都市生活者とサービス化社会

都市生活者とサービス化社会
東京の居住中心地域(エリア=準都心)の『生活者行動』と
『生活系サービス事業』の需給関係を検証する
―事業所統計(経済センサス)で見る東京準都心15エリアの産業特性と主要事業-

第5回 多様化する世帯と地域のサービス業の相関を見る

 日本の人口が減少する中、日本の世帯は単独世帯が増え、夫婦と子供からなる世帯は減少をし続けている。世帯の細分化が進んでおり、地域社会では「縮退する“核家族”と、増殖する“分散家族”の共存」という事態が顕在化している。本レポートの主テーマである地域のサービス業も、地域の世帯構成の変化の影響を被っている。

 主テーマであるサービス業の盛衰を長期的に見ると、高度経済成長時代は、核家族世帯をベースに成長してきており、ファミリー対象のサービス業(消費や生活の安心安全提供のサービス業)が次々誕生した。1980、90年代になると、個人向けサービス業〈便利性や快適性提供の分野〉が成長していった。そして、2000年代以降は、例えば、共働き世帯、夫婦二人世帯、単身世帯など多様な世帯対象のサービス業が求められるようになってきている。
現在の都市圏各エリアでは、地域対応の生活サービス事業の供給実態は、まだよく認識されていない。生活に不可欠なサービス事業(物販・飲食・各種サービスなど)は、どの程度供給されているのだろうか。

 サービス業の地域における供給状況と都市生活の新たな動きとは大きな相関があるという仮説を立て、本分析を行ってきているが、前回は、東京都内各地で課題となりつつある高齢化が進むエリアや、子育て世代の多いエリア、働き手が多く居住するエリアなど、様々なエリアが顕在し始めている中、地域の「年齢別人口構造」の変化に注目し、それぞれのエリアごとのサービス事業の分布や供給力を分析した。
今回は、人口数に応じて提供されてきたサービス業を、細分化され多様化する世帯に注目し、見直してみた。
 商業や各種サービス業など消費生活に欠かせない商売やビジネスのマーケティングにおいて、世帯からのきめ細かいセグメントが重要となるが、そのためには、東京都市各エリア(行政区)の世帯(家族)の多様化動向をチェックし、地域のサービス事業の特徴を確認する必要がある。

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか

 

都市生活者とサービス化社会 第5回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。

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