ハイライフ研究所メールマガジン 第5号
2008年8月28日配信 発行責任 財団法人ハイライフ研究所 事務局
イギリスのパブが激減
ご存知のようにイギリスでPUBと言えば、日本の赤ちょうちん、居酒屋に匹敵する存在。そのパブが今毎日4店舗のスピードで閉鎖または別の営業形態に転じているという。
パブが減っていく理由は、景気の後退や食料品価格の上昇による消費の抑制があげられる。実際、パブの値段の5分の1ほどの値段で飲める安価なビールも出回っているようだ。しかし最大の原因は、公共の場での喫煙を禁じた禁煙法にあるらしい。
イギリス人に限ったことではないが、飲み屋が禁煙というのは喫煙者にはこたえるようだ。PUBに行った方はご存じだと思うが、イギリスにおけるPUBは庶民の社交の場(コミュニケーションの場)である。さまざまな種類のビールや酒を片手に煙草をふかし、その日の疲れをいやす。
そんな憩いの場が禁煙法によって喫煙できなくなり、来店者が激減。経営が成り立たなくなって閉店に追い込まれているとか。そもそも2004年にアイルランドのマーティン保健相が、健康法に基づく煙規則により「PUBやレストランを全面的に禁煙する」という宣言を行ない、それにノルウェー、オランダ、スコットランドが追随した結果、このような顛末になったらしい。
日本でも禁煙エリアの拡大で喫煙者の居場所が徐々に無くなりつつあり、喫煙をやめたひとも少なくない。ヘビースモーカーには厳しい環境だ。ところで煙草の価格がひと箱1,000円になっても喫煙を続けられるだろうか。
いずれにしても、イギリスでPUBがなくなるのは日本の赤ちょうちんがなくなるに等しい。文化がまたひとつ消えていくようでさびしい気がする。
資料編/
前々回のガソリンに続き、世界のたばこ価格をご紹介しよう。
各国の代表的な銘柄(20本入り)の値段
(2002年~2007年の調査による。1ユーロ=168円換算)
英国 1,160~1,200円(75%が税金)(2007年)
フランス 850~900円(2007年)
スイス 約520円(2004年)
ドイツ 710~750円(2005年)20本換算
イタリア 560~590円(2005年)
アメリカ 約800円(2002年)
カナダ 約850円(2005年)
オーストラリア 約1,050円(2007年)
ニュージーランド 約400円(2002年)ただし物価比較だと1,000円相当
日本 約300円
<今号の内容>
1. 伝説のマーケッター立澤芳男の<新・新世代レポート>vol.3「いまどきの独身未婚者」
2. ハイライフセミナー 持続可能な生活環境を目指して
3. こんなハイライフあんなハイライフ
4. 「大都市のシーンに関する研究」
5. 新着イベント・セミナー情報
2. 環境NPO 環境市民代表理事)
講演:NEXT21における居住実験~環境共生社会への応用の可能性について
志波 徹氏 (大阪ガス株式会社リビング開発部企画開発チーム課長)
講演:エコセンタープロジェクトのコンセプトと環境改善への取り組み
マンフレッド・ラウシェン氏 (エコセンター代表取締役)
世界の居住「アマゾン川の水上生活 ブラジル マナウス」
山畑信博(東北芸術工科大学助教授)
世界中から様々なスタイルのハイライフを探します。今回は、南米のアマゾン川の奥深く広がる巨大都市マナウス付近の水上生活の住居を紹介します。
詳しくは以下のURLをご覧ください。
http://www.hilife.or.jp/rf_windowsOS/01_1/04/
「大都市のシーンに関する研究」
Ⅰ.都市のシーン
1.都市空間の再編/
2.社会環境の変化/
3.都市のシーンの役割
Ⅱ.東京のシーンの変遷と展望
1.東京のシーンの変遷/
2.都市空間の変遷/3.住居空間/4.消費空間
Ⅲ.体験消費のシーン
1.店舗/2.外食/3.喫茶店/4.アミューズメント/5.エンターテイメント/6.スポーツ/7.健康・美容/8.流行現象とストリートファッション
Ⅳ.まとめにかえて
1.グリーン・シナリオ/2.ウェルネス・シナリオ
研究体制:
中田裕久 (株)オオバ 環境開発デザイン研究所 主任研究員
研究協力:
仙洞田伸一 (株)読売広告社 マーケティング本部、(財)ハイライフ研究所 主任研究員
菊池しのぶ (財)ハイライフ研究所 研究員
小田輝夫 (財)ハイライフ研究所
小坂井達也 (財)ハイライフ研究所
高木麻紀子 (財)ハイライフ研究所
(※上記の職名は研究当時のもの)
PDF形式の研究報告書は以下のURLよりご覧いただけます。
http://www.hilife.or.jp/pdf/cnt.php?url=20024
5. 新着イベント・セミナー情報
ハイライフ研究所より、おすすめのイベントやセミナーをご紹介します。
【大阪】 近畿ブロック「環境NGOと市民の集い」
地球温暖化をはじめとして、地球規模の環境問題の解決は最重要か
つ緊急の課題です。
これらの問題は、私たちのライフスタイルと社会経済システムのあ
り方そのものに原因があります。もはや、個々人、個別の企業や自
治体の努力に期待することや、科学技術の発展を待つだけでは解決
が困難なのは明らかです。今こそ、持続可能な社会のビジョン(将
来像)と戦略を「協働」の力で創りだし、社会の仕組みとパラダイ
ムを変えていくことが求められています。
◆日 時:2008年10月11日(土)午前10:00~午後4:30(開場9:30)
◆場 所:大阪YMCA(大阪市西区土佐堀1-5-6)
◆内 容:
第1部 シンポジウム “流れ”を変える!「協働」の力で持続可能な社会へ
第2部
NGO取り組み発表会
「見たい!聞きたい!話したい!環境NGOってどんな活動しているの?」
◆対象
・協働による本質的なCSR活動に関心のある方
・企業、行政との協働による環境保全活動に関心のある方
・協働による環境施策の推進に関心のある方
・環境問題の解決に関心のある方
・環境NGOのことが知りたい、環境NGOに参加したいと考えている方、など
◆参加費:無料
◆主催:独立行政法人 環境再生保全機構 地球環境基金
◆企画・運営:特定非営利活動法人 環境市民
◆協同運営:きんき環境館、特定非営利活動法人 大阪府民環境会議
詳細、応募方法等は以下をご覧ください。
http://www.kankyoshimin.org/jp/event/other.html
【京都】薪炭文化 はっくつ隊員養成講座
薪(まき)や炭(すみ)を知っていますか?
ほぼ姿を消してしまったかのようですが、
実はまだまだ京都の暮らしや文化に根づいています。人知れず
京都に眠る、そんな薪炭の魅力を一緒に発掘してくれる隊員を
募集します!
◆日 時:9月7日(日)10:00~16:00
◆場 所:京都市内
集合場所 森の家に住みたい会(岩井木材内)
京都市北区紫野雲林院町13-14
◆内 容:
・薪炭ってなに? はじめての薪炭講座
・京都の薪炭林の見学と歴史のお話
・緑いっぱいのオーガニックカフェで薪焼きパン/ 石窯
コーヒーの見学・昼食
・おもしろはっくつ★取材講習
◆参加費:大人 2,000円/人 *昼食代・交通費込
小人(小学生以下) 1,000円/人
◆定 員:20名(先着順)
◆主 催:薪く炭くKYOTO
詳細、応募方法等は以下をご覧ください。
http://sinktank.kdn.jp/makisumiclub/taiin.pdf
編集後記
当メルマガの特派員でもある熊倉次郎氏(リベラルアーツ総合研究所代表)がいま日系移民100周年のブラジルに取材に行っています。
目的は、知る人ぞ知るブラジルの環境都市・クリチバ市の撮影。
クリチバ市はアイデア豊かな行政プロジェクトで知られ、1992年の地球サミットなどで環境への取組みが国際的にも高く評価されています。今回の取材撮影では、クリチバ市のさまざまな行政プロジェクトを紹介し、日本の行政や都市づくりにかかわる方々にも参考にしていただけるような映像番組の制作をめざしています。
ブラジルのクリチバ市について少しご紹介しておきましょう。
「クリチバ市はサンパウロから西へ約400km離れたブラジル南部パラナ州の州都である。
標高は約900メートルの高原都市であり、面積は420平方キロメートル、気候は亜熱帯から熱帯に入る。人口は150万人、クリチバ市を含む周辺25都市で構成されるクリチバ大都市圏では、人口は240万人を数える。
クリチバ市は、一人あたりの緑地面積が52平方メートルにものぼり、土地利用と整合のとれたバスによる効率的な公共交通システムや、ユニークなゴミの分別回収システムを有することからブラジルの環境首都として知られている。
以前より、クリチバ市は計画的な都市政策・環境政策を持つ都市として一部の専門家には知られていたが、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットの1週間前にクリチバ市で国際環境都市会議が開かれ、世界各国の人々がその成果を実際に目にして以来、一躍世界的に知られるようになった。
また、クリチバ市は、1989年1月1日に環境都市を宣言し、1991年には国連からクリチバ市のゴミ対策が優れているということで賞を受け、また1992年の地球サミットでは、環境改善に多大な成果を納めた都市として北九州市とともに表彰されている。」(月刊『環境自治体』1999年6月号より)
今回の取材をまとめた映像は、ハイライフ研究所のウェブサイトより年内にシリーズ配信を開始する予定です。ご期待ください。
取材の途中経過などは熊倉氏のブログ(下記URL)にてご覧ください。
http://blog.canpan.info/superkumaji/
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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