴らしく魅力的な公園空間だけがこの公園の価値ではなく、これをつくり、そして管理するうえで形成された地域のネットワーク、地域の関係性が築けたことこそが、ねこじゃらし公園の真に評価すべき点であると思う。

鍼アイコン139 パイオニア・コートハウス・スクエア(Pioneer Courthouse Square)
139 パイオニア・コートハウス・スクエア(Pioneer Courthouse Square)

最近では、日本で随分と注目を浴びているポートランド。その革命的な転換点は、このポートランド・コートハウス・スクエアがつくられたことであった。この事業が成功した理由は、市民がそれを実現するために運動を展開し、財政的な支援までしてきたこと。ポートランド市は、自動車の空間を人間の空間に転換させることで、都心部を再生させただけでなく、都市における民主主義的精神をも醸成させ、強化させていったのである。

鍼アイコン140 ロブソン・スクエア(Robson Square)
140 ロブソン・スクエア(Robson Square)

ロブソン・スクエアはヴァンクーバーの中核に位置し、約3ブロックにわたって広がる裁判所兼パブリック・スペースである。建築家アーサー・エリクソンが打ち出したアイデアは、予定されていた高層建築物を倒して横にしてしまい、人々がその建物の上を歩けるようにする、というものであった。ここではまた、環境共生的な試みや、広場に滝を流すランドスケーピングなどで、大都市のど真ん中に緑のオアシスを創り出すことにも成功している。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

 


 

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