1回目の黒綿土ブロックの試作では、黒綿土ブロック制作で主に使われる、黒綿土、マラム(赤土)、消石灰、食塩水、サイザル麻繊維に加え、ローマンコンクリートにならい火山灰を硬化に用いることとなりました。黒綿土、マラム、消石灰、食塩水、サイザル麻繊維に異なる比率の火山灰を混入し、その効果をみるものです。
材料を混ぜ合わせる
黒綿土ブロックのワークショップでは、材料に直に触れながら作りました。手で混ぜるときの重みや乾き具合の変化など、黒綿土が持っている性質を身体で感じ取れたことは、現地での学びをより実感のあるものにしてくれました。
食塩水を加えて混ぜ合わせる
黒綿土の粒子表面は負電荷を帯びており、そこに含まれるナトリウムやカルシウムなどの陽イオンが層間のバランスを支えています。ここに塩水(主成分はNa+とCl-)を加えると、液中のナトリウムイオンが黒綿土の層間に入り込み、粒子同士の電気的な反発が弱まり、土が締まりやすい状態になります。さらに、消石灰(Ca(OH)₂)と水分が反応して形成されるカルシウムイオンが、粒子同士を架橋するように働き、全体がより強固に固まっていきます。
実際に作業をすると、食塩水を加えた瞬間に 材料がわずかに重くまとまるような手触りの変化 を感じます。粒子同士が再配置を始め、固化に向けて動き出す初期反応のサインです。机上だけでは捉えにくい、素材が“生きて反応する”感触を手で確かめられることは、このワークショップならではの貴重な体験でした。
型に流し込む
まずは型枠へと材料を流し込む工程に移る。食塩水によって土の粒子がわずかに締まりはじめ、全体がまとまりやすくなるため、この段階からすでに手触りの変化を感じ取ることができました。型に流し込む際は、空気を含ませないよう丁寧に均一に広げることが重要で、手とスコップを使いながら、材料の密度が偏らないよう慎重に整えていきます。
圧縮ブロック機を使って押し固める
流し込んだ材料は、圧縮ブロック機と呼ばれる器具を用いて手動でプレスします。この機器はレバーを引き下ろすことで内部の型に大きな圧力をかけ、黒綿土の粒子同士を強制的に密着させる仕組みになっていて、実際に操作してみると、そのレバーは簡単には下りず、体重をかけながら何度も力を加える必要があります。押し固める動作のたびに、内部の材料が締まり、徐々にブロックとしての形を帯びていくのが分かりました。この圧縮作業は、黒綿土が固化反応を起こすための密度をつくり出す重要な工程であり、見た目以上に体力を要します。力を込めてプレスしながら、素材が「土」から「建材」へと変わっていく過程を実感することができました。
乾燥させる
圧縮ブロック機で成形した黒綿土ブロックは、その後の乾燥工程によって強度を高めます。しかし現段階では、乾燥させると黒綿土が収縮し、表面にひび割れが生じてしまいました。これは黒綿土が本来持つ膨潤・収縮特性によるものだと考えられ、安定した建材として利用するためには、さらなる改良が不可欠です。
今回のワークショップでは、この問題点を確認するところまでとなり、次回8/4のワークショップでは土とセメントの専門家を招き、新たな配合や固化方法を検討しながら、より実用的なブロックの開発を進めていきます。