ラベット・パーク(Stadtteilpark Rabet)

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キーワード:

ドイツ, 公園, 都市公園, 市民参加, 減築

鍼レベル:

ストーリー:

 ライプチッヒ市の都心部、ライプチッヒ中央駅の東部に位置する地区(東ライプチッヒ地区)は、19世紀に建てられた古い集合住宅が集積していたのだが、これら集合住宅は空室率が高く、再開発が必要な状況にあった。ラベット・パークは、そのような地区の中心に1970 年代につくられた公園であった。
 この東ライプチッヒ地区を都市再生するうえで、このラベット・パークを拡張し、リデザインすることは、極めて重要な戦略として位置づけられた。ラベット・パークは同地区が新生するうえでの象徴的な空間として捉えられたのである。
 公園のリデザインは、近隣の住宅地の住民達が知り合う機会や緑を提供することを意図した。この公園に設置されたユース・センターは、ライプチッヒ市民をこの東ライプチッヒ地区を訪問する機会を増やすことを期待している。
 最初の開発段階では、従来から公園であった場所と南側の荒廃していた住宅群が倒壊された場所とが対象となった。後者は既に市役所が土地を購入していた。第二段階の開発は北側にある地域の幹線道路でもあるアイゼンバーンシュトラッセとのアクセスを確保することを意識した。特に公園の存在を道から認識できるよう、視覚的なアクセスを意識したデザインを施した。また、既存の小学校、保育所が敷地に隣接していたので、公園を児童のフリースペースとしても活用できることを意識した。この開発対象地の私有地も市役所は購入している。また、周辺部の土地公社が保有している土地も、他の市保有地と交換することで確保しようと計画している。
 この公園をデザインするうえでのワークショップは2001年から始まり、2002年から公園の周辺の土地の取得、2004年から工事が始まり、2005年に完成した。
 その目的は、自動車が不在の豊かな質のオープン・スペースを創出すること、多様なスポーツや遊びが行える空間として整備すること、北部にあるアイゼンバーンシュトラッセと南部のラベット・ストリートとを結ぶ動線を供すること、周辺の住民にコミュニティ意識を醸成させるような機会を提供すること、である。
 この公園整備のアウトプットを以下、箇条書きに記す。
・ ラベット公園は従前にくらべて1.3倍(総合計9.6ヘクタール)ほど拡大された。
・ 投資額は464万ユーロ(およそ5億円)
・ ライプチッヒ東地区においてレジャー空間の創出
・ 緑のネットワーク化を図る同地区における重要な要素
・ 微気候の改善
・ それまで減少の一途を辿っていた同地区において人口増加がみられはじめた
・ 公園周辺の古い集合住宅がオーナーの投資によって改修され始めている
・ 新しい高密度の集合住宅が建設され始めている
 この事業のための予算はライプチッヒ市、そして連邦政府の事業「ソシアル・スタット」、「シュタットウンバウ・オスト」、さらにはEUのEFREプログラムからの補助金によって実現された。

ロケーション:

都市の鍼治療としてのポイント:

 ラベット・パークは19世紀に建設されたライプチッヒの東部地区に位置している。この公園のリデザインでは、周辺地域に公園を拡張させることにした。拡張する土地を所有していた住宅公社は、ライプチッヒ市が所有していた他の土地とそれを交換する。また、それと合わせて土地利用等も変更させた。そして、公園を拡張させ、そのデザインも近代的なものへと変容させた結果、この衰退した地区に肯定的なイメージを付与することに成功した。
 空室だらけで荒廃したイメージを与えるような集合住宅の代わりに公園が整備されたのである。公園は土地利用の経済的な効果という観点からいえば、直接的にはプラスではないが、衰退したイメージが強かったライプチッヒの東部地区に、新たな魅力的な公共空間をつくりだしたことは、間接的には、そして長期的には大きなプラスを与えたのではないかと考えられる。ある意味、この地区を大きく変容させるカタリストとしてラベット・パークは期待されたのである。
 この公園がリデザインされたことで、周辺の住民は間違いなく生活の質は向上している。実際、現地をみると、多くの人々がこの公園を憩いの場として、交流の場として楽しんで活用していることが分かる。また、多くの人がこの公園に来ることで、周辺の小売店などにもプラスの影響を及ぼしている。さらに、この高密度に開発された荒廃された住宅地区においては、公園というオープン・スペースはアクセスを改善させると同時に、この公園が核となった同地区の空間配置を再編成させる効果も期待でき、またイメージ・アップにも寄与する。
 それは、地区を改善するための長期的なアプローチであるし、またボトム・アップ的なアプローチでもあるが、資源も少ない衰退した地区においては、絶妙な「都市の鍼治療」として捉えられるのではないかと考えられる。

事業主体:

ライプチッヒ市

事業主体の分類:

自治体

デザイナー、プランナー:

Lützow 7

開業年:

2004年(第一期)、2005年(第二期)

類似事例:

037 スーパーキレン(コペンハーゲン、デンマーク)
036 バナンナ・パーク(コペンハーゲン、デンマーク)
023 ランドシャフト・パーク(デュースブルク、ドイツ)

102 観塘工業文化公園(香港、中国)
110 バリグイ公園(ブラジル)
・ イスラエル広場(コペンハーゲン、デンマーク)
・ ブライアント・パーク(ニューヨーク、アメリカ合衆国)
・ バリグイ・パーク(クリチバ、ブラジル)
・ ラビレット公園(パリ、フランス)

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国:ドイツ
州・県:ザクセン州
市町村:ライプチッヒ市