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【連載】 第1回 東京の人口編|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第1回 東京の人口編

 1964年の東京オリンピック開催から約半世紀。2020年に東京で再びオリンピックが開催されるが、この半世紀で大都市、特に東京は大きく変化した。確かに1964年の東京オリンピック開催を機に、東京は都市としてピークを迎えた。しかし、50年を経過する中、オリンピック開催に合わせてできあがった多くのインフラ(交通道路・建築物など)は老朽化している。この老朽化したインフラをいかに更新していくかが、東京という都市の喫緊の課題だ。オリンピックに合わせた数兆円のインフラ投資では、現在の都市問題の解決は難しい。2020年東京オリンピック開催にその解決への期待が寄せられているが、東京の都市の現場を見る限り東京の都市問題は別のところにあり、オリンピックとはあまり関係なさそうだ。現在の東京の都市問題は1964年東京オリンピック以降、約50年間東京に一極集中したことから生じた諸問題の解決にあり、一極集中した多くの都市機能をどう再編するのか組み替えてゆくのかである。

 集中と拡大により形成された都市機能をどのように再編するのかを考えるには、現在の集中した都市機能がどのように発展し、変化してきたのかを確認する必要がある。すなわち、東京の歴史でもあり東京の総括であり、「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測し、都市東京がどのように移り変わってきたのか? の確認である。

 今回第1回レポートは、その視点から人口に焦点を当て、東京の人口や地域構造がどのように変化しているのかを総括した。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

【データベース】 都市の鍼治療 No.111~No.115

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン111 ハッピー・リッツィ・ハウス
111 ハッピー・リッツィ・ハウス

ハッピー・リッツィ・ハウスはドイツの中堅都市ブランシュヴァイクの都心部にある漫画のようなイラストが描かれた家の集合体である。アメリカ人のイラストレーターであるジェームス・リッツィが2001年に放置されていた公爵の住居跡地に、人目に付くようなユニークな建物をつくることで、残された古い建物を保全することを意図したプロジェクトである。

鍼アイコン112 みつや交流亭
112 みつや交流亭

そこは昼には子育て支援、子供達のたまり場、夕方には落語会や音楽会、映画界、講演会、勉強会、バザーなどに使われる。そして、清潔なトイレと冷たい水とベンチが提供されていて、いつも賑わっているちょっと不思議な空間である。都市をつくるのは「人」というのはよく指摘されるが、まさに、それが分かりやすく展開したのが「みつや交流亭」であると思われる。

鍼アイコン113 クレーマー橋
113 クレーマー橋

クレーマー橋は、ドイツのチューリンゲン州の州都であるエアフルトにあるランドマークである。それはブライト川に架かる橋で、その両側に木造の建物が肩を寄せ合うように建っている。エアフルトは人口が20万人をちょっと越えるぐらいの都市であるが、世界に誇れるランドマークを二つ持っている。そして、それをしっかりと保全すると同時に、うまく活用している。

鍼アイコン114 ホロコースト記念碑
114 ホロコースト記念碑

正式な名称は「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」。ドイツにとっては暗く忌まわしい過去であり、多くのドイツ人にとっては思い出したくない歴史の恥部でもある。しかし、そのような歴史を直視し、その記憶を継承することを積極的に意思表示することで、初めて周辺諸国と和解することができる。真摯に謝罪をする人に対して、人は寛容となる。そして、そのような記憶装置は、都市というメディア的特性に長けているところほど、その周知効果が高くなる。そして、実は都市も、そのような発進力のあるコンテンツを有することで都市としての魅力を増していくのである。

鍼アイコン115 ミラノ・ガレリア
115 ミラノ・ガレリア

レルネル氏はその著書『都市の鍼治療』で、ミラノ・ガレリア(正式名称はビットリオ・エマヌエーレ2世のガレリア)は「ミラノで最も美しい出会いの場所である」と述べている。それは、ここが単なるショッピング・アーケードだけではなく、ミラノの人々が出会う場所としても重要であるからだ。また、ここは隣接している大聖堂とともにミラノの観光の目玉となっている。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【新連載】 第1回<プロローグ>|東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京

<プロローグ>

 1964年の東京オリンピック開催から約半世紀。2020年に東京で再びオリンピックが開催されます。この半世紀で大都市、特に東京は大きく変化しています。我々は、日々の小さな変化に気づかずに56年暮らしてきました。今日の東京を支える社会インフラの多くは、1964年の東京オリンピック開催を機に完成しています。

 交通網としては、首都高速道路、環状七号線、神宮と駒沢を結ぶ放射4号線、青山通り・玉川通りの拡幅整備、東海道新幹線、東京モノレールなどが完成し、競技場としては、国立代々木競技場、駒沢オリンピック公園、日本武道館、馬事公苑など。その他、渋谷公会堂、外苑ハウス、NHK放送センターなどです。またホテルとしては、ホテルオークラ、東京ヒルトンホテル、ホテル高輪、東京プリンスホテル、ホテルニューオータニなど国際的な基準のホテルが次々にオープンしました。

 50年経過する中、それらの老朽化したインフラをいかに更新していくかが、東京という都市の喫緊の課題ですが、2020年東京オリンピック開催にその解決の期待が寄せられています。しかし、東京の都市の現場を見る限りオリンピックとの関係はあまり関係なさそうで、都市問題の解決はそれほど甘くはないように思えます。東京に一極集中した多くの都市機能を今、もう一度変化という視点でとらえなおす必要があります。

 集中と拡大により再編された都市機能はどのように変化してきたのか、どのように変化していくのか?「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測し、都市東京がどのように移り変わってきたのかを総括し加速する少子高齢化・人口減少と通信・情報インフラの高度化、ロジスティックスや流通の変革、などの関係性を見極めながら、2020年以降の『新東京』像を模索します。

 メールマガジン2017年度第1回(4月26日発行)は、そのプロローグとして、ポスト2020「東京の行方」シリーズ連載にあたっての報告《首都東京の変化を見る/研究の意図・問題意識とアプローチについて》です。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

【研究報告】 高齢者のライフスタイルに関する基礎研究
-アクティブタイムとドメインを探る-

 公益財団法人ハイライフ研究所では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を事業理念とし都市生活研究を行ってきています。
 現在、日本は人口減少、経済の長期低迷など、過去に経験したことがない多くの重大な困難に直面しています。国民生活に大きな影響を与えている少子高齢化、経済のグローバル化、慢性的な国内需要不足といった社会変化に適切に対処していくことが重要です。なかでも少子高齢化の急速な進行は深刻であり、年金や医療・介護など社会保障制度の将来に対する不安が、節約志向と貯蓄の意識を高め支出を鈍らせ構造的なデフレ体質による経済低迷をもたらしています。また雇用環境や労働環境も大きく変化している。非正規雇用の労働者や低所得者層の増加により経済循環はますます鈍化している。さらには少子高齢化や単身高齢者世帯の増加による世帯構造の変化など国民の暮らしが上向くイメージが描きにくい時代ではありますが、当財団では本年度から2年間に亘り「超高齢社会における次世代高齢者の幸福の追究」と、豊かな生活を営むための「経済循環(消費の活性化)」に主眼をおき以下の研究を行っています。

A.次世代高齢者研究
2025年、高齢化社会はこう変わる。~現50代が及ぼす影響と、高齢者の幸福の追究
B.近未来消費研究
高齢化と人口減に伴う、消費行動変化の研究~消費者と流通の未来

 これらの研究をスタートさせる事前準備として、当財団で2010年から毎年実施している「都市生活意識調査」の2015年度調査を活用し、高齢者の日常生活行動に関する基礎データを取得しました。(全調対象の中から65歳から79歳の標本に対し高齢者専用の質問)
※「都市生活者意識調査2015」http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13284#02

 さらには新たな調査手法として、株式会社パスコの開発による『GPS行動分析システム』
を活用し、対象者に1週間GPS端末機を持っていただき、地図ソフト上に分刻みの行動をプロットして、日常的な外出行動を把握し、

①高齢者のアクティブタイム(活動時間帯)
②高齢者のドメイン(生存領域)
を明確化しました。

 標本は「都市生活者意識調査2015」の回答者の中で顕著な行動特性が現れた18名を抽出し実行しました。今回の調査はあくまでも実験的な試みであり標本数が限られているため定量的な分析においては精度に欠ける部分がありますが、特徴的な傾向を見ることができましたので、新しい調査手法の公開の意義も含めて、報告書の形で公表することと致しました。


調査研究体制
◆ 調査研究機関
公益財団法人 ハイライフ研究所

◆ 調査研究幹事
櫻井隆治
(公益財団法人ハイライフ研究所 代表理事副理事長)

◆ 調査実施担当
株式会社 行動科学研究所
株式会社 パスコ

◆ 調査研究担当
水嶋 敦
(自由学園 最高学部 特任教授)
丹野俊明
(株式会社 行動科学研究所 特別顧問)
藤原 豊
(公益財団法人ハイライフ研究所 執行理事専務理事)
生方純一
(公益財団法人ハイライフ研究所 事務局長)
奥野 守
(株式会社パスコ ビジネスソリューション技術部ビジネス一課 課長)
雨宮源太
(株式会社パスコ ビジネスソリューション技術部ビジネス一課)
大嶋俊之
(株式会社パスコ ビジネスソリューション技術部ビジネス一課)

 

■2015年度研究報告
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13284

【連載】 最終回 サービス業から見る東京各エリアの魅力

最終回 東京都心部・準都心部・近郊各エリアの生活関連サービス事業比較と特徴

 都心の高層マンションの開発が増え、子育て世代などの若い世代が都心区に流入し、都心区でもある中央区や港区では保育所に入れない待機児童への対策など、人口増に伴う行政ニーズへの対応に力を入れている。東京都区部の行政では、各区とも人口動向の変化が激しく、行政のあり方、特に高齢者や子育て世帯への対応に戸惑いが見られるようになっている。人口変動が続く東京都区部各行政区でのサービス事業はいったいどうなっているのか?

 都市とサービス業の関係において、最大限チェックしておかなければならないのは、各行政区の生活関連サービス業が東京エリアの中で、どの様なポテンシャルとポジションを有しているのかを確認することである。

 今回最終のレポートでは、サービス事業が都市の中でどう根付いているのか?その東京23区のサービス業分布の実態を見る。

 各行政区の生活関連サービス業が東京都の中でどんなポジションを占めているのかを「経済センサス統計」を通じて確認する。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

 

【データベース】 都市の鍼治療 No.106~No.110

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン106 国立映画博物館
106 国立映画博物館

博物館の収蔵品は200万点以上。インターラクティブな展示が特徴で、映画発明以前の視覚装置やら、映画製作のしくみの展示、ポスターギャラリーなどがある。博物館のコンテンツでも十分、集客が図れるだろうが、モーレ・アントネッリアーナというトリノでも最も目立つランドマークにて開設したことで、その魅力をさらに向上させることに成功した。そして、それが一人の情熱的な女性によって具体化されたところが素晴らしい。

鍼アイコン107 御堂筋イルミネーション
107 御堂筋イルミネーション

大阪の南北の都市軸である御堂筋。この梅田からなんばへと至る全長4キロメートル街路は年末から年始にかけて、煌びやかなイルミネーションが施される。構想時の理念は、これをイベントで終わらせないで、都市を魅力化させるトリガーとして位置づけるというものであった。単に道路空間だけでなく沿道の建物や寺社、またはランドマーク等もライトアップすることで、御堂筋という回廊全体の夜間景観を見事に演出している。
鍼アイコン108 オルヴィエートのスローシティ運動
108 オルヴィエートのスローシティ運動

オルヴィエートは人口が2万人とはとても思えないほど個店が多く存在し、それで生活を回していくことができている。そして、このスローシティの街づくりをすることで、ほとんどお金はいらない。それは、グローバリゼーション下で、自らが置かれた立ち位置の解釈を変えただけのことである。今、オルヴィエートはスローシティとして、安らぎと美味しいワインを求めた観光客を集めるようになっている。

鍼アイコン109 オスカー・ニーマイヤー博物館
109 オスカー・ニーマイヤー博物館

ここは更地に新しくつくった訳ではない。人々から忘れ去られていたニーマイヤーの建築物をも新たに再生するという意義も有していたのである。計画当時、パラナ州には美術系の博物館がなかった。その中で、クリチバでは唯一のオスカー・ニーマイヤー設計の建物が候補に挙がり、隣接して新たに強烈なランドマークとしての建物を設計してもらえるようオスカー・ニーマイヤー本人に依頼をした。巨大な目玉のような建物は、つくられた瞬間にクリチバのランドマークになるものであった。

鍼アイコン110 バリグイ公園
110 バリグイ公園

計画当時、市長であったジャイメ・レルネルは、河川沿いの土地を市役所が買い取って公園にしてしまおう、と考えた。しかし、70年代初め頃のブラジルにはいわゆる公園という概念がなかった。公園の概念がない、ということは公園を整備するための予算もないということである。そこで、レルネルは洪水という災害を防止するための緑地整備ということで、連邦政府の防災予算を引き出し、それで土地を獲得して公園を整備し始めた。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

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公益財団法人ハイライフ研究所

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