クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。
多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。
本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。
056 ブロードウェイの歴史的街並みの再現(米国・カリフォルニア州)
ロスアンジェルス市の都心において忘れられたアイデンティティを再生するプロジェクト。アメリカを代表する大都市であるにも関わらず、都心に点在する古びた空きビル。しかしそれぞれの物件がもつ歴史的価値はかなりのものがある。これらをどうすればうまく有効活用できるのか。その答えがブリンギング・バック・ブロードウェイなのだ。
057 オーガスタス・F・ホーキンス自然公園(米国・カリフォルニア州)
ロスアンジェルスの工業地帯。治安が悪く、また土壌も汚染されていた場所が、市民参加の公園づくりによって生まれ変わった。まさにアスファルト・ジャングルの中のオアシスのような空間。
058 チャーチストリート・マーケットプレイス(米国・ヴァーモント州)
郊外のショッピング・センターに対抗するために、地元の力で魅力ある商店街を再開発。米国ヴァーモント州の風土を強く意識した空間デザインも功を奏し、年間300万人が訪れる人気の界隈に変貌。
059 サード・ストリート・プロムナード(米国・カリフォルニア州)
自動車社会・ロスアンジェルス。その都市圏の中でも数少ないヒューマン・スケールの都市デザイン・プロジェクト。自動車排除のコンセプトをあえて曖昧にしたことがポイントとなり、リデザインに成功。昼も夜も多くの人が行き交う人気の街歩きスポットに。
世界遺産の街並みを誇るストラスブール。しかし道路が狭く、慢性的な渋滞に悩んでいた。その都心部の再生を促すために導入されたのがライトレール。脱自動車化をすすめ、都市空間をヒューマン・スケールへとリデザインすることに成功した。
取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授
制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所
■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities
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