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【データベース】 都市の鍼治療 No.106~No.110

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン106 国立映画博物館
106 国立映画博物館

博物館の収蔵品は200万点以上。インターラクティブな展示が特徴で、映画発明以前の視覚装置やら、映画製作のしくみの展示、ポスターギャラリーなどがある。博物館のコンテンツでも十分、集客が図れるだろうが、モーレ・アントネッリアーナというトリノでも最も目立つランドマークにて開設したことで、その魅力をさらに向上させることに成功した。そして、それが一人の情熱的な女性によって具体化されたところが素晴らしい。

鍼アイコン107 御堂筋イルミネーション
107 御堂筋イルミネーション

大阪の南北の都市軸である御堂筋。この梅田からなんばへと至る全長4キロメートル街路は年末から年始にかけて、煌びやかなイルミネーションが施される。構想時の理念は、これをイベントで終わらせないで、都市を魅力化させるトリガーとして位置づけるというものであった。単に道路空間だけでなく沿道の建物や寺社、またはランドマーク等もライトアップすることで、御堂筋という回廊全体の夜間景観を見事に演出している。
鍼アイコン108 オルヴィエートのスローシティ運動
108 オルヴィエートのスローシティ運動

オルヴィエートは人口が2万人とはとても思えないほど個店が多く存在し、それで生活を回していくことができている。そして、このスローシティの街づくりをすることで、ほとんどお金はいらない。それは、グローバリゼーション下で、自らが置かれた立ち位置の解釈を変えただけのことである。今、オルヴィエートはスローシティとして、安らぎと美味しいワインを求めた観光客を集めるようになっている。

鍼アイコン109 オスカー・ニーマイヤー博物館
109 オスカー・ニーマイヤー博物館

ここは更地に新しくつくった訳ではない。人々から忘れ去られていたニーマイヤーの建築物をも新たに再生するという意義も有していたのである。計画当時、パラナ州には美術系の博物館がなかった。その中で、クリチバでは唯一のオスカー・ニーマイヤー設計の建物が候補に挙がり、隣接して新たに強烈なランドマークとしての建物を設計してもらえるようオスカー・ニーマイヤー本人に依頼をした。巨大な目玉のような建物は、つくられた瞬間にクリチバのランドマークになるものであった。

鍼アイコン110 バリグイ公園
110 バリグイ公園

計画当時、市長であったジャイメ・レルネルは、河川沿いの土地を市役所が買い取って公園にしてしまおう、と考えた。しかし、70年代初め頃のブラジルにはいわゆる公園という概念がなかった。公園の概念がない、ということは公園を整備するための予算もないということである。そこで、レルネルは洪水という災害を防止するための緑地整備ということで、連邦政府の防災予算を引き出し、それで土地を獲得して公園を整備し始めた。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【連載】 第10回 サービス業から見る東京各エリアの魅力

第10回 東京各エリアにおける生活関連サービス事業比較

 本レポートは「都市生活とサービス化社会」というテーマの元、毎月さまざまなテーマで作成しているが、その基礎データとなっているのは「経済センサス【総務省】」や「サービス業調査【総務省】」だ。しかし、それら日本のサービス業に関する統計データは、製造業を主として構築された統計データのためもあり、サービス業の産業的概念が現実の社会に向き合った整理ができておらず、サービス業に関する統計は計測方法などでかなり遅れている。本レポートもその情報の壁にぶつかりながら、都市生活のサービス業について分析を進めている。

 現代の日本では、生活に必要な商品はすでに広く行き渡っているので「モノ」が内需を牽引するのは難しい。新しい需要が喚起されるのは、サービス分野においてであり、サービス業への期待は高まるばかりだ。消費がモノからからコトへと総シフト化しており、総売上高が約280兆円以上の規模(サービス業調査2016年)のサービス産業は、社会経済の主役に付け入る口が出てきた。その意味からしても、都市生活とサービス業は研究対象として最重視されるべきだ。しかも、そこには内需経済への転換も必要とされるが、日本の最大の社会問題である「待ったなしの少子高齢社会」への課題解決が控えている。

 日本のサービスは全国で均一化されており、差別化されていないという問題を抱えており、それこそがサービス産業が伸び悩んでいる理由だ。いかに、他の業種や他の地域にない特徴を打ち出して差別化するかが課題だ。

 こともあろうか、今年のトランプ米大統領就任以降、日本のサービス業ににわかに焦点が当てられるようになった。トランプ米大統領のアメリカファースト主義経済政策のトランプ旋風は、実は、裏を返せば日本経済にサービス業を中心とする内需経済への転換を促すということになりそうだ。

 サービス事業が都市の中でどう根付いているのか?その東京23区の実態を見る。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

【連載】 第9回 サービス業から見る東京各エリアの魅力

第9回 サービス業から見る東京各エリアの魅力

 2020東京オリンピック・パラリンピック開催まであと3年をとなった。その時点で訪日外国人は、4千万人と言う。東京は宿泊ホテル、移動手段など「おもてなしのサービス」が出来るのかその供給体制に不安がある。一方、その4千万人を迎える側の東京は少子高齢化、単身世帯の増加など社会環境も大きく変化している。その中で老人介護、子育て、健康、生活支援など生活ニーズは多様化するが、その多様なニーズに応えるサービス供給が、十分にできるのか大きな不安がある。

 サービス化社会と言われて久しいが、現在の東京都市圏各エリアでの生活サービス事業の供給実態は、まだよく認識されていない。生活に密着し生活に不可欠なサービス事業(物販・飲食・各種サービス等)はどの程度供給されているのか。
本レポートでは、東京都市圏が多様なエリアの姿を見せる中、各行政区エリアとその地域のサービス業の供給度合いを都市の魅力という視点から数回にわたり、エリアの多様化に注目し分析を進めてきた。今回はサービス業を軸にして東京各エリアの各サービス分野の充実度の違いを都市の魅力という視点から見てみた。

 都市には様々なサービス事業が立地しているが、それらのサービス事業が各行政区エリアでどのように受け入れられているのか、また、各地でどのような種類のサービス業が充実しているのか?そしてそのサービス業は、都市生活者に何を提供するのか。その提供するサービス内容は都市の魅力因子である「生活の便利性」や「安全性」、あるいは「快適性」とどう相関するのか?

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

【データベース】 都市の鍼治療 No.101~No.105

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン101 観塘プロムナード
101 観塘プロムナード

ジョギングをしている人、ギターの演奏をしている人、運動器具でシェイプアップしている人、散策をしている人、パーゴラの下で読書をしている人などを見るにつけ、優れた公共空間を整備することで都市生活はかくも豊かになるのだな、ということを改めて確認する。香港の九龍東地区は、世界でも最も人口密度の高い都市空間の一つである。そのような都市空間においては、いかにアメニティを確保させるかが、そのサステイナブル性を維持させていくうえでは極めて重要である。

鍼アイコン102 観塘工業文化公園
102 観塘工業文化公園

香港の九龍東にある観塘地区では、啓徳空港の使用停止を契機とした大規模再開発計画(320ヘクタール)を策定、現在、それに基づいた開発が進展中である。同計画では九龍東は香港島の中環地区に次ぐ第二のビジネス・センターとして位置づけられ、そのために、ここで働く人々にとってアメニティの高い公共空間を提供する計画が立てられた。

鍼アイコン103 魚らんラボラトリー(魚ラボ)
103 魚らんラボラトリー(魚ラボ)

魚らん商店会は港区の白金高輪駅そばにある商店街を主体とした組織である。その会議室を明治学院大学の経済学科の服部ゼミナールが2013年から週に2回ほど借りて、商店街を対象とした地域研究を行っている。そして、その縁で商店街のイベント等に学生を参画させてもらったり、地元のゆるキャラを作成したりする、地元のローカル・アイドルを結成させるなど、地域の情報発信に取り組んでいる。

鍼アイコン104 メトロポール・パラソル
104 メトロポール・パラソル

完成してから5年、この建物は近代的で極めてユニークな意匠が為されているにも関わらず、世界遺産にも指定されている地区を擁するセビージャの旧市街地に見事に融和している。高さと屋根の緩やかに隆起する意匠が見事に周辺の建物と調和しているからだ。それにも関わらず、メトロポール・パラソルの屋根に架けられた歩道からはセビージャの市街地の見事な展望を得ることができる。また、その歩道は緩やかに高低差が変化をすることで多様な視座を通行するものに提供してくれるので、ちょっとした空中散歩のような感覚を与えてくれる。

鍼アイコン105 エスプラナーデ公園
105 エスプラナーデ公園

エスプラナーデはヘルシンキの中心、フェリー乗り場とスウェーデン劇場とを結ぶ場所に位置する回廊状の公園である。その両側にはノース・エスプラナーデ、サウス・エスプラナーデという名前の一方通行の道路が走っている。ヘルシンキの住民は、この公園を「エスパ」と呼び、親しんでいる。その面積は1.75ヘクタールと決して広くはないが、その長細い形状が実際より、広いイメージを与える。フィンランドでおそらく最も有名な公園であると指摘されている。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【連載】第8回 昼間人口とサービス業の相関から見る地域社会の魅力

第8回 昼間人口とサービス業の相関から見る地域社会の魅力

 都市には様々なサービス事業が立地しているが、それらのサービス事業が各行政区エリアでどのように受け入れられているのか、また、各地でどのような種類のサービス業が充実しているのか?そしてそのサービス業は、都市生活者に何を提供するのか。その提供するサービス内容は、都市の魅力の因子である「生活の便利性」や「安全性」、あるいは「快適性」とどう相関するのか?

 本レポートでは、東京都市圏が多様なエリアの姿を見せる中、各行政区エリアとその地域のサービス業の供給度合いを都市の魅力という視点から数回にわたり、エリアの多様化に注目し分析を進めてきた。

 多様化するエリアの分析として、各行政区エリアの「地理条件(歴史や地形、あるいは交通条件など)」から、あるいは「東京都23区各行政区の年齢別人口構成の差異(例えば高齢者人口.核家族世帯など)」、また「単身世帯・シングルライフ」、そして「地価」などいくつかのテーマで多様化する東京の地域について整理し、その上で各地域に立地するサービス業との需給関係を見ながら都市の魅力についてレポートしてきた。

今回は、最も地域の動的な姿を示唆する「昼間人口」に注目し、多様化している地域と、その地域のサービス業との相関をとおして東京各エリアの都市の魅力を見てみた。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

【セミナー講演録】 第29回ハイライフセミナー  都市の魅力を構成する要素とは?Phase2  2015年度研究報告 「東京10km~ 20km圏、その魅力。 “ 生き続けられるまち”とは?」

 当財団では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を目的に都市生活研究を行っています。都市生活とは、高度に産業化した社会での現代のライフスタイルと定義され、戦後わが国では、経済の発展と産業の高度化により都市機能が整備され、モノの普及も相まって豊かな生活が実現されてきました。しかしながら、生活環境と個人の二つの側面で『都市化』が進行し、めまぐるしく変化する現代の生活環境(経済環境の変化、社会構造の変化、超高齢社会)のなかで、「持続可能な都市居住」を考えるにあたり大きな問題がいくつも浮上してきています。 
 このような厳しい環境変化の中で、今なお活性化しているまちが、東京10㎞~20㎞圏の“準都心エリア”に多数存在していることを注目し、2014年度から2年間に亘り研究を行ってきました。1年目は仮説の抽出のために、当該エリアのマーケティングデータの解析、生活者1,125人に対する調査、国内外の建築・都市計画・環境デザインに携わる著名人への取材を行ないました。

 2015年度は仮説の検証のために、当該エリアに存在する代表的なまちを抽出し、それぞれのまちの地形・風土・歴史、交通網、居住者、産業基盤、商業施設、集客拠点などのマーケティングデータ分析を事前スタディとして行い、そして生活者1350人に対する意識調査、国勢調査データの分析を行ったうえで、フィールドワークチームを編成し踏査を行ない、まちの専門家による分析を施し、『都市の魅力を構成する要素』とは何なのかを解明いたしました。その研究成果の報告の一環として、セミナーを開催させていただき、講演録を編集致しました。

目次

主催者挨拶
櫻井隆治 公益財団法人ハイライフ研究所 専務理事(現:代表理事 副理事長)

<第1部>
◆基調講演
「人間の居る場所」
三浦 展 カルチャースタディーズ研究所代表

◆研究報告
「都市酵母探検隊・研究成果の報告」
服部 圭郎 明治学院大学 経済学部教授

<第2部>
◆パネルディスカッション
「都市の魅力とは」
コーディネーター:服部 圭郎
パネリスト:石田 祐也 水嶋 敦 榎本 元

 

■2015年度研究報告
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13284

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