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【連載】 第4回 地域の年齢別人口構造の変化とサービス業の事業立地|都市生活者とサービス化社会

第4回 地域の年齢別人口構造の変化とサービス業の事業立地

 日本の人口が減少する中、東京の人口はここ2000年ころから増加に転じ、増え続けている。しかし、年齢別人口構造に大きな変化が出始めている。東京都の各行政区や首都圏各地では、老人ホーム、保育園など少子高齢社会の本質的な問題が急浮上している。

 現在の都市圏各エリアでは、少子高齢社会を前にして地域対応の生活サービス事業の供給実態は、まだよく認識されていない。生活に密着し生活に不可欠なサービス事業(物販・飲食・各種サービスなど)は、どの程度供給されているのだろうか。

 人口が多く人口密度が高いエリアにおいてサービス業は多く集積する。多くの人が日常生活において繰り返す基本的な活動は、主に食事、排泄、整容(着替え、洗面、歯みがき、整髪など)、移動、入浴などの生活行為・動作で、これは生活していく上では不可欠な行動である。その活動を支えるのは地域にある小売業を含めた多様なサービス業である。そのサービス業の地域における供給状況と都市生活の新たな動きとは大きな相関がある。

 前回までは、多様なサービス業が都市生活の中でどのようなシーンで利用され、それらサービス業が東京の都市生活の魅力(便利性や安全性、快適性など)とどのような相関関係を持っているのかを東京都区部行政区ごとにレポートしてきた。

 今回は、東京都内各地で課題となりつつある少子高齢化など年齢別人口構造に注目し、高齢化が進むエリア、子育て世代の多いエリア、働き手が多く居住するエリアなど、様々なエリアが顕在し始めている中、それぞれのエリアごとのサービス事業の分布や供給力を分析した。


執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

【映像報告】 第29回ハイライフセミナー 都市の魅力を構成する要素とは?
PHASE2「東京10㎞~20㎞圏、その魅力。 生き続けられるまちとは?」

◆開催趣旨
 当財団では創設以来、「都市生活者のよりよい生活の実現」を目的に都市生活研究を行っています。都市生活とは、高度に産業化した社会での現代のライフスタイルと定義され、戦後わが国では、経済の発展と産業の高度化により都市機能が整備され、モノの普及も相まって豊かな生活が実現されてきました。しかしながら、生活環境と個人の二つの側面で『都市化』が進行し、めまぐるしく変化する現代の生活環境(経済環境の変化、社会構造の変化、超高齢社会)のなかで、「持続可能な都市居住」を考えるにあたり大きな問題がいくつも浮上してきています。 
 このような厳しい環境変化の中で、今なお活性化しているまちが、東京10㎞~20㎞圏の“準都心エリア”に多数存在していることを注目し、2014年度から2年間に亘り研究を行ってきました。1年目は仮説の抽出のために、当該エリアのマーケティングデータの解析、生活者1,125人に対する調査、国内外の建築・都市計画・環境デザインに携わる著名人への取材を行ないました。

 2015年度は仮説の検証のために、当該エリアに存在する代表的なまちを抽出し、それぞれのまちの地形・風土・歴史、交通網、居住者、産業基盤、商業施設、集客拠点などのマーケティングデータ分析を事前スタディとして行い、そして生活者1350人に対する意識調査、国勢調査データの分析を行ったうえで、フィールドワークチームを編成し踏査を行ない、まちの専門家による分析を施し、『都市の魅力を構成する要素』とは何なのかを解明いたしました。その研究成果の報告の一環として、セミナーを開催させていただきます。

◆プログラム
1.主催者挨拶 
櫻井隆治 / 公益財団法人ハイライフ研究所専務理事

<第1部 基調講演>
2.人間の居る場所
三浦 展 (カルチャースタディーズ研究所代表)

<第2部 研究報告>
3.都市酵母探検隊・研究成果の報告
服部圭郎 (明治学院大学経済学部教授)

<第3部 パネルディスカッション>
4.ちいさな建築とちいさな出来事が都市を変える
石田裕也 (建築家 一級建築士事務所ヌーブ)

5.ブランド視点で捉えるまちの魅力
水島 敦 (自由学園最高学部特任教授)

6.データから見た都市の魅力を構成する要素
榎本 元 (株式会社 読売広告社 執行役員)

7.ディスカッション
パネリスト:水嶋 敦 / 石田祐也 / 榎本 元 
コーディネーター: 服部圭郎

◆日程: 2016年5月17日(火)
◆時間: 13:00~16:40(開場12:30)
◆会場: 東京国際フォーラム ガラス棟会議室 G701
◆料金: 無料(事前申込み・定員130名)
◆主催: 公益財団法人ハイライフ研究所
◆協力: 株式会社読売広告社 都市生活研究所

■第29回ハイライフセミナー 都市の魅力を構成する要素とは? PHASE2
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13170

 

【データベース】 都市の鍼治療 No.86~No.90

「都市の鍼治療」データベース

 クリチバのジャイメ・レルネル元市長は、都市が抱える問題を手っ取り早く解決するべき方法論として「都市の鍼治療」を提唱しています。

 多くの課題に直面する都市は、さながら病人のようです。そして、都市の鍼治療とは、その都市の病を根本的に治すことは難しいけれども、効果的に「鍼療法のように治す」ことは可能であるという考え方にもとづいた方法論です。

 本データベースは、このレルネル元市長の「都市の鍼治療」という考えにのっとり、内外の「都市の鍼治療」事例をシリーズで紹介していきます。


鍼アイコン086 セオドア・シュトローム通りの減築プロジェクト(Dismantling Project of Theodor Strom Strasse)
086 セオドア・シュトローム通りの減築プロジェクト(Dismantling Project of Theodor Strom Strasse)

ザクセンドルフ・マドローには、これまで3度訪れている。2006年、2010年、2016年である。2006年に訪れた時は、セオドア・シュトローム通り沿いの高層棟の撤去を行っていた。大きなクレーンで建物を壊していく様子は凄まじい迫力であった。ドイツはやることが過激だな、という印象を受けたことを覚えている。さて、しかし、その後、訪れるたびにザクセンドルフ・マドローのまちはよくなっていると感じる。人口は依然として減少してはいるのだが、住環境は改善され、人々の表情も明るくなっているように見受けられる。

鍼アイコン087 郡上八幡の空き家プロジェクト
087 郡上八幡の空き家プロジェクト

まず空き家所有者は空き家を10年間低額で公社に貸し付けをする。そして、公社は空き家を10年間借り受け、空き家を改修し、維持管理業務をし、入居者募集をして、選定、入居手続き業務をする。加えて、家賃徴収や苦情、トラブル対応もする。空き家所有者は税金、火災保険などは負担をするが、事務的な手間は公社がほとんど対応してくれる。

鍼アイコン 088 ジズコフ駅(Zizkov Station)の再生プロジェクト
088 ジズコフ駅(Zizkov Station)の再生プロジェクト

無骨で巨大な産業建築の中に、お洒落なお花畑やバーなどがある。私が訪れた時は、ランドスケープの展示がされていたが、それを眺めながらゆったりと産業遺産の巨大な構造物の中でビールを飲むのは、なかなかの空間体験である。廃墟好きにはたまらないであろう。

鍼アイコン089 ヴィレッジ・ホームズ
089 ヴィレッジ・ホームズ

ヴィレッジ・ホームズで印象に残るのは、そこで生活している人々が、周辺の自然環境と共生していることが感覚的に理解できることである。まず、子供達が子供のように外で遊んでいる。住宅地が子供達を社会化させるうえで、しっかりとその役割を果たしている。住宅の市有地を削って、その分、公有地を増やした。その最大の成果であるローン(芝生)のゆとりある空間がつくりあげる豊かさ。コミュニティの豊かさは、この公共空間の質がもたらすのである、ということをヴィレッジ・ホームズに来ると改めて理解する。

鍼アイコン090 デッサウ「赤い糸」
090 デッサウ「赤い糸」

デッサウでは、住宅市場の供給過剰に対応するために不要な建物を撤去した跡地を、「図」ではなくむしろ「地」に注目した都市像として提示している。そして、この「地」を空間的にネットワーク化し、新しく創出されたランドスケープを人々に認識してもらうために、それらを「赤い糸」で繋ぐことにした。空間への理解を促すことで、人々は将来の都市像を認識し、またコミュニティがそのイメージを共有することで、初めて将来への対話が生まれる。

 

取材・構成
服部圭郎 明治学院大学経済学部教授

制作・配信
公益財団法人ハイライフ研究所

■都市の鍼治療 データベース
http://www.hilife.or.jp/cities

【連載】 第2回 サービス業から見る都市の魅力度(準都心エリア)|都市生活者とサービス化社会

第2回 サービス業から見る都市の魅力度(準都心エリア)

 最近、東京都の各行政区や首都圏各地で老人ホーム、保育園など少子高齢社会の本質的な問題が急浮上してきている。しかし、現在の都市圏各エリアでは、少子高齢社会を前にして地域対応の生活サービス事業の供給実態はまだよく認識されていない。生活に密着し生活に不可欠なサービス事業(物販・飲食・各種サービスなど)はどの程度供給されているのだろうか。

 地域とサービス業については、人口が多く人口密度が高いエリアにおいてサービス業は多く集積する。多くの人が日常生活において繰り返す基本的な活動は、主に食事、排泄、整容(着替え、洗面、歯みがき、整髪など)、移動、入浴などの生活行為・動作で、これは生活していく上では不可欠な行動である。その活動を支えるのは地域にある小売業を含めた多様なサービス業である。

 前回レポートでは、多様なサービス業が、都市生活の中でどのようなシーンで利用されるのかという視点から多種多様なサービス業を整理し、それらが各都市エリアでどのように分布しているのかを見て、それらサービス業が東京各行政区でどれくらい事業所化されているのかをレポートした。

 今回はそれらのサービス事業と生活の便利性や安全性、快適性などの都市の魅力との相関関係を整理し、サービス業から見た東京都行政区の魅力度別ランキングをレポートする。

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

【調査報告】「都市生活者意識調査2015」データ編及び、分析編

 

【調査の目的】
 当財団では創設以来、「生活者のよりよい生活の実現に向けての調査研究」を行っていく上での基礎研究として、都市を中心とした生活者のニーズや、ライフスタイルを把握する総合調査を長期的視点に立ち2015年度も継続し、実施致しました。
 この調査結果を開示させて頂き、研究者や都市居住開発・創造にかかわる幅広い組織・個人の方々に発信することで、社会に貢献していくことを目標にしております。
 
【2015年度の調査内容】

 本調査は、都市生活者の生活意識を幅広く捉え、その現状を把握するとともに、継続実施した過去の調査結果の時系列変化を把握することで実情と動向を明らかにすることを目的とした白書的な位置づけの調査となっておりましたが、2014年度の調査より当研究所の2つの研究テーマとリンクした設問(2015年度は「同居・近居」、「多拠点居住」、「都市の魅力要素」)を加え、研究・調査それぞれの充実化を図って参りました。
 また、2015年度調査では、きたるべき2025年に団塊世代が後期高齢者となり、超高齢化社会を迎え、住生活をはじめとする衣食住あらゆるジャンルにおいて大きな課題が生まれるであろうことを推察し、2020年以降の社会を見据え、高齢者の標本数を増やし、その生活行動と生活意識についての設問も充実させました。

■2015年度研究報告
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=13284

【新連載】 第1回 産業分類表から見る都市生活サービス事業|都市生活者とサービス化社会

第1回 産業分類表から見る都市生活サービス事業
東京都特別区23区の事業所

東京都市圏の人口は戦後急増し、日本の高度経済成長期の1960年代,70年代に減り続けた。しかし、1990年頃から都心部を中心に人口回帰現象が起こり、東京の人口は再び増え、増加エリアは都心3区から都心周辺の区部に広がっていった。その結果、一時沈滞化していた東京10㌔圏前後にある街(準都心エリア)が活気を取り戻し、職住近接の居住地として再び脚光を浴びた。2010年以降は人口回帰現象が一段落し、準都心エリアの人口は単身居住者増を伴いつつ、少子化と高齢化が顕在化しはじめた。そして十数年後の2030年の東京の人口は、一部の行政区を除き「高齢化というマンモス都市」になるという。急速に進行する人口減や高齢化に対し東京都市圏の地域社会はどう対応すればよいのか。 

しかし、現在の都市圏各エリアでは、少子高齢社会を前にして地域対応の生活サービス事業の供給実態が、まだよく認識されていない。最近になって老人ホーム、保育園などの本質的な問題が急浮上している。生活に密着し生活に不可欠なサービス事業(物販・飲食・各種サービス等)は、どの程度供給されているのか。 

少子高齢化、男女共同参画、健康意識の高まり、単身世帯の増加など、社会環境は大きく変化し、その中で暮らす生活者のニーズは様々な広がりを見せている。そのような多様なニーズに応える子育て、健康、生活支援などのサービスや、加えて、事業者の新分野進出支援、 サービスの提供者と生活者の需要供給マッチング支援などの育成・振興もチェックしておきたいサービス事業だ。 

生活者の多様なニーズは事業者にとってはビジネスチャンス。現在、生活者は巨大な需要を抱えたまま、高品質で安定したサービスを心待ちにしている。生活者の多様なニーズに耳を傾け、常に新しいニーズを探し続けることが事業者の新たなサービス開発に繋がり、生活者の生活満足度を向上させ、事業者にとっては新たなサービスの提供、そして雇用の創出。生活者にとっては生活満足度の向上となる。

今回のレポートでは、地域生活(東京都心、副都心、準都心の各行政区)において衣食住など基礎的な生活や便利で安心、安全な生活・快適な生活を提供する事業(小売業、飲食業、各種サービス業)の地域分布状況を「平成24年経済センサス統計・事業所統計」から確認する。


執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員・クレディセゾンアドバイザリースタッフ
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか


■都市生活者とサービス化社会
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=156

 

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