ハイライフ研究所メールマガジン 第33号

2009年10月23日配信  発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局

今週の話題はウインドウズ7の発売&東京モーターショー開催

昨日、前々回のメルマガ(31号)でご紹介した「ウィンドウズ7」の一般用発売がはじまった。
前評判では前OSのVISTAをはるかにしのぐ売り上げになるとのこと。PCやそれに付随するOSなども日新月歩の進歩をしていくなか、消耗品と考え、これを機会に買い替えもよいのでは。
スピードの向上や画面タッチでコントロールできるのも頼もしい。いよいよクラウドコンピューティング化が現実を帯びてきた。

それに対してさびしいニュースは、21日にマスコミ公開された今回の第41回東京モーターショー。

今回、出展企業・団体数は自動車不況の影響で計113にとどまり、55年の歴史で最小規模になった。出展車両も261台で、2007年の前回から半減。海外勢の出展はわずか3社のみとなり、高級車やスポーツカーなど、ゴージャスな車が目立つ海外勢の不在で、華やかさを欠いている様子。4月のメルマガ(21号)で上海のモーターショーの盛況ぶりをご紹介したが、その時の予測通り、東京モーターショーの規模は大きく縮小したようだ。

参加している企業のなかでも、少しでも、経費を軽減するために、一般公開でのカメラ小僧のお楽しみであるコンパニオンの数を減らしたとか。あるいは商談用のVIPルームをやめたとか。

現状の自動車業界(特に日本のメーカー)は、欧米の大きな売り上げの落ち込みや為替の影響で減益が続いているためやむを得ないとはいえ、2年に1度のお祭りとしては非常にさみしい気がする。

とは言え、日本の環境・脱化石燃料化に関する自動車技術への評価はやはり高い。米国の専門誌等では「縮小したとは言え、それでもなお東京モーターショーは、世界の自動車メーカーがそれぞれの最新作を確認し合う重要な場である」、「特にエコカーブームの現在、東京はハイブリッドや電気自動車分野において、最先端をリードするモーターショーと言えるだろう」と書いているそうだ。

この週末は混雑はいつもより予想されないと思うので、日本自慢の最新技術を幕張まで見に行こう!

いつもながら長い巻頭文ですいません。ハイライフ研究所33号で役に立つ情報をお使いください。(HH)

 

 


<今号の内容>

1. 立澤芳男の「High-Life 生活・社会総括レポート21」
2. 「団塊世代」と「団塊ジュニア世代」における価値観の世代間比較研究
3. 持続可能な社会をめざすツーリズムの研究
4. 「ファッションと文化の街」-東京の繁華街その系譜-(2007年)
5. 特別企画|ホスピタリティ研究チーム インタビューシリーズ
6. 第9回日本の環境首都コンテスト 参加自治体募集



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/?p=436″>ハイライフセミナー|持続可能な社会をめざすツーリズムの研究

発表:
(株)パワーウイングス代表取締役 高橋洋一郎

 

詳しくは以下のURLをご覧ください。

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日本社会の成熟とともに旅行のスタイルも変化しています。

心身のリフレッシュや、好奇心を満たすための旅行が主流であることは事実ですが、一方で、自然と社会について学びたい、あるいは、よりよいライフスタイルとは何かを考えるきっかけにしたい、という気持ちに応えようとするツーリズムが静かに拡がっています。

農業体験やエコロジーを学ぶエコ・ツーリズムへの流れをどう捉えるべきか。

日本におけるエコツーリズムの普及に携わってこられその実績と企画力で業界の最先端を行く有限会社リボーンの壱岐健一郎代表にご講演をいただきました。

講演:壱岐健一郎(有限会社リボーン代表取締役|NPO法人エコツーリズム・ネットワーク・ジャパン代表理事)

開催日時:2009年8月5日(水)
会場:財団法人ハイライフ研究所セミナールーム

セミナー構成
1. ミニレクチャー「自己実現を通じてエコロジーとエコノミーの共生に挑戦!」
2. エコツアーの実際 「春の山形・循環型社会体験エコツアー」
3. 映像コラム「リサイクルてんぷら油で走る観光バス」の話
4. 8月後半以降のオーガニックツアーの催行予定
5. 総括質疑応答 歓談


制作・著作:財団法人ハイライフ研究所

 

詳しくは以下のURLをご覧ください。

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5. 特別企画|ホスピタリティ研究チーム インタビューシリーズ

「豊かに生きるために大切なこと」
~現代人の自然と切り離された無機質な生活に自然や生命感を取り戻すために~

インタビュー:
井上惠介さん(陶芸家)

インタビュアー:
(有)文化技術デザイン 足立裕子(ホスピタリティ研究チーム)

今回は神奈川県三浦市の小網代に工房を構える陶芸家の井上惠介さんに土、水、火、木(薪)、風や太陽などたくさんの自然の要素と深い関係にある陶器作りを通じて、今私たちが忘れかけている豊かに生きるために大切なことを食の話題を中心にお伺いしました。

井上惠介さん

井上
あまり意識はしていませんが、陶器作りは色々な意味で自然と呼応していると思います。だからこそ愛されてきたのだと思います。
例えば粘土は10年~20年放置したもののほうが、アルカリ分が抜けて良い土となります。
土を水に溶かし、ふるいを通して底に沈殿した粗粒を取り出し、上澄みをとって作るのですが、丁度良く調整してからも一年くらい放置し微生物による粘り気が出るのを待ちます。
それでないとぼそぼそして作りにくい。
成形や仕上げをし、乾燥したものをもう一度太陽の下で乾かしますが、これも気温や天気に左右されるので、四季の気候変化が大きい日本の梅雨時期などでは思うように作品作りがはかどらないこともあります。
そして最後の焼きですが、そこが問題で、火はある程度は操作するのですが、データではどうにもならない部分があり、最後は目で確認するしかありません。
「火には神が宿っている」とよくいいますが、本当にそう思います。
また「1焼き、2土、3細工」とも昔から言われ、大切なものの二つは人の手が及ばないもので、30年経った今でも弄ばれます(笑)。

Q
本当に自然とともに作りあげているのですね。
微生物まで関係しているとは知りませんでした。
そして、やはり自然の力を制することができないという発想のもとに、自然の力と上手に付き合っていくことの大切さを教えられたような気がします。

井上
確かに火は怖いけれど、精神的なものを感じることもでき、人が集まってきたり、心も暖めてもくれる。
五感すべてを刺激するものです。
しかし、気がつけばその火が私たちの日常生活からどんどんなくなってきています。
料理を作り、身体を暖め、風呂を沸かし、部屋を明るくしていたすべての火がIH化という流れのもとに消えてしまいそうになっています。
それとともに色々な意味で火を意識しなくなり、火との付き合い方も忘れてしまったように感じます。目の前にある食器が火から作られていることをどれだけの人が意識しているでしょう。
陶器は日本人の生活文化や、心や身体とも呼応しています。
ご飯や煮物や焼き魚などの和食を盛るだけでなく、日本の食器の大半が手に持って、口に触れて使うものですからとくに重さや口当たりには気をつかいます。
もっと言えば、口の大きさを基準に食べ物の大きさが決まり、そのサイズによって器の形や大きさも決まります。
また、春夏秋冬の季節感もさりげなく演出します。料理屋では季節やお客様によって食器を替えます。

Q
「箸」で食べることから出発しているのですね。
日本人は「食事」にこだわりを持っていたのがよくわかりました。それは美味しく食事をいただく智恵でもあるのですね。
夫婦茶碗や湯呑みを自分専用として持つのも日本独自の文化で面白いですね。
先日ある年配の料理研究家の方が、「食器を選んでからお料理を作ります」とおっしゃっていましたが、本来はそういうものだったのかもしれませんね。
やはり、ナイフやフォークで食べるための洋食器とは大きな違いですね。

井上
日本の文化は「余白」を大事にします。
これは生活の中の「美」でもありました。
焼き物は花を活けたり、料理を盛り付けたりするための「余白」を残さなくてはなりません。
日常生活でも、昔の人は余白の部分で自然に触れたりしていたのかもしれないが、それも段々となくなって、せめて毎日の食べ物くらいは「余白」を楽しみたいものです。
言い換えると、食卓や皿の上の「間」でもあります。
そして、この「間」の感覚がにぶってくると、「間」があっても気づかずただの「隙間」となってしまう。
料理屋さんにいくと、「おいしそうだな」と思わせるプロの「間」に感動します。
ちょっとした葉っぱだったりするのですが、ここにも自然が欠かせません。
これは、美味しく、楽しい食卓作りに一役かえる技です。
たぶん皆さん毎日無意識のうちになんとなくやっていると思いますが、料理を何に盛りつけるか考え、迷う時間はその人のセンスを表現する瞬間。
これを生活の楽しみにできるといいですね。
私が主催する陶芸教室で自分の作った器を持って料理屋さんに行き、そこでプロの料理人に盛りつけて頂くということを年に一度やっているのですが、その感動は日常ではなかなか感じられない高度な事のようです。
つまり、食器だけの状態では半完成品で、料理を盛り付けて完成します。
「自然の恵みの命をいただきます」という気持ちも載せることが大切なのではないでしょうか。

Q
近年はファーストフードやコンビニのお弁当など食器をあまり意識しない食文化も増えたり、100円でも食器が手に入るようになったり、残念ながら若い人を中心に器や盛りつけへのこだわりが薄れてしまったような気がします。
「いただきます」という言葉どおり、「自然の恵みの命をいただく」感謝の気持ち、日本ならではの「間」の美しさなどに「気づく」きっかけを作る必要がありそうですね。
井上さんは「まめ盆栽」のための鉢作りも手がけられていますが、そこにも「間」が関係していそうですね。

井上さんの作品

井上
そうですね。
まめ盆栽との出会いは10年余りになります。
焼き物で作る鉢ですから土で出来ていて、植物とのバランスもいい。鉢も含めて全体で息をしています。
まめ盆栽は一つだけで魅せるものではなく、いくつかの鉢を組み合わせて大自然や風景などを表現していくもので、一つだけで完成する大型盆栽とは基本的に違います。
これも食器同様、植物の種類によって馴染む色や形が違いますし、主張のしすぎは駄目です。毎日植物が育ち、土や水によって鉢の色も変化していくのを楽しむことができるのも魅力です。
ですから私も種から植物を育てて色々勉強しています。そこで小さな種の面白い形に気がつき、種シリーズの作品も生まれました。
まめ盆栽は、その昔参勤交代の時にお殿様が籠の中でも自然を楽しむことができるようにと考えられたものらしいです。
自然をいつも身近に置いて敬意をはらっていたのではないでしょうか。
現代人はエコ運動などに熱心なのに自然に対する敬意をあまり感じません。ある面矛盾していますね。

井上さんの作品

Q
昔の人は自然に敬意をはらい自然とともに生きることを楽しんでいたのでしょうね。
草木の声に耳を傾けていたのだと思います。生け花やフラワーアレンジもいいですが、鉢と植物が一体となって小さな世界を作りあげていく楽しみは別な奥深さがありそうです。
また、人間は本来そのような自然との関わりを求めているのではないでしょうか。

井上
磁器は土同士がくっついて隙間がない。
陶器でも備前焼きや常滑焼きなどは同様に水を吸いませんが、その他の陶器は隙間が空いているので、水が染みて当たり前。
陶器は漏れるもので、水がしたたったものは乾いたものより美しい。でも意外とそれを知らない人もいます。もちろん水を染み出さなくする智恵はあります。
使う前には必ず水を十分含ませる。土鍋など食べるものは米のとぎ汁や寒天で処理します。
花器は使うことによりその隙間が詰まってきます。
また、乾かし方も重要です。
つまり、器との付き合い方、作法を知らなくては育てることはできないのです。
使って変わって変化して落ち着いていく。使う人によって育っていく。

Q
陶器を使う上での正しい使い方、作法などの知識から伝えていかなければならないと思います。それには大切に使い込んだものがどれだけ美しく変化したかを目で見て納得する必要もあるのではないでしょうか。

井上
ほんとうにそうですね。
先日、私の器を使っていただいている料理屋さんで、器が割れても大切に嗣いで使ってくれているのを見て嬉しい気持ちになりました。
継ぎ目が模様になってさらに綺麗に感じました。
割れてしまった破片を器として使う人もいます。
それは日本ならではのものを大切にする気持ちの表現の仕方ではないでしょうか。
作品に付加価値が生まれ、作者が意図しないものとして歩み始めるのが面白いですね。

Q
ものを大切にする素晴らしい文化だと思いますが、それは器にもともと力があったのかもしれませんね。

井上
手で作るものには、自ずと何かの力が移っていると思います。
「器が生きているなあ」と感じる時はよくあります。
モノが持っている気と使う人の気が合った時に生きてくる。
まさに共鳴です。
選ぶ人がその器から何を感じとるか。
料理人との協同作業が成り立たないと魅力を感じてもらえない。
見た目の美しさと使った感じでは違うと思うのです。
衣服の衣替えをするように器も季節に合わせていく。
これは日本人の楽しみ。季節によって器を変えるのも、休ませてあげるという目的もあります。
また、よく「お客様用の器」といってしまっておく人がいますが、それは大切にしているということの履き違えで、作る側としては大切にしまってあるとがっかりします。

Q
本日のお話を聞いて、使う側の意識一つで器と対話すること、しいては自然や自分とも対話することが誰にでもできることがわかりました。
そして、器とともに自分も育っていくのだと思いました。
現代人の自然と切り離された無機質な生活に自然や生命観を取り戻すことが、毎日の食事や暮らしの中のちょっとした事からできることがわかりました。
また、日本人に生まれたことに感謝して、日本人ならではの自然との触れ合いを、感謝を込めて楽しみたいと思いました。
今後のご活躍を期待しております。本日はありがとうございました。

井上さんの作品

参考リンク:小網代陶房 http://www.koajiro.jp/

 

 


6. 第9回日本の環境首都コンテスト 参加自治体募集

環境首都コンテスト全国ネットワークからのお知らせ

環境自治体づくりを応援する
~持続可能な地域社会をつくる~

第9回日本の環境首都コンテスト 
参加自治体を募集しています。

応募開始 2009年8月10日(月)
回答期限 2009年11月16日(月)
結果発表 2010年3月
参加無料

回答書類は申し込んだ自治体にお送りします。

参加自治体には、先進事例集、映像版先進事例集DVD、報告書
、結果分析ツールをご提供します。

 

詳しくは
環境首都コンテスト全国ネットワークまで

http://www.eco-capital.net

 

 


編集後記

今号掲載の「ホスピタリティ特別インタビュー」のインタビュアー足立裕子氏からごインタビュー後記としてコメントをいただきました。
編集後記として掲載させていただきます。

戦後の経済成長とともに、私たち日本人の生活はあらゆる面で欧米化、グローバル化が進み、生活は比べものにならないくらい便利になりましたが、「自然」とのかかわりが急激に減少してしまいました。
それと同時にお金では買えない日本人らしい「暮らしの楽しみ」や「豊かな感性」「生命感やつながり感」なども失われていき、精神的な側面からみた生活の質は下がっているように感じます。
その結果、私たちに日常的な閉塞感や孤立感をもたらし、心や身体の健康にも影響が出ているのではないでしょうか。

そこでホスピタリティ研究のテーマでもある「快さの実現」のための一つの試みとして毎日使う「もの」との関係をもう一度見つめ直してみたいと思いました。
日本人が愛し、日本人の心豊かな生活を支えてきた「もの」には、歴史や文化、自然などに裏付けされた場所が熟成させた「美しさ」があり、それを通して「自然」と交歓することや自分の「内なる自然」と呼応する「快さ」に気づくことが可能なものがたくさんあると思ったからです。

第一回は、私たちの日常生活にとくに関係が深い陶器を作っている井上惠介さんから現代人が忘れかけている「豊かに生きるために大切なこと」をたくさん教えていただいたと思っております。そしてこれらの日常の中にある小さな「気づき」を重ねることで現代人の自然と切り離された無機質な生活に「自然」や「生命観」を取り戻していくことができればと思っております。

ホスピタリティ研究メンバー (有)文化技術デザイン 足立裕子


この「特別企画ホスピタリティインタビュー」シリーズは、まだまだ続きます。皆様ご注目をお願いします。

 



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