[KAIST]ケニア政府が推進するKonza Techno Cityの一角であるKAISTの視察
調査4日目は、韓国の教育モデルを輸入した「KAIST(ケニア科学技術院)」という大学機関と、「Konza Technopolis(コンザ・テクノポリス)」と呼ばれる技術革新都市への視察に向かいました。
ケニアの首都ナイロビから南東側に60キロほど離れている地域に、未来のテクノロジー・ハブとしての活躍を期待されているのが、「Konza Technopolis」という技術革新都市になります。
広大な未開拓の土地に突如として現れたこの場所は、それまで私たちが目にしてきた生活の痕跡が色濃いアフリカの風景とは全く異なり、まるで違う国に来たような感覚を覚えました。
この場所で私たちが感じたのは、都市計画の「一歩目」を見る面白さです。未開発な土地だからこそ、道路や信号、宿舎などの街のような機能と、学校として必要な機能を同時に作り、都市の計画と建築の計画を同時に行うことができるという特異な状況がありました。
広大な未開拓の土地に道路と信号だけが整備されている風景や、そこに点在する建物の存在に違和感を覚えると同時に、都市計画がどのように進んでいくのかを実際に経験し、感じることが出来ました。
特に、学校を中心として都市が広がっていくという計画が現実の現場で行われていることに興味を惹かれました。これは、現代の都市計画においては少し古い考えとされている手法でもあります。だからこそ、私たちは文献や写真で学ぶ都市計画を、この目で実際に確かめることができ、その難しさや複雑さといった、文字だけでは感じることができない現場のリアリティを体験することができました。
[Heritage Leisure Park]ヴァナキュラー建築が展示されている公園へ
KAISTを出た後は、ヴァナキュラー建築が残るHeritage Leisure Parkを見学しました。
Heritage Leisure Park内の建築は、日本の東屋のような建築が多く、外気に触れながら過ごす現地の暮らしを想像させてくれました。これは、ケニアが年間を通して、暑すぎず寒すぎない気候で、外でも過ごしやすいことが影響しているのかもしれません。
そして、今回、Heritage Leisure Park内の建築で気になったのは、タイヤという素材でした。タイヤは、屋外階段や土台の一部として使われていたものがあったのですが、そのタイヤの表現が、「化粧タイヤ」とも「タイヤ装飾」ともいえるものがあり、タイヤの見せ方に関して、新たな魅力を感じました。
まず、タイヤに刻まれた模様にはトレッドパターンと呼ばれる種類があり、屋外階段のものには、「リブ型パターン」という波線を連続させたものが使われており、階段を上がる際のリズムにあったタイヤを選択しているところに、空間への配慮がうかがえます。
土を装飾して、タイヤを完全に不可視化することはせず、タイヤの側面に塗装という化粧を施すことで、 “木材と土の茶色”や“植物の緑色”に対するアクセントとして、「化粧タイヤ」を利用しています。
「リブ型パターン」の見栄えを補完するトリコロールカラーは、人工的な波線という近代的な言語に、土着的な色彩を付与することで、近代ヴァナキュラーの様相を呈しているといえるでしょう。
海外に行くと、「そこにしかないもの」に目が行きがちになりますが、「そこにしかないもの」と「今そこにあるもの」を掛け合わせることで、今を生きる現地の人々にとって、最も自然体な建築の在り様が現れ、その様相そのものを近代ヴァナキュラーと呼ぶことができるのではないかと感じた見学でした。
OSAケニアのエマニュエルさんの果樹農園にご招待いただきました
公園を出た後は、OSAケニアのエマニュエルさんの邸宅に招待していただきました。
周辺にほとんど建築はなく、農場や草地が広がっていました。エマニュエルさんの奥様のフローレンスさんが豪華な料理で迎えてくださり、現地の学生や教授と共に、ケニアの風を感じながらとても素晴らしい時間を過ごせました。
エマニュエルさんのお家の近くにあり、OSAケニアが所有する敷地面積4haのコンザ農園にも訪れました。
斜面地形になっており、目の前には壮大なアフリカ大陸が広がっていました。
現在は地下250m掘った井戸のみがあり、今後はドラゴンフルーツの農園を計画しているとききました。
近くにはトマトの木や蟻塚が多数あり、原始的な自然を体感することもできました。