財団法人ハイライフ研究所メールマガジン

ハイライフ研究所メールマガジン 第140号

2014年4月9日配信  発行責任 公益財団法人ハイライフ研究所 事務局


<今号の内容>

1.【データベース】 都市の鍼治療|第4回配信
2.【映像報告】移動困難者とその支援 第3回
3.【セミナー映像】第25回ハイライフセミナー動画1部
4.【書籍紹介】ブラジルの環境都市を創った日本人: 中村ひとし物語


 

1.【データベース】 都市の鍼治療|第4回配信

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。

鍼アイコン016 チョンゲチョン再生事業 (清渓川再生事業)

016 チョンゲチョン再生事業 (清渓川再生事業)

 チョンゲチョン川は、ソウル市内を東西に縦断するように流れ、漢江に注ぎ込む総延長10.92kmの都市河川である。このチョンゲチョン川は、頻繁に大氾濫を起こし、その治水事業は朝鮮王朝時代からの大きな課題であった。20世紀初頭には衛生問題などから、その暗渠化が検討され、1971年には遂にソウル市内からその姿を消してしまう。さらに、その上には高架道路を通され、ソウル市の空間から、そしてソウル市民の記憶から忘れ去られてしまった。?

鍼アイコン017 デービス・ファーマーズ・マーケット(Davis Farmers Market)

017 デービス・ファーマーズ・マーケット(Davis Farmers Market)

 デービスはアメリカの穀倉地帯であるカリフォルニア州のセントラル・バレーの北にあり、周辺はアメリカでも最も生産性の高い農地である。また、大学都市でもある。
 デービスは周辺が農地であるために、地産地消の場としてのファーマーズ・マーケットが大変な人気を博している。そこは、単なる市場ではなく、デービス市の都心の真ん中に位置していることもあり、デービス市民が交流する空間として貴重な役割を担っている。ファーマーズ・マーケットは水曜日と土曜日に開催されているのだが、近隣から新鮮な野菜や果物を売りに来る農家の人々と、それを買いに来る市民の間に行き交う越えが響き渡るのである。

鍼アイコン018 ダイアナ・メモリアル・ファウンテン(Diana Memorial Fountain)

018 ダイアナ・メモリアル・ファウンテン(Diana Memorial Fountain)

 ダイアナ・メモリアル・ファウンテンは、ロンドン市内にある広大なケンジントン公園の中にある。1997年に交通事故で他界されたダイアナ妃の記念碑としてケンジントン・パーク内につくられた噴水である。2004年7月6日に開園した。

鍼アイコン019 針金オペラ座(Opera de Arame)

019 針金オペラ座(Opera de Arame)

 針金オペラ座はブラジルのパラナ州クリチバ市にあるオペラハウスである。クリチバ市の都心から10キロメートルぐらい離れた北側の丘陵地帯にある。そこは、クリチバ市が所有していた石切場の跡地で、以前はダイナマイトを使って採石していた。しかし、市街地が発達してきたため、ダイナマイトが使用できなくなり、放置されたままになった。そして、そこは麻薬の取引がされたり、泥棒の隠れ家として使われたりするような場所になってしまった。また、わき水が出ていたのだが、周辺の住宅地などにも水が漏れるようになっていた。ある意味で、クリチバ市でも最も汚いようなところであった。ここを再生しようとしても崖があるので工場もできないし、住宅もつくれない。放っておくしかない、というようなところであった。

鍼アイコン020 ニューラナークの再生(Regeneration of New Lanark)

020 ニューラナークの再生(Regeneration of New Lanark)

 ニューラナークはスコットランドのグラスゴーの南にあるラナークシャー郡の世界遺産である。グラスゴーからローカル鉄道で一時間ぐらいのところにあるラナークの町から2キロメートルほど離れた場所にクライド川が流れている。ニューラナークは、この川の水力を活かした綿工場と従業員のための住居がセットにして計画的につくられた町であり、都市計画史の観点からはメルクマールとなるようなプロジェクトである。ニューラナークはアメリカでは、都市計画の教科書に必ず出てくる事例であり、そういう点ではハワード・ガーデンシティのレッチワースやニューヨーク州のラドバーンといった都市計画の聖地の一つであるといえる。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

 


2.移動困難者とその支援
~日常の移動に困っている人たちの支援とまちづくりについて~

移動困難者とその支援

第3回 NPOによる支援、横浜市旭区若葉台での取組み


 横浜交通まちづくり協議会は、人と環境にやさしい交通システムを横浜で実現し、交通視点からよりよいまちづくりに寄与することを目的にしている団体です。主な会員は、NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワーク、横浜の公共交通活性化をめざす会など、環境・まちづくり・福祉・文化創造等の活動をしている市民や市民団体です。

 年に1度「グリーン・モビリティ・カフェ(人と環境にやさしい交通を考える)」を催し、3年目となる2013年は12月1日に横浜市旭区若葉台で、移動困難者支援をテーマに行われました。横浜交通まちづくり協議会のメンバーや有識者、横浜市都市整備局や健康福祉局、若葉台でまちづくりを実践する方々、興味関心のある方が参加した「第3回グリーン・モビリティ・カフェ 移動困難者とその支援~日常の移動に困っている人たちの支援とまちづくりについて~」の模様を3回シリーズで配信します。

 第3回(最終回)は、NPOによる支援、若葉台での取組みをご紹介します。

映像制作・配信:公益財団法人ハイライフ研究所

 

詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=10582

 


3.【セミナー映像】第25回ハイライフセミナー動画1部

第25回ハイライフセミナー
郊外に明日はあるか-持続可能な郊外居住をめざして

第25回ハイライフセミナー

◆開催趣旨

戦後、東京圏は郊外へと拡張していき、郊外の田畑、森林は住宅地へと変容していった。しかし、これから人口縮小が進展していき、高齢化が進んでいく中、東京の郊外はその成長を維持してきた開発圧力を喪失し、潮が引いていくような縮退圧力を受けることになる。そのような状況下において、郊外をいかに持続可能なものとするのか。しかも、その持続性を高めるプロセスにおいて民間ビジネスの参入チャンスはあるのか。本セミナーでは多角的な視点から、郊外の持続可能性を高めるアプローチを検証していきたい。

◆日程: 2014年2月14日(金)
◆時間: 15:00~18:00
◆会場: 東京国際フォーラム ホールD1(定員100名)
◆主催: 公益財団法人ハイライフ研究所
◆協力: 株式会社読売広告社


プログラム

主催者挨拶
高津伸司 / 公益財団法人ハイライフ研究所 代表理事/副理事長

<プレゼンテーション>
縮退する郊外はどう生きていくか
若林幹夫 / 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

郊外居住ビジネスの可能性
榎本元 / 読売広告社・都市生活研究所

成熟に向けた郊外居住の戦略
大月敏雄 / 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授


第25回 ハイライフセミナー
「郊外に明日はあるか-持続可能な郊外居住をめざして」
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=8946

 


4.【書籍紹介】ブラジルの環境都市を創った日本人: 中村ひとし物語

【書籍紹介】ブラジルの環境都市を創った日本人: 中村ひとし物語


「クリチバはイトシのおかげでできた街」
ブラジルが世界に誇る環境都市クリチバ。「ごみ買い」プログラム、公共施設の設計・整備……クリチバにおける多くの自然公園整備、環境政策の背景で手腕を振るったのは日系一世・中村ひとしであった。ブラジル人から絶大な信頼を得て、日本的感性を活かした都市づくりを進めた彼がブラジルでなしとげた仕事の全貌と、家族・友人の愛に支えられたその半生をつづる。写真53枚を収録。

目次
はじめに――クリチバという都市の「奇跡」
1 クリチバの奇跡を起こした日本人
2 ブラジルへ発つまで――子供時代~学生時代
3 ブラジルへの旅立ち
4 クリチバでの公園づくり
5 レルネルとの出会い
6 パラナ州への転職
7 環境局長への昇進
8 ランドスケープ・アーキテクトとして八面六臂の活躍
9 ローカル・アジェンダ開催とグレカ市長の登場
10 パラナ州の環境局長時代
11 レルネル-中村の「黄金時代」の終焉
12 宴のあと
13 中村をとりまく人々
14 南米からみた日本という課題
15 中村ひとしというブラジル、そして日本への贈り物

著者略歴
中村矗(なかむら・ひとし)
1944年千葉県生れ、兵庫県明石市で育つ。1969年、大阪府立大学農学研究科修士課程修了。1970年、ブラジルのパラナ州に移住し、農業に従事。同年末、パラナ州クリチバ市の市役所職員に就職、農場管理の仕事に勤める。71年より同市市長となったジャイメ・レルネルがクリチバの緑地整備・公共施設の建設を積極的に推進するようになると、その計画に公園課長補佐として尽力する。このときの働きが認められ、79年、レルネルが二期目の市長に就いた際に公園部長に抜擢され、以後、レルネルの信任のもと、多くの公園を建設・整備する。89年、レルネル三期目の市長就任に伴ない、環境局長に登用される。95年、レルネルのパラナ州知事に伴ない、パラナ州環境局長に就任。2007年、退官。レルネル政権のもと、緑地整備、環境問題、スラム問題の解決に大きな貢献をし、クリチバ市をはじめ複数の自治体から名誉市民の勲章を受けている。共訳書に『都市の鍼治療』(ジャイメ・レルネル著、服部圭郎と共訳、丸善、2005)。

【著者略歴】
服部圭郎(はっとり・けいろう)
1963年に東京都で生まれる。東京そしてロスアンジェルスの郊外サウスパサデナ市で育つ。東京大学工学部土木工学科を卒業し、カリフォルニア大学環境デザイン学部で修士号を取得。株式会社三菱総合研究所を経て、2003年から明治学院大学経済学部で教鞭を執る。2009年4月から2010年3月にかけてドイツのドルトムント工科大学客員教授。現在、明治学院大学経済学部教授。技術士(都市・地方計画)。専門は都市計画、地域研究、フィールドスタディ。主な著書に『若者のためのまちづくり』(岩波書店、2013)、『道路整備事業の大罪』(洋泉社、2009)、『衰退を克服したアメリカ中小都市のまちづくり』(学芸出版社、2007)、『サステイナブルな未来をデザインする知恵』(鹿島出版会、2006)、『人間都市クリチバ』(学芸出版社、2004)。共著に『下流同盟』(朝日新聞社、2006)、『脱ファスト風土宣言』(洋泉社、2006)、『都市計画国際用語辞典』(丸善、2003)など。訳書に『世界が賞賛した日本の町の秘密』(洋泉社、2011)。共訳書に『都市の鍼治療』(丸善、2005)、『オープンスペースを魅力的にする』(学芸出版社、2005)。


書籍詳細ページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624400651


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