財団法人ハイライフ研究所メールマガジン

ハイライフ研究所メールマガジン 第221号

2017年9月13日配信  発行責任 公益財団法人ハイライフ研究所 事務局


 

【データベース】 都市の鍼治療 No.121~No.125

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン121 姫路駅前トランジット・モール
121 姫路駅前トランジット・モール

姫路駅の姫路城側(北口)に出ると、素晴らしいサンクン・ガーデンが目の前に広がる。それは人が憩えるようなランドスケープ・デザインがされた極めて贅沢な公共空間である。当初の計画では新幹線の駅前にありがちな、交通広場が主体の配置であった。これをおかしいのではないか、と疑問に思った市民が代替案を出し、それを姫路市が受け止め、小林正美氏を中心とした専門家グループが姫路市に編成され、デザイン指導と管理を担うことになった。そのようなプロセスを経て、当初の計画案は大きく変更され、素晴らしい公共空間が姫路駅に出現したのである。

鍼アイコン122 サンタ・ジュスタのエレベーター
122 サンタ・ジュスタのエレベーター

サンタジュスタ・リフトはリスボンの歴史地区、サンタジュスタ地区にあるエレベーターである。おそらく世界で最も有名なエレベーターなのではないだろうか。ランドマークとしても強烈な存在感を放つ建築物である。ジャイメ・レルネル氏は、その著『都市の鍼治療』において20世紀後半に展開したリスボンの都市開発事業を批判的に記しているが、その中で、サンジュスタのエレベーターの価値を再評価するような文章をさらっと書いている。7つの坂の都市と言われるリスボンだが、そのリスボンにふさわしいユニークなランドマークである。

鍼アイコン123 アジタゲダ
123 アジタゲダ

ポルトガルの中北部に位置するアゲダ市は、人口は14,500人程度(大都市圏では人口5万人)と決して大きくない。しかし、ここは7月の3週間(2017年は7月1日?23日)に開催されるイベント期間中には、観光客数が一日平均で3,000人以上も訪れる。空に浮かぶ無数の色とりどりの傘の群れ。何も資源がない町でも、アートを使えば新しい魅力を創出できるということを広く世に知らしめた素晴らしい鍼治療の事例。

鍼アイコン124 リスボンのトラム
124 リスボンのトラム

車両の大改修を1990年代に行ったのだが、外観と車内の内装はレトロなままで維持した。渋みのある車体の黄色は、リスボンの歴史的街並みと見事にマッチしている。メディナ市長はこのトラムを徐々に復活させると明言している。このトラムの軌道は900mmという狭軌である。これは、リスボンの坂道は道幅も狭く、細い車体でないとすり抜けられないからである。レトロなトラムは、リスボンという地理的特性に見事に合った交通手段であり、それを再び復活させることで、リスボンの都市アイデンティティ、そして魅力はさらに向上するのではないだろうか。

鍼アイコン125 カルチャーナイト
125 カルチャーナイト

レイキャビク最大の夏のイベント、カルチャーナイトはレイキャビクの都心部を舞台に、市民マラソン、野外コンサート、花火大会といった様々なイベントが一日に集中的に詰め込まれて行われる。都市への愛着、そして所属意識を高めるような素晴らしいイベントである。さらに、このイベントを目当てにして多くの観光客が世界中から訪れている。都市のプロモーション企画としても秀逸な事例であると捉えられる。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

 


 

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