NEWS

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第二回 現在の生活には満足?幸せを感じるのはどんなとき?

■50代から70代前半男女の多くは現在の生活全般を「まあ満足」と肯定的に捉えている。
■生活分野別で満足度が低いのは「お金」、不安を感じるのは「お金」と「健康」。
■労働力の中核をなす生産年齢に属する次世代シニアよりも現在形シニアの方が「仕事に満足」。
■幸せって。おいしいこと、誰かと一緒に過ごすこと、よく眠れること。たまに旅をすること、そして誰かの役に立つこと。
■女も男も次世代シニアは家族全員と過ごしたとき、現在形シニアはぐっすり眠れたとき、幸せ感じる。
■女性は、幸せの種を生活の中から拾い上げるのが上手?気になる男性60代前半と後半のポイント落差!

今回は「日常生活全般と生活分野別の生活満足度」と「この一年で幸せを感じたとき」を調べた結果についてご紹介します。まず「日常生活全般の満足度」についてみてみましょう。

下のグラフをご覧ください。「やや満足」を含む満足層は全体で約8割、「やや満足」は内7割となりました。

女性より男性の方が、年代が下より上の方がやや高くも見えますが有意な差とはいえません。「やや」に答えが集中するのは断言しない日本人の気質なのか、総じて自らの現在をよしとしつつ「もっと上の満足を」求めているのか、「不満もあるがこれで満足としなければ世間に申し訳ない」という謙虚な気持ちがあるのか、それは様々だと思います。

でも「ちょっと満足度が高過ぎない?」と思った方、多いのではないでしょうか。そこで「内閣府平成28年国民生活に関する世論調査」の類似する質問の答えを見ると、次頁グラフにあるように「まあ満足」は約6割となります。約1割高い数値を示しています。今回の調査対象者が所得、資産、持家状況などの点で世の中の平均よりやや上であることの影響がうかがえます(この点については改めてお話しいたします)。

いずれにしても「まあ満足」と肯定的に今の生活を捉えている人が多数存在することは事実のようです。少し安堵する結果ですが不満層にももちろん眼を向けていく必要があります。
執筆者:主任研究員 福與宜治


■次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=163

 

【データベース】 都市の鍼治療 No.116~No.120

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン116 ポルト・マラビーリャ
116 ポルト・マラビーリャ

リオの市長は「都市のためにオリンピックがあるのだ。オリンピックのために都市がある訳ではない」と頻繁に市民に伝えていたそうである。オリンピック自体がある意味で、極太の都市の鍼治療であるともいえよう。リオデジャネイロは、見事、このオリンピックを用いてオリンピック会場以外であったポルト・マラビーリャをも「治療」し、再生させてしまった。

鍼アイコン117 街中がせせらぎ事業
117 街中がせせらぎ事業

湧き水が出るスポットは都市の中心に多くある。中心市街地が碁盤の目ではないというのは、自動車にとっては不便だが、歩行者にとっては歩きやすい。この歩きやすい環境を活かして、湧き水を再生させ、管理し、それらをめぐる散策路を整備すれば街の活性化に繋がるのではないかという考えのもと、三島市では1996年から「街中がせせらぎ事業」を展開することにした。

鍼アイコン118 黒壁スクエア
118 黒壁スクエア

黒壁スクエアのユニークなところは、地元産業ではないガラスを街づくりのテーマにしたことである。通常、街づくりを考えるうえでは、地元の歴史などそのアイデンティティを活かすことが有効であり、王道であると捉えられている。そのような「法則」を無視した黒壁スクエアのアプローチであったが結果的には大成功であったということが興味深い。ただ、まったくアイデンティティと関係性がなかった訳ではない。ガラスという集客性のあるテーマと、歴史的建築物との見事な組み合わせ。これが、非常に奏功した。

鍼アイコン119 テネシー水族館
119 テネシー水族館

淡水水族館として世界級のテネシー水族館は、チャタヌーガ市の再生を象徴するランドマーク。上の階から下へと降りていくと、あたかもテネシー川の上流から下流へ向かう流れに沿ったように、その場所ごとの生態系が展示され、毎年全米でトップ10の水族館としてランクインされている。計画当初、税金の無駄遣いであるとの批判を受けたことから、税金は周辺の空間を整備するためだけに使われ、水族館は民間の寄付金によって建設された。これが人々の水族館への強い愛着をもたらしたのである。

鍼アイコン120 ひまわり号
120 ひまわり号

鳥取県の江府町、日野町。1996年から2015年にかけての人口減少率はそれぞれ29%と31%。この20年間で3割ほどの人口を失っている。多くの過疎集落を抱え、買物難民が生まれるような条件をほぼ満たしている地域である。しかし、ここではそのような問題は深刻化していない。なぜなら、安達商事という一民間企業が「ひまわり号」という移動販売を提供しているからだ。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【連載】 第2回 東京の交通インフラ鉄道編|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第2回 東京の交通インフラ鉄道編

 東京オリンピック以降、東京一極集中を前提とした経済活動は、人口動向や交通網に大きな影響を与えてきたが、逆もある。東京近郊の鉄道網は次々と東京に乗り入れするなど、東京の鉄道網の路線拡大と輸送の強化で郊外に人口が分散する中、鉄道路線で就業者と都心業務とを結び、その地位を強靭にした。人口の郊外居住化とする分散政策は事実上、東京都心業務機能の集中をもたらした。

 1964年の東京オリンピック開催から約半世紀。2020年に東京で再びオリンピック・パラリンピックが開催されるが、この半世紀で大都市東京は大きく変化した。その大変化を促したのは東京の鉄道網の拡充に他ならない。交通網の拡充による駅利用者の増減動向は、東京各地の都市機能に大きな変化を生んでいる。駅利用者が増えた多くの駅前は、ほとんど商業ビルが立ち並ぶようになった。都市機能の強化を促した東京の鉄道だが、その鉄道網は東京の郊外に道路と共に伸びる放射状に形成されているため、ラッシュ時などの満員電車や交通渋滞については、以前より緩和されているものの、根本的に解消される見通しは立っていない。また、居住地の選択は交通の利便性が重視され、通勤・通学や買い物を含む日常生活においても交通の利便性が問われるようになっている。現在、東京では一極集中した多くの都市機能をどう再編するのか、組み替えてゆくのかが課題となっているが、その解決策は、各地域の交通機能のダイナミックな再編がカギになる。

 本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートである、今回の第2回レポートは『交通』編である。現在の集中し続けた交通という都市機能がどのように発展し、変化してきたのかを確認する。(第1回レポートは『人口』編 5月25日発行

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

【新連載】 次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

第1回 生活時間でみる一日の暮らし方。「起きる」から「寝る」まで。

次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動

当財団では平成28年度より超高齢社会の将来を見据え、現在の50代から70代の生活行動、生活意識、生活志向を探り、2020年、2025年の超高齢社会はどのように変化するのかを研究しております。

超高齢社会を人口動態的な量的変容のみならず、現50代が高齢者になったときの質的変容を予測します。現50代が、超高齢社会にどのような影響を及ぼすのか?また次世代の高齢者の“生きがい”とはどうあるべきか?“幸せ”とは何か?“拠りどころ”は何か?を探ることが重要であると考え、次の5つを目的に調査を実施しました。

①高齢者の「行動」「志向」「価値観」を明確化する。
②「行動」「志向」「価値観」における、高齢者内での“世代間格差”を検証する。
③「行動」「志向」「価値観」における、高齢者内での“男女間格差”を検証する。
④高齢者のクラスター分類を明確化する。
⑤現50代が高齢者になったときのことを見極める。
(高齢者マーケット全体に与える影響力の検証)調査報告書の発行に先駆け、ここでは、その調査結果の一部を連載コラムとしてお届けいたします。第1回目のテーマは、“生活時間でみる一日の暮らし方。「起きる」から「寝る」まで。”です。

 

【次世代シニア調査概要】 
①調査対象:東京30㎞圏に居住する満51歳~75歳の一般男女
②標本数(有効回収数):500
③標本抽出法:エリアサンプリング法
④調査方法:留置法(訪問して調査票配布→対象者記入→訪問回収)
⑤調査時期:平成28年10月28日~11月14日
⑥調査会社:㈱行動科学研究所

 

■次世代シニアと現在形シニア・その意識と行動
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=163

【データベース】 ジャイメ・レルネル氏インタビュー|都市の鍼治療

「都市の鍼治療」データベース

「よりよい都市を目指すには、スピードが重要です。なぜなら、創造は「始める」ということだからです。我々はプロジェクトが完了したり、すべての答えが準備されたりするまで待つ必要ないのです。時には、ただ始めた方がいい場合もあるのです。そして、そのアイデアに人々がどのように反応するかをみればいいのです。」(ジャイメ・レルネル)

今回は、「都市の鍼治療」の提唱者であり、人間都市「クリチバの奇跡」で知られる元クリチバ市長、ジャイメ・レルネル氏へのインタビューをお送りします。

目次
・都市計画の優れた事例を市民と共有することの重要性
・パリは「都市の鍼治療」の宝庫
・都市における市場(いちば)の重要性
・ショッピングセンターに欠けているもの
・優れた建築は静穏、ダメな建築はエゴ建築

お話:ジャイメ・レルネル(元クリチバ市長)
取材:服部圭郎(明治学院大学教授)

制作:公益財団法人ハイライフ研究所

 

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【連載】 第1回 東京の人口編|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第1回 東京の人口編

 1964年の東京オリンピック開催から約半世紀。2020年に東京で再びオリンピックが開催されるが、この半世紀で大都市、特に東京は大きく変化した。確かに1964年の東京オリンピック開催を機に、東京は都市としてピークを迎えた。しかし、50年を経過する中、オリンピック開催に合わせてできあがった多くのインフラ(交通道路・建築物など)は老朽化している。この老朽化したインフラをいかに更新していくかが、東京という都市の喫緊の課題だ。オリンピックに合わせた数兆円のインフラ投資では、現在の都市問題の解決は難しい。2020年東京オリンピック開催にその解決への期待が寄せられているが、東京の都市の現場を見る限り東京の都市問題は別のところにあり、オリンピックとはあまり関係なさそうだ。現在の東京の都市問題は1964年東京オリンピック以降、約50年間東京に一極集中したことから生じた諸問題の解決にあり、一極集中した多くの都市機能をどう再編するのか組み替えてゆくのかである。

 集中と拡大により形成された都市機能をどのように再編するのかを考えるには、現在の集中した都市機能がどのように発展し、変化してきたのかを確認する必要がある。すなわち、東京の歴史でもあり東京の総括であり、「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測し、都市東京がどのように移り変わってきたのか? の確認である。

 今回第1回レポートは、その視点から人口に焦点を当て、東京の人口や地域構造がどのように変化しているのかを総括した。

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

すべて見る

公益財団法人ハイライフ研究所

アクセスランキング ベスト30