大変貌する東京の街々|立澤芳男の都市生活データで読む日本の実態シリーズ

第6回 商業ポテンシャルから見た東京の都心と郊外の変化

東京の街は都心・副都心、郊外に関わりなく二つの大きな出来事が同時に進行している。
都心部では新しく出来上がった大型の商業を含む大型複合集客施設に人々が群がり、一方、住宅地として熟成した観のある東京の郊外都市の商店街では、シャッターを閉じる商店や飲食店が続出し、その地域で最大の集客力があった百貨店が消えてゆく。

半世紀以上にわたる東京都市圏の成長と拡大は、結果として、放射状に広がる近郊鉄道沿いの人口密度が高いものの、それらの間の地域では人口密度が低くなる。すなわち、ヒトデ型あるいは星型の都市が出来上がった。そのヒトデの蠢きが四方八方に広がり東京都市圏は拡大した。

ヒトデ型に広がりちりばめられた都市群は、四半世紀を経て、ある一定の経済力や財政力、人口規模を持つに至っている。しかしその都市群は、人口減少社会の温床となる少子・高齢化の波にのまれながら、また、まだ都心依存という形を残しながらも固まりはじめている。

郊外都市の少子高齢化の進展度合いが、その地の成長や衰退を決定的にする。それは取りも直さず地域生活の基盤となっている商業のポテンシャルのアップ・ダウンとなって顕在化する。

とはいっても、都市生活において、郊外の成長(宅地化による人口増)と都心の成長(経済力の向上と業務の拡大)との強い相関関係は崩れない。かつて都心の問題は郊外で解決するといった図式は、いまは郊外の問題を都心が解決するといった逆の展開をし始めた。私鉄の郊外からの都心乗り入れによって副都心がスルーパス状態になり、都心と副都心、副都心と郊外といった交通ネットワークは大きく変わり、東京の大都市化を支えてきた都心⇔副都心⇔郊外といった都市形成の構図は消えていったようだ。

人口の集中と分散を繰り返してきたこの20年間で拡大した東京は、都心も副都心も郊外も自ら何かを仕掛けなければならない事態を迎えている。東京の都市構造を変えてしまったのは何か。今何が起きているのか、何がそこで起こっているのか。地域の商業ポテンシャル変化という視点で、東京の都心と郊外についての課題を探る。(連載6回最終回)

 

執筆:立澤芳男(マーケット・プレイス・オフィス代表)

 

第6回レポート全文は以下のPDFでお読みいただけます。

 第6回 商業ポテンシャルから見た東京の都心と郊外の変化

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