ホスピタリティ研究(平成19年度)

 近代産業社会は、その進展の中で本当の意味での「快」を失った社会に変質してきている。私たちは現在、近代産業社会の臨界状況を示す諸現象に直面する中で、改めて自然観や生命観・人間観のおおもとに立ち帰ってその根本的な見直しを行うという課題を突きつけられています。それは一言で言えば、「マニュアル・サービス型社会」から「ホスピタリティ社会」への転換の模索ともいえます。

 ホスピタリティは私たちが生き暮らすこの課題多き近代産業社会を根本的に組み替えていくための優れて実践的な概念・戦略たる可能性を秘めています。個々人の振る舞いや作法の次元から、人間関係のあり方(コミュニケーションや相互了解のありようも含めて)、社会関係の構造にいたるまで、ホスピタリティは実践的な原理として、それらのあるべき姿を考える上での指針となります。

 今研究ではいまだ定置されていないホスピタリティ概念の明確化からはじめ、最終的にはホスピタリティの概念に基づく人間らしい豊かな暮らしの実現へ向け、ホスピタリティの実践のフレームの提示までを行いたいと考えています。

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研究報告書
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高橋順一
高橋順一
早稲田大学教育学部教授


イントロダクション

1.ホスピタリティ研究の報告
2.ホスピタリティとは何か?
3.今なぜホスピタリティなのか?

 

2006年度の作業仮説と到達点

1.2006年度の作業仮説と到達点
2.2006年度の作業仮説
3.滋賀県・新旭町針江地区
4.京都府・伊根町

新たな理論的枠組み 1

1.新たな理論的枠組み 1
2.「もの」性に対する「こと」性の提示 1
3.「もの」性に対する「こと」性の提示 2
4.「もの」性に対する「こと」性の提示 3
5.「もの」性に対する「こと」性の提示 4
6.五感の組み替えや声の回帰

 

新たな理論的枠組み 2

1.新たな理論的枠組み 2
2.作業仮説の2006年度の補足 1
3.作業仮説の2006年度の補足 2
4.「中間領域」・「里山的なもの」 1
5.「中間領域」・「里山的なもの」 2
6.異質な諸力を調停する持続可能なホスピタリティ社会
7.ホスピタリティ社会と近代的社会

 

現時点における提言

1.現時点における提言
2.コミュニティの自律性と場所の力の回復
3.コミュニティの自律性と場所の力の回復
4.コミュニティの自律性と場所の力の回復
5.中間領域の意味
6.贈与感覚
7.デザイン
8.「アウシュヴィッツを終わらせる」という課題

 

まとめ

1.残された課題
2.まとめ

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