【連載】 第6回 東京在住世帯(ファミリー)の変貌と都市生活|ポスト2020「東京の行方」-首都東京の変化を見る-

第6回 東京在住世帯(ファミリー)の変貌と都市生活

 日本の戦後の社会状況で人口の東京集中が常に問題視されてきたが、東京への集中に関して言えば人口より世帯の方がはるかに集中度(全国対比を見ると)が高い。戦後の東京に人口が集中する中、特別区(23区、以下同)の世帯数は特別区の人口が増減、上下変動を繰り返すのに反し毎年増加を続けた。人口は、1969(昭和44)年に8,663,875人と戦後最大の数を記録したが、2014(平成26)年に8,685,756人に回復するまで約半世紀を費やしている。一方、世帯数はその半世紀に、1965年の約206万世帯から約2倍強となる483万世帯(2015年現在)となっている。

 世帯数は増加し続け、その世帯は容を大きく変えてきている。その変化する世帯の容が半世紀にわたり東京の都市生活を大きく変えてきた。以下、東京都特別区の世帯数の動向と社会の変化状況との相関を追う。

 本レポートは、大都市東京がどのように移り変わってきたのかを「人口・世帯」「ライフスタイル」「建築物」「地域開発」「交通」「小売業・流通業」のカテゴリーごとに分析・予測してゆく連載レポートであるが、今回のレポート、第六回は、「東京の在住世帯(ファミリー)の変貌と都市生活」である。都市生活を「人口」から分析するこが多いが、今回はより変貌していった「世帯」から見直してみた。経済大都市・東京を生み出した背景には巨大に膨れ上がった世帯が隠れていたようだ。ポスト東京の姿のカギを握るのは世帯の動向だろう。
(なお本レポートの第一回レポートは『東京の人口編』、第二回は『東京の交通インフラ鉄道編』、第三回は『東京の流通小売編』、第四回は『東京の都市開発・都心オフィス編』、第五回は『東京の「経済力」編』)

 

執筆者 マーケット・プレイス・オフィス代表  立澤芳男(たつざわよしお)
■流通系企業の出店リサーチ・店舗コンセプトの企画立案
/都市・消費・世代に関するマーケティング情報収集と分析
■現ハイライフ研究所主任研究員
■元「アクロス」編集長(パルコ)/著書「百万人の時代」(高木書房)ほか

■東京オリンピックが挟んだ半世紀の東京
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?cat=162

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