ハイライフ研究所メールマガジン 第38号

2010年1月15日配信  発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局

非常に遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

すでに月半ば。読者の皆様におかれましては、日々の活動・お仕事、学業など、新年の目標に向かって一意専心に取り組んでいらっしゃることと推察いたします。

さて今号のメルマガ。好評をいただいている連載シリーズ「東京生活ジャーナル」では、「街への意識を共有するために」と題するインタビューをお届けします。

また合わせて、ハイライフ研究所の過年度の研究から、東工大の大野教授を中心に「東京生活ジャーナル」チームが足を使って調査した「都市圏居住の価値を探る」(2008年)研究をご紹介します。

さらに動画セミナーでは、当財団が事例紹介に力を入れている「環境首都コンテスト」の先進事例を紹介する、関東地区交流会の模様をお送りします。

そして特別配信の動画番組として、昨年11月22日に千葉県柏の葉で開催されたシンポジウム「いのちと向き合う生涯学習」(さわやかちば県民プラザと千葉大学カレッジリンクの共催)の模様から、講演とパネルディスカッションを2回に分けてご紹介いたします。今回はシンポジウムの講演部分をお届けいたします。

毎回、読者の皆様には「くどい!」と言われている巻頭の文章ですが、今年も少しばかりお許しをいただき、以下を続けます。

1月4日号の『日経ビジネス』の「今週の焦点」で、江崎玲於奈氏(84歳・横浜薬科大学学長)が民主党政権の事業仕分けについて評価されていました。

「公開の場での評価」や「効率を高めること」などについては行政刷新会議の意義を認めつつも、科学・技術の研究については、その鑑識眼(質を見抜く能力)の有無について言及されています。江崎氏は2つのキーワードをあげておられます。

1つは「CANDOR」(実直・公平)。江崎氏は「虚心坦懐」と説明されています。いらぬ先入観を持たないこと。そして2つ目は「TASTE」。普通は、味、風味、好み、趣味というような意味ですが、江崎氏は「審美眼」という意味で述べておられるようです。

江崎氏のこの指摘は、科学・技術の研究機関でない、我々のような研究所によく当てはまる言葉であると深く心に刻みました。

今年も生活者の視点を中心に、様々な話題、「TASTE TOPIC」を「CANDOR」の心でお届けするように努力いたします。

今年も昨年同様によろしくお願いいたします。(HH)


<今号の内容>

1. 街への意識を共有するために 曽我部昌史氏インタビュー(1)
2. 環境首都コンテスト 関東地域交流会 2009 [東松山]
3. カレッジリンク・シンポジウム「“いのち”と向き合う生涯学習」
4. 都市圏居住の価値を探る(2008年研究)
5. (告知) 第18回ハイライフセミナー「食生活力が高齢者の生活を変える」
6. (告知) 第19回ハイライフセミナー「都市の水辺に暮らす」



東京生活ジャーナル

まちづくりフィールドレポート Vol.5
街への意識を共有するために 曽我部昌史氏インタビュー(1)

今回の東京生活ジャーナルでは、埼玉県八潮市の「八潮街並みづくり100年運動」を取り上げます。
以前、このジャーナルでは千葉県佐原の伝統的町並みを生かしたまちづくりを取り上げました。
しかし八潮は佐原のような歴史的資源や特徴を持たない、一般的な住宅や町工場が広がる典型的な郊外のまちです。
むしろ近年つくばエキスプレスが開通するまでは、鉄道もなくある意味取り残された地域と言えました。
そのような場所における街並みづくりとは何を取り上げてどのように進めていけばいいのでしょうか。
八潮の街並みづくりに建築家として関わられている曽我部昌史氏へのインタビューを通して考えていきたいと思います。

東京生活ジャーナル/まちづくりフィールドレポート
http://www.hilife.or.jp/journal2/


2. 環境首都コンテスト 関東地域交流会 2009 [東松山]

ドイツで1990年代に開催された「環境首都コンテスト」をモデルに、日本でも「環境首都」誕生を目標とするコンテストが、2001年から行われています。

2009年11月、東松山市で環境首都コンテストの関東地域交流会が開催されました。 交流会では各自治体の先進事例紹介や持続可能な社会のための戦略提案などの講演が行われました。

紹介画像

先進事例紹介
東京都荒川区
東京都日野市
東京都板橋区
東京都立川市
埼玉県東松山市



詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=2786


3. カレッジリンク・シンポジウム 「“いのち”と向き合う生涯学習」

平成21年12月13日に、さわやかちば県民プラザホール(千葉県柏市)で行われたカレッジリンク・シンポジウム「“いのち”と向き合う生涯学習」の模様を配信。

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当日のパンフレットより
~あなたは豊かに生きていますか?~

今や私達は“いのち”をコントロールするという傲慢さを捨て、どんな“いのち”にもやさしく寄り添いながら、ともに生きていく時代を迎えています。
「どのようにしたら人生を豊かに過ごすことができるのか?」
この生涯にわたる大きなテーマについて、公開シンポジウムで、ともに考えてみませんか?

●パネリスト
松田 義幸 尚美学園大学学長
古在 豊樹 千葉大学前学長
平山 満紀 江戸川大学准教授
奥村 準子 筑波大学附属坂戸高等学校教諭

●コーディネーター
徳山 郁夫 千葉大学教授

●日 時
平成21年12月13日(日) 10:00~15:30
●場 所
さわやかちば県民プラザホール
●主 催
さわやかちば県民プラザ
●共 催
千葉大学
●後 援
柏市
●協 賛
三井不動産(株)
●映像編集・配信協力
財団法人ハイライフ研究所


詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=2836

 



4. 都市圏居住の価値を探る(2008年研究)

目次
第1章. 研究概要
第2章. 都市生活者が感じている価値に関するプレスタディ
第3章. 都市居住者Web アンケート調査 概要
第4章. 都市居住者Web 調査 キーワード抽出 ~自由記述設問の結果概要~
第5章. 調査結果から見えてきた課題
執筆分担



研究体制:
大野隆造 東京工業大学教授 工学博士
若林直子 有限会社 生活環境工房あくと 代表取締役 工学博士
添田昌志 LLP 人間環境デザイン研究所 グランドプランナー 工学博士
辰巳渚 文筆家、マーケティングプランナー
菅原康司 有限会社 生活環境工房あくと

研究協力:
榎本元 株式会社読売広告社 都市生活局 局長
柿沼裕之 株式会社 読売広告社 都市生活局
鶴田明希子 株式会社 読売広告社 都市生活局
加藤有美 有限会社 ピスタチオ社
古賀繭子 株式会社 環境計画研究所
中村仁 LLP 人間環境デザイン研究所
宮崎一郎 株式会社 環境計画研究所
仙洞田伸一 財団法人 ハイライフ研究所 主任研究員

(敬称略・肩書は当時のもの)

PDF形式の研究報告書は以下のURLよりご覧いただけます。
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=716#03


5. (開催告知) 第18回ハイライフセミナーのご案内

食生活力が高齢者の生活を変える
~食の健康と世代別食育アプローチに関する研究~

(財)ハイライフ研究所では、生活者のよりよい生活の実現をバックアップすべく、これまで食生活に関し、「食のライフスタイル」研究から、食育への注目を受け、食育の視点から家庭の食卓におけるコミュニケーションの有り様を考える研究、そして家庭の食育を支援する生活的サポートに関する研究等を行ってきました。

現在はこれらによって得られた知見を活用し、健全な食生活構築を実生活の場で支援する、より具体的な研究として、『食の健康と世代別食育アプローチに関する研究』を推進しております。

食育の推進を計るうえでは、各々課題が違う世代別に対応を計る事が重要であり、昨年行った幼児・児童を持つ家庭に的を絞った研究に続き、今年度は高齢者にスポットをあてた研究を行っております。

今セミナーにおきましては、研究成果を踏まえ高齢者世帯を対象にした調査結果をご報告すると同時に、その結果を踏まえた食育支援展開の有り方を考えてみたいと思います。

日時:
2010年2月17日(水) 開場13:30、開始14:00~16:30

会場:
ホテルヴィラフォンテーヌ汐留 1階会議室 東京都港区東新橋1-9-2

主催:
財団法人ハイライフ研究所

協賛:
社団法人日本セルフ・サービス協会
株式会社読売広告社

スケジュール:

開会挨拶
【高齢者における食育アプローチの視点と本旨―食生活力】

財団法人ハイライフ研究所 専務理事
高津 春樹

第Ⅰ部 調査結果報告
【食生活力から見た高齢者の食生活意識と実像】

株式会社行動科学研究所 代表取締役
丹野 俊明

第Ⅱ部 調査結果を踏まえて見えてきたこと
【高齢者の食生活力を高めるアプローチの方向性】

高千穂大学理事・大学院教授
新津 重幸

【質疑応答】

閉会


詳しくは以下のPDFファイルをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/hls/hls18.pdf


6. (開催告知) 第19回ハイライフセミナーのご案内

~21世紀の却市型ライフスタイルを考える~
「都市の水辺に暮らす」
その未来への展望

古代の昔から、水辺は多くの生物の生命を育み、人間も水辺を様々な形で利用するとともに、住環境どしての文明が発達し、心を癒されてもきた。未だに物流の中心は船であり、港は重要な意味を持っているが、実は船の大型化により、大型船の停留できない港は影を潜め、多くの土地が有効活用されないままになっている。
また都市部から近いエリアでの埋立地域も広がってきている。そして日本は、世界でも有数の海岸線の長さ(35000km)を有する海洋国。

国土の狭い日本にとって、この海岸地域は、21世紀の住環境を考える上で、最も重要な空間だといえるだろう。

そこで、現代のライフスタイルに合致した、ウォ―タフロントにおける住環境開発に取り組んでいる世界各国の実例や研究を基に、グローバルな視点で考える国際シンポジウムを企画し、21世紀の住環境について考える。

本シシポジウムは、総合監修をウォ―タ―フロントという用語を日本で広めたウォ―タフロント研究の第―人者、日木大学・横内憲久教授にお願いし、海外からお招きした専門家による基調講演に続いて、国内の研究者、文化人も加わり、忌揮の無い意見を交わし、現在開発申の有明を例にパネルディスカッションを行う。
また、世界の先進事例に関する学習と総合的な討論を逼じて、よりよい未来への展望を模索する。

日時:
2010年2月21日(日) 13:00~15:00

会場:
東京国際交流館

司会進行:
室山哲也(NHK解説委員)

主催:
財団法人ハイライフ研究所

企画・監修:
日本大学工学部
横内憲久教授

スケジュール:

開会挨拶
財団法人ハイライフ研究所 理事長
中田 安則

基調講演
<アムステルダム・ウォーターフロント計画をとおして水辺の都市づくりについて語る>

アムステルダム市アイ湾岸開発プロジェクトマネージャー/オランダ
ケース・ファン・ラウフン

<新たな都市機能を担う日本のウォーターフロントの現状と展望について>
日本大学工学部
横内憲久教授

パネルディスカッション
日本大学工学部
横内憲久教授

アムステルダム市アイ湾岸開発プロジェクトマネージャー/オランダ
ケース・ファン・ラウフン

法政大学工学部
陣内秀信教授

女優・画家
城戸真亜子

閉会挨拶
日本大学工学部
横内憲久教授


詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/symposium_waterfront/


編集後記

皆様、新年初めてのメルマガ38号はいかがだったでしょうか。

特に、シンポジウム「いのちと向き合う生涯教育」の4名の先生方の講演には、元気のない今の時代を生きていくための多くの知恵やヒントが満載されているので是非ご覧いただければと思います。

さて、日本は政治・経済ともに2010年以降もなかなか出口の見えない大きな問題を抱えています。

ここで昨年の記事ではありますが、世界的に著名な2人の経済人、思想家が、日本について述べていた記事について振り返りつつ、論旨をご紹介させていただきます。

1人は米国の経済人、JPモルガンチェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏の記事。(日経新聞12月29日1面より)
もう一人はフランスの経済学者で思想家のジャック・アタリ氏(朝日新聞GLOBEより)。

ジェイミー・ダイモン氏は、経済成長の壁をどう乗り越えるかという問題に関して、日本の技術力を高く評価しながらも、一方で日本経済のシステムにおけるほころびを指摘しています。

ほころびとは、具体的には、①人口減少問題、②退出すべき企業を無理に支援してきたこと、③財政赤字が膨らんでいることなどです。

これに対するダイモン氏の処方箋は、まずは政策の総点検をすること。その中で、人口減の問題にたいしては特に家庭に優しい政策を打ち出し、出生率を高めることを提案しています。

またそれだけでなく、人口減の問題には移民を受け入れることの検討が必要だと述べています。

グローバル化の流れは今後も止まらない。だが、グローバル化は日本の成長のカギでもある。
ダイモン氏は、日本が内向きにならず、これまでもグローバル競争を勝ち抜いてきた企業を擁する国として、さらに改革に取り組む姿勢が必要だと説いています。

もう1人のジャック・アタリ氏も、ダイモン氏と同様に、日本の技術力を高く評価しつつ、今後の日本の大きな危機を語っています。

「日本の最大の弱みは人口問題であり、今後移民を拒むようであればそれによって引き起こされる恐ろしいほどの国内の高齢化と人口減少は脅威となる」

その対策として、「高齢化が進む日本のキーワードは『開放』。移民を受け入れ、大胆に人口構成を変えよ」と述べています。

アタリ氏も日本の内向きになりがちな政治・経済・社会を心配しています。国際化の拒否は非常に高くつく、と。

「日本が今後、世界の中心を狙う地位に戻るための方向は、『開放』である。競争が激しくなるのを覚悟の上で国を開くべきだ。」

さて迷走する日本丸は、今年どんな海図で航海するべきでしょうか。やはり坂本龍馬の登場を待つ?

とにかく出生率は簡単に上がるものではありません。政府に期待するのは、女性が安心して子供を産み育てられる社会システムの確立を促すこと。そして現実的な選択肢として、移民をどういう形で受け入れるか、その移民たちの権利をどう保障するかを検討していくことではないでしょうか。

そうしたなかで、特定外国人居住者に対して、地方自治体に限定した参政権と被参政権を与えるかどうかの判断もあります。 関連する議論の今後の行方を見守りたいと思います。

いつものとおり、掟破りの長たらしい編集後記で失礼いたしました。

編集後記はさておき、新春1回目(第38号)のメルマガは、皆様の情報源になりましたでしょうか。

次回第39号は1月29日(金)に配信いたします。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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