【連載】第10回 都市活性にはエリアの平均年齢と生産年齢人口が決め手に|ポスト2020東京オリンピック「首都東京の行方」

第10回 都市活性にはエリアの平均年齢と生産年齢人口が決め手に

 余すところ約2年の東京オリンピック・パラリンピック開催。世界の人々を迎える準備は間に合うのか、オリンピック・パラリンピックを無事に終えることが出来るのか、そしてポストオリンピックの東京はどうなるのか等々、考えさせられることは多い。そんな中あまり意識していなかったが、今年2018年は明治維新150年だそうだ。

オリンピックは2回目の東京開催という事でそれなりに受け止めることも出来るが、明治維新150年は、明治は遠くなりにけりの感が強い。しかし、調べてみると明治維新100年の式典は東京オリンピック(1964年)実施後の1968年に挙行されている。東京オリンピック後及び、明治維新100年後の日本は高経済成長から安定・低成長へ、人口は減少社会へと大転換した。東京オリンピック開催と明治維新式典とが同時代的に挙行されるとそのころに日本と東京に大きなエポックメイキングな出来事が起こるではないかと勘繰ってしまう。

本レポートでは2020年東京オリンピック後の東京首都圏の行方を考えるため、そのアプローチとして、1964年東京オリンピックから現在までの約半世紀の東京のその盛衰変化を見てきているが、明治維新150年後という長期スパンからみると、半世紀のアプローチでは済ませない気もしてきている。とはいえ、本レポートが、明治維新以降幕末の江戸から世界都市と言われるまで大発展してきた東京のポテンシャルを見ていることは間違いない。

いま、国会では『働き方改革』が論議されているが、今回は社会経済の原資であり日本の経済を支えてきた働く人々、働きたい人である「生産年齢人口」に焦点を合わせた。東京という都市が未だ生き続けていられるのは『生産年齢人口』によるものに他ならない。今後、生産者年齢人口が激減し続ければ日本は消えるとまで言われている。

人口の少子高齢化が常に課題となっているが、ここでは、東京の今後を含め都市活性化の新陳代謝となっている『生産年齢人口』の変遷や役割に注目した。本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測する連載レポートで、第一回:『東京の人口編』、第二回:『東京の交通インフラ鉄道編』、第三回:『東京の流通小売編』、第四回:『東京の都市開発・都心オフィス編』、第五回:『東京の「経済力」編』、第六回:『東京の在住世帯の変貌と都市生活編』、第七回:『地域の流入人口【通勤者・通学者】編』、第八回:『地価動向と都市形成編』、第九回:『憧れの住まい』編。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか

■東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

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