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【連載】第8回 地域の地価と都市形成|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第8回 地域の地価と都市形成

 最近、地価のバブル化が東京オリンピック・パラリンピックを前にして大きな話題となっている。公示地価(国土交通省/各年1月1日)をみると、不動産市場への資金流入が地価を押し上げ、商業地に続き住宅地も下落から脱し始めた。バブル経験後、暴落の打撃を受けた後の不動産価格・住宅価格は、需給バランスを持ち直し始めたようだが、一部の地域で上昇率が40%を超す地点もでるなど、この2、3年、不動産融資は過熱気味なだけに、バブルの芽はないのかという声も上がっている。しかし、バブル崩壊後10年を経た2000年頃から、住宅地の地価の上昇率は人口が増えている地域が高くなっており、反対に、下落率が大きいのは人口が伸び悩み、魅力が薄れる地域と言う傾向が明解になってきた。

 そもそも地価はその土地の収益性により決定される。土地の価値は、その土地に付けられる価格で表され、価格は需要と供給のバランスが変わることで上下する。バランスが変わる原因となるのは、土地所有者の意識や、金融、税金や相続に関すること、政府や自治体が進める土地や住宅政策に関すること、土地利用計画にかかわること、都市への過度な集中など様々な原因がある。そこに住む人が減れば、何か特別な付加価値がなければ、一般的にはそこにある土地の価値は下がる。

 東京の地価は、地価水準において、ほとんどの地域でリーマンショック前の2008年よりも低いという現実がある。地価決定の原則の流れが、荒れに荒れてしまったが、今後東京の地価の需給バランスは取れるのか、またオリンピックと言う特需に振りまわされるのか、東京の地価は試されている。東京ではポストオリンピックに人口減と高齢化が待っている。はたして需給の決め手である東京の人口動態は、昼夜間人口共に大きく変わる可能性が大きい。そんな視点から、1964年の東京オリンピック以降の約50年間の東京の地価の変化の軌跡を追いながら、東京の都市の変貌を探る。

 今回のレポートでは、地価に注目して東京の都市形成のプロセスを追うことにした。

 本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートである。


(なお本レポートの第一回レポートは『東京の人口編』、第二回は『東京の交通インフラ鉄道編』、第三回は『東京の流通小売編』、第四回は『東京の都市開発・都心オフィス編』、第五回は『東京の「経済力」編』、第六回は『東京の在住世帯の変貌と都市生活編』、第七回は『地域の流入人口【通勤者・通学者】が都市活性を左右する』)

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

【連載】 次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第七回 気がかりなもの。それは「健康」。

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

◇◆調査対象・言葉の定義◆◇
次世代シニア(51歳から60歳)現在形シニア(66歳から75歳)

■男性では現在形シニア、女性では次世代シニアの方が、「健康状態は良い」と認識している人がやや多い。
■次世代シニアは「仕事や人間関係のストレス」が、現在形シニアは「健康寿命を意識する年齢」が、気がかり。
■現在形シニアの活発な健康行動。「歩く」男性、女性は「食」。
■健康状態が良くない人は複数の気がかりなことを抱えている。
■「生活するのに全く問題ない」と「健康状態が良い」、は違う。

連載第七回は次世代高齢者調査より「健康」に関する意識と行動についてご報告いたします。健康上で気がかりなことは何か、健康維持、改善に向けて日頃行っていることは何か、などについて現在形シニア(66歳~75歳)と次世代シニア(51歳~60歳)並びに男女を比較しながら現状を探っていきたいと思います。

執筆者:主任研究員 福與宜治

第七回レポート全文は以下のリンク先からご覧いただけます。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13927#pdf

□次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=163

【連載】 第7回 地域の流入人口【通勤者・通学者】が都市活性を左右する|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第7回 地域の流入人口【通勤者・通学者】が都市活性を左右する

 戦後の東京に人口が集中する中、特別区(23区、以下同)の人口は、経済の発展とは裏腹に、増減、上下変動を繰り返した。それは東京の都市圏の拡大にほかならないが、注目したいのは昼間人口の持続的な増加である。東京都区部の人口は、1969(昭和44)年に8,663,875人と戦後最大の数を記録したが、2014(平成26)年に8,685,756人へと回復するまで約半世紀を費やしている。一方、昼間人口は、1千4万人から1千170万人と約166万人増加している。オリンピック以降の都市の変遷を見ていく場合、人口の動向が基本的なデータとなるが、その中でも人の流れや活動を示す流入人口データは都市や地域の変化を忠実に表現している。中でも、「地域の昼・夜間人口」「地域の注夜間人口比率」「流入(通勤者や通学者がカウントされる)人口」データは、地域の形成プロセスを見る場合、最も利用されるデータである。

 今回のレポートでは、住民基本台帳と国勢調査の「流入人口」に注目して都市形成のプロセスを追うことにした。

 本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートであるが、今回のレポート第七回は、「東京の地域別流入人口【通勤者・通学者】からみる東京の変貌と都市生活」である。都市生活を「人口」から分析することは多いが、今回は人の行動や活動を表す流入人口データから巨大に膨れ上がった東京の変化をみた。ポスト東京の姿のカギを握るのは地域の昼間人口の動向だろう。


(なお本レポートの第一回レポートは『東京の人口編』、第二回は『東京の交通インフラ鉄道編』、第三回は『東京の流通小売編』、第四回は『東京の都市開発・都心オフィス編』、第五回は『東京の「経済力」編』、第六回は『東京の在住世帯の変貌と都市生活編』)

【連載】 次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第六回 友達はどこにいる?「人付き合い」の、現在。

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第六回 友達はどこにいる?「人付き合い」の、現在。

◇◆調査対象・言葉の定義◆◇
次世代シニア(51歳から60歳)現在形シニア(66歳から75歳)

■仕事・子育て中心の付き合いから趣味や地域の付き合いへ。
■女性は10代と30代のときに、男性は10代と20代のときに大切な友と出会う。
■男性60歳前後は親しい人数が凹む。人付き合いの再編期。
■「異性の親しい友人・知人が一人以上いる」女性は60代が最も多い。
■男性より女性が上の「人の話に耳を傾ける」心がけ。第六回友達はどこにいる?「人付き合い」の、現在。
■現在形シニアの3人に一人はボランティアや自治会活動に参加。4人に一人は定例的・日常的な活動を行っている。
■同窓会(学校・仕事)が最も活発なのは現在形シニア男性。
■メールは現在形シニアにもかなり浸透。一方で「声」の交流も。

連載第六回は次世代高齢者調査より「人付き合い」の現状についてご報告いたします。高齢者にとって「孤立」はお金がないこと、健康を損ねること以上に深刻な事態であるとも言われています。家族、友人など様々な関係の中で人は生きています。今回は「友人・知人」に焦点を当て、現在形シニア(66歳~75歳)と次世代シニア(51歳~60歳)並びに男女を比較しながら現状を探っていきたいと思います。

執筆者:主任研究員 福與宜治

第六回レポート全文は以下のリンク先からご覧いただけます。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13851#pdf

□次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=163

【データベース】 都市の鍼治療 No.126~No.130

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン126 オスロのオペラハウス
126 オスロのオペラハウス

筆者は、取材のためにオスロ市を滞在中、3回ほどこのオペラハウスを訪れたが、昼夜を問わず常に人で溢れていた。オペラを観劇しない人々もここを訪れているのである。オペラハウスという公共施設を、単にオペラを市民に提供するというだけでなく、その建物自体を広場として広く人々に開放することに成功したのである。そのような発想は、都市の本質をしっかりと理解したものでなければ思いつかない提案であろう。

鍼アイコン127 下北沢カレーフェスティバル
127 下北沢カレーフェスティバル

まず、その始めたきっかけがいい。思いつきで仲間内でやってみたら楽しかったので、街レベルでやってしまおうという、「街を自らが楽しもう」という街の人の意識。さらには、それにIT技術を活用しようという、新しいものに挑戦する創造性。そして、そのような企画に乗っかる店舗群の腰の軽さ。このカレーフェスティバルに参加している店舗数は149軒であるが、これは下北沢にあるカレー店の数よりも多い。つまり、カレー屋ではない店もこのカレーフェスティバルに参加して、臨時のカレーを提供している。この柔軟性が楽しい。

鍼アイコン128 おかげ横丁
128 おかげ横丁

おかげ横丁を訪れて感じるのは、ここの魅力は伊勢という地域の文化をコンセプトとして徹底させていることにあると感じる。伊勢でしかあり得ない、伊勢らしい街並みの中、伊勢の食材でつくった料理に舌鼓を打つ。伊勢うどんは、伊勢以外で食べたいとは思わないかもしれないが、伊勢では食べたい。そのような機会をしっかりと提供できてこそ、その地域を活かした街づくりが初めて可能になるのではないか。いろいろな可能性を感じさせてくれる民間企業による素晴らしい都市の鍼治療事例であると考えられる。

鍼アイコン129 サン・ホップ公園
129 サン・ホップ公園

この公園の特筆すべきところは幾つかあるが、まずはこの小さい空間をランドスケープ・デザインによって最大限に活かしていることだ。真ん中にちょっとした土盛りをすることで空間を文節化し、小さい中にも変化をもたらしつつ、一方でベンチはおどろくほど長い弧状のものにするなどしてスケール感を演出している。アイスクリーム屋が1980年代に閉店した後、この空間は18番街を右折するためのレーンが設置されていた。このレーンの空間を市役所が潰すと判断したことで、この豊かな公共空間が生まれた。

鍼アイコン130 ヴァルカン地区再開発
130 ヴァルカン地区再開発

オスロの北部にあるヴァルカン地区は19世紀頃にアーキャスエルヴァ川の西側に開発された工業地区であった。その後、1960年頃に工場は郊外部に移転し、この地区は塀で被われ、市民はここに入ることができないようになってしまった。跡地は雑草が生い茂り、オスロ市内でも最もイメージの悪い地区の一つとなってしまった。しかし、この地区は2004年にAspelin Ramm、Anthon B Nilsen Property Developersというデベロッパー会社によって、ほぼ100%民間主体でミックスドユース地区へと再開発され、オスロ市内でも有数のアーバニティ溢れる人気のスポットへと変貌している。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【連載】 第6回 東京在住世帯(ファミリー)の変貌と都市生活|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第6回 東京在住世帯(ファミリー)の変貌と都市生活

 日本の戦後の社会状況で人口の東京集中が常に問題視されてきたが、東京への集中に関して言えば人口より世帯の方がはるかに集中度(全国対比を見ると)が高い。戦後の東京に人口が集中する中、特別区(23区、以下同)の世帯数は特別区の人口が増減、上下変動を繰り返すのに反し毎年増加を続けた。人口は、1969(昭和44)年に8,663,875人と戦後最大の数を記録したが、2014(平成26)年に8,685,756人に回復するまで約半世紀を費やしている。一方、世帯数はその半世紀に、1965年の約206万世帯から約2倍強となる483万世帯(2015年現在)となっている。

 世帯数は増加し続け、その世帯は容を大きく変えてきている。その変化する世帯の容が半世紀にわたり東京の都市生活を大きく変えてきた。以下、東京都特別区の世帯数の動向と社会の変化状況との相関を追う。

 本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートであるが、今回のレポート、第六回は、「東京の在住世帯(ファミリー)の変貌と都市生活」である。都市生活を「人口」から分析するこが多いが、今回はより変貌していった「世帯」から見直してみた。経済大都市・東京を生み出した背景には巨大に膨れ上がった世帯が隠れていたようだ。ポスト東京の姿のカギを握るのは世帯の動向だろう。
(なお本レポートの第一回レポートは『東京の人口編』、第二回は『東京の交通インフラ鉄道編』、第三回は『東京の流通小売編』、第四回は『東京の都市開発・都心オフィス編』、第五回は『東京の「経済力」編』)

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

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