財団法人ハイライフ研究所メールマガジン

ハイライフ研究所メールマガジン 第163号

2015年3月25日配信  発行責任 公益財団法人ハイライフ研究所 事務局


<今号の内容>

1.【連載】第6回 JR南武線・武蔵野線・横浜線沿線エリア― 東京都市圏郊外の環状帯―|鉄道沿線エリアマーケティング
2.【連載】第8回 カラランポ・フォーカス|都市の魅力を構成する要素はなにか?
3.【データベース】都市の鍼治療|第10回配信


 

1.【連載】東京30~50㌔圏都市の存亡。大東京の都市化から脱皮・自立へ

第6回 JR南武線・武蔵野線・横浜線沿線エリア― 東京都市圏郊外の環状帯―

本格的な少子高齢社会の到来と東京オリンピック・パラリンピック開催に向かい変貌する東京大都市圏

今年の3月に入って、2020年を目標とする首都圏の首都高速道路・鉄道交通網の再編が動きだした。

首都高速道路では、東京都心を囲む形で走る首都高速中央環状線が3月7日に全線開通し、新宿から羽田空港の所要時間を40分から20分に縮め、中央の環状線渋滞を和らげる効果も出ている。首都圏の三環状道路の最も外側の圏央道〈東京から50~80㌔圏〉も3月8日には神奈川県の寒川北IC―海老名JCTが、3月29日には茨城県と埼玉県を結ぶ区間が開通。圏央道沿いは地価が比較的安く、東北や中部などの各ブロックと行き来し易いため、物流施設の集積が進む。一方、鉄道網は、3月14日に北陸新幹線とJR東日本の「上野東京ライン」開業。上野―東京間に「東北縦貫線」が新設され、これまで上野駅が起点だった宇都宮・高崎・常磐線の3線が品川まで延びた。上野東京ラインの開業で東京都心部と北関東間の移動が便利になり、東京都市圏での生活(職・住・遊・休・知)への影響も大きい。

今回のレポートでは、80、90年代まで大東京都市圏の遠郊外を走る鉄道でしかないと見られていたJR南武線・武蔵野線・横浜線を取り上げたが、上述の東京圏交通網の再編で沿線エリアの変化への影響が大きく出そうだ。この3路線は、東京都心から30~40㌔圏にある神奈川県北部、東京都多摩地区・埼玉県南部、千葉県西部を結び、加えて東京都心部から放射状に延びている。JR東日本では、京葉線を含めこの三路線は「東京メガループ」に指定しており、首都圏において私鉄との接続もあり大きな期待を寄せている。改めてこの「メガループ」の沿線のエリアのマーケット分析をしてみると、郊外ならではの高齢地域化問題を抱える一方、都心部との距離感を縮め準都市化へと向かうエリア、或いは、自立的な動きを見せるエリアもあり多様である。東京圏の交通再編はエリア住民に「職住分離」か「職住近接」のライフスタイル選択を迫っているようだ。2020年の東京の都市像(道路・鉄道の再編を伴う)の姿を描くには「東京メガループ」の方向性を確認しておく必要がある。それは、2020年の東京の都市像に大きな役割を担うと予想されるからだ。

執筆:立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)

 

■本格的な少子高齢社会の到来と
東京オリンピック・パラリンピック開催に向かい変貌する東京大都市圏
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=144

 


2.【連載】第8回 カラランポ・フォーカス|都市の魅力を構成する要素はなにか?

都市の魅力を構成する要素はなにか?
~世界のスーパーマイスターに聞く

第8回 カラランポ・フォーカス



「魅力的で、歩けて、自転車が通れて、安全な公共空間をつくること。都市の魅力を向上させるためにすべての都市の市長がすべき最善の施策です」
(カラランポ・フォーカス)

超高齢化・人口減少社会において、持続可能な都市・地域とはどう形成されるのか?
本連載インタビューでは、人々が住み続けられるまち(生き続けられるまち)のありかたを問います。

今回は、オックスフォード大学 School of Geography and the Environmentの
カラランポ・フォーカス(Caralampo Focas)客員教授が登場します。

カラランポ・フォーカス氏(Caralampo Focas) プロフィール:
オックスフォード大学 School of Geography and the Environment客員教授。ギリシャ国立研究センター助教授、ブダペスト大学客員教授、ギリシャ運輸大臣顧問などを歴任。
ロンドン、ニューヨーク、東京の交通システムに焦点を当てた、交通システムと都市の拡大・持続可能性の研究でも知られる。

出演:カラランポ・フォーカス
取材・構成:服部圭郎 明治学院大学経済学部教授
撮影・編集:熊倉次郎 株式会社クマクラジロウ事務所

制作:公益財団法人ハイライフ研究所


■都市の魅力を構成する要素はなにか。
http://www.hilife.or.jp/wmca/

 


3.【データベース】 都市の鍼治療|第10回配信

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン046 ギネス・ストアハウス(ギネスビール博物館)

046 ギネス・ストアハウス(ギネスビール博物館)

 ギネスのビール醸造所は1902年から1904年の間にダブリンの近郊にて建造された。それは、ビールの醸造所としてアーサー・ギネス・サン会社によってつくられた。シカゴ・スタイルの巨大な構造物はアイルランド最初の鉄鋼でつくられた高層建築であった。それは、ダブリンの西地区のランドマークとして人々に親しまれていた。しかし、1980年代には醸造所としては時代遅れとなり、この醸造所を移転して、ストアハウスは1986年に閉鎖された。

鍼アイコン047 波止場町1番地におけるみなとへの展望景観確保

047 波止場町1番地におけるみなとへの展望景観確保

 神戸市は、1980年後半頃から、旧居留地の街並み保全活動を展開し、現在では「もっとも神戸らしいお洒落で洗練された街」へと変容されることに成功した。しかし、この区画は港と隣接しているにも関わらず、海岸線と平行して走っている国道2号線沿いに建っている建物によって、港への景観がほとんど遮断されてしまっていた。

鍼アイコン048 グリーン・テンプレート

048 グリーン・テンプレート

 ライプチッヒ市の都心部、ライプチッヒ中央駅の東部に位置する地区(東ライプチッヒ地区)は、19世紀に建てられた古い集合住宅が集積していたのだが、これら集合住宅は空室率が高く、再開発が必要な状況にあった。ラベット・パークは、そのような地区の中心に1970 年代につくられた公園であった。
 この東ライプチッヒ地区を都市再生するうえで、このラベット・パークを拡張し、リデザインすることは、極めて重要な戦略として位置づけられた。ラベット・パークは同地区が新生するうえでの象徴的な空間として捉えられたのである。

鍼アイコン049 ヒンター・デム・ツォールの壁画

049 ヒンター・デム・ツォールの壁画

 アッシェアーズ・レーベンという都市がドイツのザクセン・アンハルト州にある。ここは人口が3万2千人弱の中都市である。1990年には3万3700人はいた人口が、2000年には2万7千人まで減少してしまった自治体である(最近では多少、増加傾向にある)。

鍼アイコン050 マドリッド・リオ

050 マドリッド・リオ

 スペインの首都マドリッド。イベリア半島のほぼ中心、欧州の首都の中では最も高い655メートルの標高に位置する。人口は約325万人、都市圏人口は約540万人で、これらの数字はヨーロッパ第三の都市であるベルリンと拮抗する。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

 


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